AIがスピーチの腕を磨いてくれる! Gem「自己紹介お師匠」と「自己紹介応援団長」をプレゼント!

子どもたちが今後の人生で頻繁に行うはずの自己紹介。生成AIにその下書きを作ってもらうだけでなく、動画を基に即時フィードバックをもらい、友達とのペア活動と掛け合わせながらその腕を磨いていく――。今回の提案は、コミュニケーション力を伸ばすそうした活動の具体的な実践ステップです。記事を最後までご購読いただけた方には、すぐにこの実践を再現できる2つのGemをプレゼントします。
執筆/鈴木優太(宮城県公立小学校教諭)
目次
はじめに
自己紹介。
それは、人生で最も行うプレゼンテーション。
いつも変わり映えのしない定型文の羅列のままで、本当にいいのでしょうか。
「この人をもっと知りたい!」。
そう思われる人の人生はきっと、多幸感に満ちています。
一生モノのコミュニケーションスキルは、磨くことができるのです。
プレゼン、スピーチ、説明や発表など、自己紹介で自信をつかんだ子どもたちはあらゆる表現活動にいきいきとチャレンジするようになります。年度初めだけの実践に限定するのではなく、席替えの直後や行事の直前など、いつでも何度でも取り組んでください。
さぁ、AIと共に、子どもたちの表現の扉を開けましょう。
1 自己紹介スピーチのアイデアを出力
【にっこり笑って、全体を見渡しながら】
みなさん、こんにちは!
突然ですが、クイズです。
ぎったんばっこん! と楽しいシーソー。
【首をかしげて、みんなの顔をのぞきこみながら】
一瞬で高く上がる秘密を知っていますか?
正解は………私と一緒に乗ることです!
私はシーソーが好きすぎて、どうすれば一番高くジャンプできるか、いつも研究しています。
シーソー研究家の〇〇〇〇です。
生成AIを活用すれば、このような自己紹介のスピーチのアイデアを、以下のようなごくシンプルな自己紹介カードから簡単に出力することができます。
まずは、自己紹介カードを端末で写真撮影します。

