「優太印」のオリジナルアプリ開発シリーズ⑤ 話合い中、全員の声を記録→転送→要約テキスト化できる!音声回収アプリ「コエワ~プ」をプレゼント

話合いにおいてなかなか全部は拾いきれない子どもたち一人一人の声を、できるだけ活かした学びをつくりたい――。心ある先生方にとって共通の願いではないでしょうか。そこで今回は、話し合っている子どもたち全員の声をもれなく記録し、教師の端末へ自動的に送ってくれるアプリ「コエワ~プ」をご紹介。有料パートまでお読みいただけた方には、そのまま使えるURLをプレゼントします。
執筆/鈴木優太(宮城県公立小学校教諭)
目次
1 コエワ~プで音声革命
書くのは苦手。でも、話すときにはすらすらと言える子がいます。
全体の前では小さな声。でも、ペアやグループトークならのびのびと語れる子がいます。
そんな子たち一人一人の「声」を、できれば全て拾って学級の学びに活かしたい。授業や学級づくりに熱心な先生ほど、そう強く願っているはずです。
しかし、30人全員の声を集めるなんて物理的に不可能――。
いいえ、あきらめる必要はありません。私は作りました。
「コエワ~プ」
子どもたちは、手元の端末でマイクボタンを押すだけ。録音された声のデータが自動的に先生のGoogleドライブへワープする音声回収アプリです。集まった音声データを生成AIで読み解き、授業に活かすのです。

音声を集める×AIで読み解く
このことによって、教室に「音声革命」が起きます。挙手した数人だけで進み、それに終始する授業から、全員の声を瞬時に可視化できる授業へ。一緒に新時代の学びにチャレンジしていきましょう。
今回も記事を最後までお読みくださった先生方には、そのままお試しいただけるこのアプリのURLをプレゼントします。
なお、本実践は、前多昌顕先生が開発された「スーパー記録くんneo2」をヒントに筆者がアプリ化したものです。前多先生は、そのYouTubeチャンネル「Johnny MAETAの超絶簡単ICT活用チャンネル」で、「スーパー記録くんneo」の作り方も惜しげもなく公開されています。ぜひ、そちらも併せてご活用ください。。
2 授業で活用する
5年生道徳『公園のきまりを作ろう』(東京書籍)の授業における活用例を紹介します。
教科書では、たくさんの人が思い思いの余暇を楽しんでいる公園の様子が、見開きの大きな一枚の挿絵に描かれています。
① 公園の絵を見て、気になるところは?
② 気になるところを解決するために、どんなきまりがあればよいと思う?
③ 公園の看板に書くとしたら、どのように書く?
④ 自分がきまりを作る立場になったとき、大事にしなければならないと考えたことは?
4人の班で時間を区切り,ファシリテーター役を交代しつつ上記4つの問いを聞き合います。机の中央には端末を一台。その端末で「コエワ~プ」を起動し、一人が画面中央のマイクボタンを押した後、思い思いに語り出します。
児童A:小さい子のすぐ近くでキャッチボールをしている。これは,危ないよね。
児童B:じゃあ、ボール遊びは禁止ってきまりにする?
児童C:でも、全部禁止にしたら、つまらない公園になっちゃうよね。
児童D:楽しめることと安全の両立。このバランスが、きまり作りでは大事なんじゃない?

話合いが終わったら,マイクボタンをもう一度押します。子どもがしなければならない操作はこれだけ。録音が停止し、音声データは自動的に指定のGoogleフォルダへ転送されます。

下の画面のように、班の名前を付けたファイルが、教師の手元に次々に集まってきます。

ここから先はGemini Notebookの出番です。
教師がGemini Notebookを操作する間、子どもたちは中間振り返りをします。ノートに書くのもよいですが、ここでも改めて「コエワ~プ」を起動し、それぞれが話した気付きを音声データで残すこともできます。「書く」のか「話す」のか、一人一人が得意な方を選べることも、全員参加を支える大切な手立てになるでしょう。
その間教師は、Gemini Notebook左側「+ソースを追加」に自動回収した全ての音声データをアップロードします。

その後、Gemini Notebook中央「チャット欄」に、「要約してください」と入力します。すると、計7班分の音声データの要約文が瞬く間に生成されます。手作業なら数時間かかってしまう作業が、わずか数十秒で終わります。

