プール遊びやゲームで水泳授業を楽しくするアイディア
学習指導要領2020に即応! 学習指導要領の内容「D 水泳運動」に挙げられている事項別に、ゲームや遊びの要素をたくさん盛り込んで、中高学年の子供たちが楽しく取り組めるアイディアを多数紹介します。

目次
「水中を移動する」運動遊び
五歩鬼

鬼も、逃げる人も5歩ずつしか進めないルールの水中鬼ごっこ。鬼にタッチされた人も鬼になる増やし鬼で、5歩しか進めないという制限があるので、運動能力に左右されず、みんなが楽しめるのがこの遊びのメリットです。鬼の位置を見て逃げる方向を判断するのがコツです。
ビート板リバーシ

表裏で色の違うビート板を使用。2つのチームに分かれて、それぞれのチームのビート板の色を決めます。プール水面に、2色のビート板を同じ数になるように散らし、ゲームがスタートしたら、相手チームのビート板をひっくり返して、自分のチームカラーにします。ゲーム終了後、多い色のチームが勝ち。
水中「昔遊び」

「ケンケンずもう」や「だるまさんが転んだ」などの昔遊びを水中で行います。子供たちはルールを知っているので、説明の時間が短縮できます。「押されても手で水をかくと倒れにくい」など、水中と陸上との違いを感じさせます。
ロボットゲーム

2人一組になり、誰にもぶつからずに移動する遊び。1人がロボットになり、目を閉じて手を前に伸ばして水中を歩きます。もう一人は、ロボット役の子が周りの子にぶつからないように「ストップ」「右に行って」などと指示を出して、水中を移動します。
水中騎馬戦

ペアになり、おんぶをします。ペアで協力し合い、相手のペアの上になった子の水泳帽を取り合います。取った帽子はすぐに返し、帽子を取られたペアはプールから上がります。おんぶをしている子(下になっている子)が水に潜っている間は帽子を取れない、というルールを加えると盛り上がります。ゴーグルは外すか手に巻いておきます。
音楽を使った「まねっこ遊び」

音楽に合わせて陸上で先生が動き、子供たちは水中でその動きをまねて動きます。水の抵抗がかかり、なかなか同じように動けないため面白がります。普段校庭や体育館で行っている表現運動やダンスをするのもよいでしょう。
水中忍者ランド①
子供たちの大好きな「忍者」になりきり、様々な動きを水中で行うごっこ遊びです。
① 壁わたりの術

プール内で胸まで水につかり、壁を手でつかみ、脚は浮かせたまま、手で壁を伝って移動します。
② 水走りの術

壁沿いにみんなで同じ方向に向かって水中を素早く走ります。途中、先生が「大変だ! 敵が来る! 逃げろ」と言って、子供たちを反対方向に走らせます。水の流れに逆らうので、なかなか進まない感覚を楽しみます。
③ 影分身の術

ペアになります。一人がもう一人の影分身となり、背中に手を付けて、その手を離さないようにしながら、ペアの子と同じ動きをします。横に歩いたり、けのびをしたり、様々な動きをしても、分身になった子は同じ動きをします。
「潜る」運動遊び
じゃんけん遊び

① じゃんけんをした後、お互いに水中に潜り、じゃんけんに負けた子は勝った子の動きをまねします。
② 水中でじゃんけんをし、グーはお尻を底につける、パーは両手を底につけるなど、潜りながらできるポーズを子供たちに考えさせるのもよいでしょう。
宝集め

2つのチームに分かれます。プールの中央にコース用のロープを張り、それぞれのチームの陣地を決めます。プールに小石等のお宝をばらまき、スタートしたら、相手チームの陣地に落ちているお宝を潜って取り、自分の陣地に運びます。運んだお宝は自分の陣地に落とします。ゲーム終了後、お宝が多いチームが勝ち。
水中けのび

水中に沈んでから勢いよく壁を蹴ってけのびをし、すぐに両手の指を曲げます。指を上に曲げると体が上昇し、逆に下に曲げると、お腹を底に擦るくらい沈みます。指を横に曲げると、曲げた方向に体が傾くので、その感覚を楽しみます。
壁を蹴って、勢いがあるうちに指を曲げるのがポイント。泳法にもつながるので、「一番泳ぎにつながる指の動きはどんな感じ?」と質問して、友達と話し合わせるのもよいでしょう。
馬跳び

ペアになり、馬跳びをします。馬になる子は、水に顔をつけて少し丸くなります。列になり、連続で行っても楽しめます。
「氷鬼」で股くぐり

10人に1人程度の割合で、鬼を決めます。鬼にタッチされた子は氷になり、その場を動けません。仲間が氷役の子の股をくぐると、解凍されて復活し、またゲームに参加ができます。
電気ビリビリ

ペアになり、1人が腕で輪をつくり、相手の体に触れないように輪を通します。頭から通しても、足から通してもどちらでもOK。さらにどうしたらうまく通せるか2人で話し合い、考えさせることが大切です。その後クラスで発表し、アイディアを共有させましょう。
フープジャンプ

フープを水面に置き、下から潜ったり、上からジャンプしたりして輪をくぐります。
水中忍者ランド②

・城に忍び込め!
10人くらいの子が手をつないで輪になって城をつくります。忍者は、潜ってその輪の城に忍び込もうとします。お城役の子供たちは忍者を入れないように体を寄せ合います。
潜る→浮くの順で指導
以前の学習指導要領では、「浮く・もぐる遊び」と記されていますが、新学習指導要領では、「もぐる・浮く運動遊び」と指導過程が変更されています。これは、「もぐる運動遊び」を十分に行い、水の恐怖心を取り除いてから、「浮く遊び」を行うほうがよいというメッセージでもあります。
上手に浮くことは、安全確保にもつながる大切な運動。学習効果を高めるためにも、「もぐる遊び」を十分に楽しんでから、「浮く遊び」に取り組みましょう。