この写真をGeminiのGemにアップロードします。これだけです。
この記事を最後まで読んでくださった方には、この「自己紹介お師匠」をはじめ、この授業のためにカスタマイズしたGemをプレゼントします。
2 「発散→選択」のアナログ最強手法
使うのは、とてもシンプルな自己紹介カードです。
自己紹介に限らず、子どもたちの表現力をアップするために大切な、初めの一歩があります。
「ナンバリングメモ」と「なるほどベスト3」で記入することです。
このアナログな手法が、生成AIとの相性抜群だからです◎
①ナンバリングメモで「発散」
ナンバリングメモは、番号を振ってメモを箇条書きにする手法です。
「何をどう書けばいいか分からない」という子は、多くの場合、書き出しで鉛筆が止まってしまっています。そこで、次のようなやり取りからスタートします。
〇〇さんの最近好きなことを教えてください。
はい、シーソーです。
1 シーソー。このように番号を付けて書きます。
なるほど、番号を付けて書くんだな。
『1 シーソー』。全員同じように書いていいですよ。だって、これからシーソーが好きになるかもしれないからです。
えええ! いいの!?
自分にとってあまり大事じゃないなと思ったことでも、まずは書いてかまいません。だって好きなことは何も1つだけではありませんよね。2つ目はごはんをつくること。3つ、4つ、5つ…と番号が増えるように、まずは時間まで、ともかくたくさん書いていきます。
よし、たくさん書くぞ。
上のやり取り例のように、1つ目、2つ目はみんなと同じでも構わないので、まずは鉛筆を動かして書き出してみます。すると、その勢いのまま3つ、4つ…と書けてしまうことがほとんどです。「得意なことを思いつかない」「目標なんてない」という子も、何も書けなかったということはなくなります。
時間を決め、「鉛筆を止めないで書き続ける」ことがポイントです。
まずは、ともかく数多く「発散」するのです。
では、何個書けたか手を挙げて教えてください。1個,2個? これは全員書けていますね。3個? オッケー。4個? やるなぁ。5個以上は? すごいなぁ!
このように設定した時間になったら挙手をし、書けた数を確認しながらテンポよく進めていきます。
数の可視化は、子どもたちの学習モチベーション向上に有効だからです。
このまま各自が淡々と記入していくのも悪くはありません。しかし、こうした自己紹介カードが、ただ書いて壁に貼るだけの「掲示物」になってしまっていませんか? 定型文の穴埋め作業をこなした後、壁の飾りの一つとして消費していてはもったいないのです。そこで―――
ペア活動で聞き合います。
思考を深め、自分らしい言葉を引き出すためには、他者との関わりが不可欠です(ペア活動を機能させるために、過去記事『「話しましょう」はNG!全員が話せる「ペア活動」の秘訣』をご参照ください)。
例えば、以下のように取り組んでみましょう。
① ペアでカードを交換をする。
② じゃんけんで勝った人が「〇〇〇〇を教えてください」と質問する。
③ 質問しながら相手のカードに書いてあげる。
ペアでカードを交換します。よろしくお願いします!
よろしくお願いします!
じゃんけんをします。さいしょはグー!
じゃんけんポン!
勝った人?
はい!
勝った人が、目標について尋ねながら相手のカードに書いてあげます。「目標を教えてください」。はい。
目標を教えてください。
目標? 何だろう。思いつかないなぁ。
なんでもいいですよ。私は、「丁寧な字を書けるようにしよう」かなぁ、と思っています。
あっ、それいいかも! じゃあ、目標は習字です。
カードに書きますね。1つ目は習字、っと。ほかには?
あ! 本をたくさん読むことにしようかな。
いいですね。私もそれ、目標に入れよう。2つ目は本をたくさん読むこと。
相手が質問をしてくれると、言語化せざるを得なくなります。友達のマネから始めたってOKです。自分一人でウンウンと唸っていても出てこなかったエピソードや、その子らしい表現が、友達との会話の中で少しずつ引き出されていくのです。また、「自分の話に友達が興味を持って聞いてくれた」という経験は、教室における心理的安全性を劇的に高めます。(※個人目標づくりの詳細な手順については、過去記事『「願いごと」と「合言葉」でインパクト大の3D学級目標』もご参照ください。)
この「ペア活動」という温かなコミュニケーションの土台があると、この後に登場する生成AIの力が爆発的に発揮されます。
②「なるほどベスト3」で「選択」する
たくさん書き出したリストを俯瞰し、次は「選択」の作業に入ります。
今日の自分にとって特に大切な3つを自己選択します。
「なるほどベスト3」です。「今日の自分にとって」がポイントです。一生大切にするものを選ぶとなると迷ってしまいますが、「明日には気が変わって、別のものになっても構わない」と思えると、直感をもとに即決できます。
選んだ項目の数字の左横に、赤鉛筆で大きく星印(★)をつけます。
ここで先生方に考えていただきたいことがあります。
なぜ、最初から「好きなことを3つ書きます」と指示するのではなく、わざわざたくさん「発散」した後で「選択」するプロセスを踏むのでしょうか。
それは、この一連の行為が、生成AI時代における基礎基本の力を磨くトレーニングになるからです。
自己選択の感度
これからを生きる子どもたちは、AIをはじめとするテクノロジーによって、情報の洪水の中で無数の選択肢を瞬時に与えられる世界を生きていきます。AIが絶対に代わってくれないもの。それが、「自分の価値観を通して、今の自分にとっての『大切』を選び取ること」です。
誰かが用意した正解を選ぶのではなく、「自分が選んだものを正解にしていく」ための自己選択力。
これは、1年に1回の特別な行事だけで身に付くものではありません。毎日の授業や今回のような自己紹介の場面など、日常的な活動の中で意図的に「発散→選択」の経験を積み重ねてこそ育つ資質だと考えます。ただのカード作りにとどまらず、生成AI時代を生き抜くための「確かな判断力を養う最初の一歩」へと変わる学び方の提案です。
3 Gemとの協働
ここでいよいよ生成AIの出番です。Googleの生成AIであるGeminiのカスタマイズ機能Gemを活用し、教室に「自己紹介お師匠」と「自己紹介応援団長」という、用途に特化したAIアシスタントを召喚します。本稿を最後まで読んでくださった先生方には、すぐに使えるこの2つのGemのURLをプレゼントします。
「AIって、プロンプト(指示文)の入力が難しそう…。」
「低学年だから、うちのクラスではキーボード入力なんてまだ無理…。」
そう思われた先生方、ご安心ください。文字を打ち込む必要すらありません。
子どもたちは、先ほど星印をつけた手書きの自己紹介カードを端末のカメラで撮影します。その画像をGeminiの「自己紹介お師匠」にアップロードするだけなのです。
するとGemは、手書きの文字の中から「星印がついた部分だけ」を瞬時に読み取ります。
そして、一見バラバラに見えるキーワードを繋ぎ合わせて、あっという間にプロ顔負けのスピーチ原稿のたたき台を生成してくれます。
―クイズ形式で巻き込む。
―意外な一面を示す。
―力強く締めくくる。
このような自己紹介のテクニックと伝え方のコツをアイデアとして提示するように、Gemのプロンプトは組んであります。出力結果が気に入らない場合は、何度でも再生成、修正することが可能です。