生成された要約データは「メモに保存」を押して保存します。
そして右側に生成された「メモ」の3点リーダから「ソースに変換」を押すと、左側のソースに加わります。

ここで、元の1~7班の音声データのチェックを外します。このひと手間を加えることで、この後の成果物の生成結果の質が格段に向上します。

Gemini Notebook右側「Studio」で、インフォグラフィック、マインドマップ、スライド、音声解説…などのうち、生成したいものを選んでタップします。そうすることで、子どもたちの生の声がビジュアル化され、一目見て分かる成果物へと姿を変えます。

生成された成果物は大型モニターで共有し、それをもとに改めて話し合います。
児童A:すごい、全部の班の意見が1枚にまとまっている。
児童B:そうか、ゴミのことまで考えた班もあるんだ。
教師:このインフォグラフィックに、みんなの考えと「ズレ」はある?
児童C:私たちが話し合ったことは、ちゃんと反映されている。
児童D:大体この通り。ただ、私たちが話した「猫に餌付けしちゃいけない」は、この中には描かれていないかな。
全員の声を受け止めることができる
その手応えが、子どもたちの学ぶ意欲に火をつけます。生成AIが拾いきれていなかった「ズレ」を見つける活動は、発表への動機付けや深い学びの入口となることがあります。生成AIを教材として活用する学びに、どんな場合でも共通するポイントです。
児童A:「みんなが楽しめて安全」という視点は、どの班も大事にしていた。
児童B:きまりはだれかを縛るためじゃなく、みんなのためにあるんだと分かった。
児童C:「看板を設置する場所も大切」という私たちの班では出なかった見方も知ることができた。
児童D:自分が出したアイデアが、クラス全体の考えになってうれしかった。
こうした振り返りを共有しても、45分間の予定だった授業が、25分間で終わってしまいました。
しかも、かつてないほど濃密な25分間でした。4時間目の授業だったこともあり、授業後、Gemini Notebookで生成した音声解説を聞きながら給食を食べました。音声解説ではAIが子どもたちをたくさん褒めちぎってくれて、みんな大笑いしながら大満足でお昼の時間を過ごしました。
このアプリは、こうした教科の授業はもちろん、学級会や学年集会、児童会活動における話合いでも活用できます。
3 教員の研修で活用する
音声回収アプリ「コエワ~プ」が活躍する場は、子どもたちの教室だけではありません。
ある教員研修会でのことです。
質疑応答の時間。参加者にアプリを開いてもらい、ペアで質問してみたいことを聞き合ってもらいました。「コエワ~プ」はパソコンに限らず、スマホからもタブレットからも開けます。かかった時間はわずか2分間でした。

その後、自動回収した音声データをNotebookLMで分析し、「参加した先生方の学びが深まる問いを、10個にまとめてください。」と指示。その後、参加した先生方は、AIが厳選した10個の問いに全力で答えていきました。

50名の参加者のうち48名が、「答えてほしかったことに答えてもらえた」という反応でした。取り上げられなかった2名にだけ、その場で直接質問してもらいました。
研修会の質疑の時間に、沈黙が生まれない。
これが画期的です。新しい形の質疑応答にチャレンジできた私たち自身が楽しめたのはもちろん,参加された先生方の満足度が非常に高く、この時間について「今日のベスト1」と振り返る声がたくさん寄せられました。
このように研修会終盤における質疑応答だけではなく、中盤での振り返りや学びの整理、序盤での実態把握やアイスブレイクなど、あらゆる場面で活用できます。この「コエワ~プ」一つで、教員研修の場が豊かに充実します。「声を集める」という発想は、すべての学びの場に応用できるのです。
4 子どもが活用する際の画面はシンプル
「コエワ~プ」の共有URLを開いた際、画面上で子どもに見えるのは以下のたった3つの要素です。
② データ名の入力欄
② 大きなマイクボタン
③ 録音状況の表示
たったこれだけ。余計なボタンは一つもありません。低学年の子どもでも、「マイクボタンを押すだけ」で迷いなく音声を提出できます。このシンプルさが全員参加の土台になります。