このようにAIが提示したたたき台を見ると、子どもたちの目の色がパッと変わります。
「こんな自己紹介、はじめて!」
「この言い回し、かっこいいからやってみよう!」
「うーん、ここはちょっと自分のキャラと違うから、自分の言葉に直そうかな。」
このように、子どもたちは提示された複数の選択肢をもとに、自分らしいスピーチへと推敲を始めます。「何を話したらいいか分からない」という、白紙に向かってゼロから生み出す苦痛をAIが取り除いてくれるのです。
また、教室で子供たちに端末を自由に使わせる際、「ふざけて不適切な言葉を入力したらどうなるの?」と心配される先生もいらっしゃるかもしれません。残酷な言葉や下品な言葉、あるいは誰かを悲しい気持ちにするような入力に対しては、AIが優しくたしなめる以下のようなメッセージを返すよう、あらかじめプロンプトでコントロールしています。

頭ごなしに「エラー」として弾いたり、強く叱責したりするのではなく、自己紹介の本来の目的に立ち返ることを促し、セーフティネットを張っています。教師が常につきっきりで見張っていなくても、AIが適切な方向へと軌道修正をしてくれるシステムになっているため、安心して子どもたちにAIとの壁打ちを「任せる」ことができるのです。
だからといって、AIのセーフティネットに任せきりにしてはいけません。「生きた情報モラル教材」として活用していく視点が重要です。子どもたちには、端末で入力した情報は全て「ログ(履歴)として残る」という事実をしっかりと伝えます。画面上では削除したように見えても、サーバーにはデータが残っていること。自治体によってはそもそも履歴を削除できない設定になっている場合もあること。これらを包み隠さず共有します。
相手がAIだからといって、どんな言葉を投げつけてもいいわけではありません。誰かを傷つける言葉や乱暴な言葉は、デジタル空間に確実に刻まれます。一度入力した情報はデジタルタトゥーとして残り続ける恐れがあること。たった一度の軽はずみな入力のせいで、一生消せない十字架を背負って生きていくことには絶対になってほしくないからです。画面の向こう側の世界でも、目の前の友達と接する時と同じように、マナーやモラルが求められること。自己紹介というワクワクする表現活動の裏側で、これからの時代に必須となる「デジタル・シチズンシップ」の指導も極めて自然な流れで行っていくことができます。
なお、次に紹介するGem「自己紹介応援団長」にも、これと全く同じシステムを組み込んでいます。
4 動画アップロードによる「圧倒的肯定」のフィードバック
早速スピーチの練習です。手元のアイデアから一部分だけを取り入れるだけで、定型文の羅列自己紹介ではなくなります。自分のことですから、どんどんアレンジして構いません。もちろんAIが作った原稿をそのまま読んでみるのも良いでしょう。
ここでもAIの驚異的な力を活用します。生成AIはテキストや画像だけでなく、なんと「動画」を読み込むこともできるのです。動画を分析し、的確なフィードバックを返してくれるのです。
子どもたちは完成した原稿をもとにスピーチの練習を行いますが、その様子をタブレットのインカメラに向かって動画撮影します。ペアで撮影し合うのも良いでしょう。この動画ファイルを今度はGem「自己紹介応援団長」にアップロードします。

想像してみてください。数十人の子どもたちが同時にスピーチ練習をしている時、教師が一人ひとりの発表をじっくり見て、全員に丁寧なフィードバックをすることは物理的に不可能です。しかし、AIであればそれが可能です。
Geminiはアップロードされた動画を解析し、音声の大きさや滑舌だけでなく、表情や身振り手振りといった「非言語情報」まで読み取った上で、一人ひとりにカスタマイズされた全力で肯定するフィードバックをしてくれます。

さらに、前向きで具体的なワンポイントアドバイスもしてくれます。

このAIからのフィードバックを受けた子どもたちの表情は、自信に満ち溢れています。
「やった! AIが笑顔を褒めてくれた!」
「このアドバイス通りに、間をあけて伝える練習をやってみよう!」
そんな中、私が受け持っていた小学2年生の教室で、ある子がこんなことをつぶやきました。
「先生、これってAIが考えたものを読んで、それをまたAIが読み取って褒めてるだけじゃん!」
2年生ながら、物事の本質を突く鋭いツッコミです。ここで教師の関わり方が試されます。
私は、この気付きを大いに賞賛しました。そしてすかさず、こう問い返しました。
「そうだね。じゃあ、あなたはどうしたいと思うの?」
すると、その子は少し考えてからこう答えました。
「AIはこう言ってくれているけれど、私はここをもう少し面白く変えたいな!」
これこそが、生成AIを教室に導入する価値です。アイデアを思いつかない子にとっては、強力な「救いの手」になります。そして、すでに考えを持っている子や、考えが浮かんできた子には、AIの提示したものを踏み台にして「自分らしさ」に気付くきっかけを与えてくれます。
このような「ズレ」を扱うことが、生成AIを教材化する鍵なのです。AIは、正解を決める評価者ではありません。子どもたちの表現の扉を開き、背中を力強く押してくれる専属の応援団長なのです。
5 ペアで壁打ち
いよいよ、磨き上げたスピーチをクラスの友達に披露する本番です。しかし、ここでいきなり「はい、じゃあ全員の前で一人ずつ発表してください」と話させようとすると、うまくいかないことがあります。いくらAIと練習して自信をつけても、いきなりクラス全員の視線を浴びるのは大人でも緊張するものです。
だからこそ、ここでも再び、あの活動の出番です。
ペア活動で聞き合います。
自己紹介の目的は何でしょう? 自己紹介は、相手に届いてこそ意味があるのです。まずは、生身の人間と1対1で「聞き合う」場を設定します。
ここに、うまくいくための「アナログな工夫」があります。
質問から始める。
お名前を教えてください。
はい! 私の名前は………(AIと共に磨いた自己紹介を披露)
そして自己紹介が終わった直後に、発表者が次のように質問することもルールにします。
私のスピーチのよかったところを3つ以上教えてください!
よかったところの1つ目は、身振り手振りを入れていたことです。2つ目は、シーソーで一緒に遊びたいと思えたこと。3つ目は、実は料理が好きだなんて意外だったことです。4つ目は、笑顔が素敵です。5つ目は……。
このように、質問を通して聞き合っていきます。
よかったところを3つ「以上」と要求するのがポイントです。聞く側は良いところを見つけるために、前のめりで一生懸命にスピーチを聴くようになります。あえて3つに限定しないことで、「4つ目はね、5つ目はね……」と次々に友達の良さを見つける子も出てきます。ナンバリングメモと同じで、ここでもやはり数は力なのです。
一方、話す側は、友達から直接3つ以上も褒めてもらえるという約束事があることで、絶対的な安心感の中で活動を始められます。AIからのフィードバックとはまた違う、生身の人間同士ならではの温かな承認欲求がたっぷりと満たされるのです。
一つ終わったら、自己紹介カードの裏側に、聞いてくれた相手から「サイン」をもらいます。その後も続け、ABCペア(自席の縦・横・斜め隣の子と組むペア)との交流を終えたら、「次は誰に聞いてもらおうかな!」と教室中を歩き回り、何度も何度もペアを変えて自己紹介を繰り返すのも良いでしょう。
この「場数」がとても大切です。カードの裏側に友達のサインが増えていくほどに、それは自信へと繋がります。
「AIとの壁打ち」だけでなく「ペアとの壁打ち」というアナログな工夫との掛け算。これこそが、教室における生成AI活用を大成功に導く最大の鍵です。
子どもたちが目を輝かせて自分のスピーチを推敲し、AIの励ましに背中を押してもらいながら教室で堂々と友達に語りかける姿。それを見守る時間は、私たち教師にとっても至福のひとときとなるはずです。
自己紹介に自信がつくと、その後の日々の表現活動にもいきいきと取り組む子どもたちの姿が見られます。ぜひ先生方の教室でも「生成AI」×「ペア活動」を駆使し、子どもたちの一生モノのコミュニケーションスキルをアップデートしてください。
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鈴木優太(すずき・ゆうた)先生プロフィール
宮城県公立小学校教諭。1985年生まれ。2013年より教育サークル縁太会を主宰し、アイデアに富む教育実践と学びの場づくりに定評がある。最近著に『クラス全員が「聞ける」「話せる」!ペア活動図鑑100』(学陽書房・3月31日発売予定)があり、『教室ギア55』(東洋館出版社)、『「日常アレンジ」大全』(明治図書出版)はベストセラーを記録。みんなの教育技術では5年にわたり連載を担当、現在は『「個」も「集団」も育つ 学級経営&授業アイデア』を連載中。
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