録音中は、マイクボタンの周りで音量に合わせたビジュアルエフェクトが優しく揺れます。「ちゃんと録れているかな?」という不安を、視覚的な安心感がそっと包み込んでくれます。
しかもこのアプリの見た目は、自由自在に着せ替えができます。
① テーマカラー
② マイクの形
③ マイクの色
④ マイクの大きさ
④ 録音中のエフェクト
それぞれ10種類ずつ用意してありますので、組み合わせの総数はなんと10万通り。子どもたちにとって「これは自分たちのアプリだ」と感じられる愛着は、毎日活用して学び続けるための確かな原動力になります。

提出された音声データは、ドライブの中で自動生成されたその日の日付フォルダ(「20260901」といった名称)へ振り分けられます。
それぞれの音声ファイル名も、子どもたちが入力したデータ名+日付+時刻という形式の名称で保存されます。誰の・いつの声なのかが一目瞭然です。もしファイル名を付け忘れたとしても、「日付+時刻」形式の名称で保存されるのでご安心ください。
授業のたびに面倒な設定をやり直す必要はありません。子どもたちも教師も、ほとんどランニングコストをかけずに使える。だからこそ無理なく継続できるのです。
5 設定もシンプル
初期設定は最初の一度だけ。わずか3分で終わります。
まずは、音声データを保存するGoogleドライブを設定します。アプリ内の説明書きに沿って、コードをコピーし、貼り付けていきます。この後の有料パートでは、スモールステップの画像付きでその手順を解説していますので、ぜひご参照ください。一度設定してしまえば、あとはずっと使い続けることができます。

発行した共有URLは、端末内に最大30件まで自動で記録されます。時計のマークの「履歴」ボタンをタップすれば、過去に発行したURLをいつでも呼び出すことができます。
用途ごとにフォルダを分けたい、インターフェイスを変えたいというときは、「国語の授業用」「学活の話し合い用」「研修会用」などと、分類してそれぞれ作っておくと便利です(前述した通り、このフォルダ内に日付ごとのフォルダが自動的に作成される仕様です)。
さらに各URLには、「オン・オフ」のスイッチがあります。提出期間が終わったURLをオフにすれば、そのURLからの保存はストップします。「うっかり古いURLに提出されてしまった」という混乱を未然に防げます。

「コエワ~プ」が活躍する場面を挙げれば、きりがありません。これまで教室で埋もれていた一人一人の声を、教師の手元へ確実に届けてくれます。全員が自分の声を届けられる。この安心感こそが、教室の空気を温かくしていきます。
特別な話術も、長年の勘も要りません。必要なのは、誰にも同じだけ出番が回ってくる、たった一つの仕組みです。インストールも面倒な会員登録も一切要りません。URLを開けば、明日の授業から使えます。子どもたち一人一人の「声」で、毎日の授業づくりと学級づくりをまるごとアップデートしていきましょう。
↓↓↓ この後の有料パートまでお読みいただけた方には、「コエワ~プ」のURLをプレゼントします!
参照:
鈴木優太『教室ギア55』(東洋館出版社)
鈴木優太『教室ギア56』(東洋館出版社)
鈴木優太『「日常アレンジ」大全』(明治図書出版)
鈴木優太『クラス全員が「聞ける」「話せる」!ペア活動図鑑100』(学陽書房)
鈴木優太編『学級づくり&授業づくりスキル レク&アイスブレイク (ロケットスタートシリーズ) 』(明治図書出版)
鈴木優太編『小学6年の学級づくり&授業づくり 12か月の仕事術(ロケットスタートシリーズ) 』(明治図書出版)
鈴木優太編『どの学年でも通用する学級づくりのワザだけ集めました。 』(明治図書出版)
鈴木優太(すずき・ゆうた)先生プロフィール
宮城県公立小学校教諭。1985年生まれ。2013年より教育サークル縁太会を主宰し、アイデアに富む教育実践と学びの場づくりに定評がある。最近著に『クラス全員が「聞ける」「話せる」!ペア活動図鑑100』(学陽書房・3月31日発売予定)があり、『教室ギア55』(東洋館出版社)、『「日常アレンジ」大全』(明治図書出版)はベストセラーを記録。みんなの教育技術では5年にわたり連載を担当、現在は『「個」も「集団」も育つ 学級経営&授業アイデア』を連載中。
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