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「運動格差」と「苦手意識」にどう向き合う? JFAの小学校体育サッカー活用支援事業から見えてきたもの【PR】

連載
日本サッカー協会×KDDI「JFA体育サポート」特集【PR】
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公益財団法人 日本サッカー協会(JFA)の調査(2024年実施)によると「体育の授業でサッカーを教えるのは難しい」と考えている先生は7割に上るそうです。この課題を解決するため、JFAとKDDI株式会社がタッグを組み、「体育の授業へのサッカー活用」支援事業を展開。教員向けに体育サッカーの指導研修を行う他、公式サイトを通じてオンラインレッスンを提供しています。

しかし、同事業が目指しているのは単なるサッカーの技術向上ではなく、教員の負担を減らしつつ子どもの体と心を育む「教材としてのサッカー」の普及です。

今回の特別企画は、同事業の発起人であるJFA技術委員・普及ダイレクターの中山雅雄氏と、体育科教育学を専門とし主に授業中の言語活動をテーマに研究している福島大学の松本健太准教授(人間発達文化学類)の対談を実施多くの担任教師が抱える「クラス内の運動格差」や、教師自身の「運動への苦手意識」という課題に対してどう向き合えばよいのか、詳しく伺いました。

提供:KDDI株式会社

中山雅雄(なかやま まさお)
筑波大学体育系教授。日本サッカー協会(JFA)技術委員会・普及ダイレクターとして指導者養成やキッズ(グラスルーツ)普及を統括する。サッカーを通じた若年層の育成や、指導者カリキュラム構築の第一人者として多方面で活動する。

松本健太(まつもと けんた)
福島大学人間発達文化学類准教授。日本体育大学大学院博士後期課程単位取得満期退学(修士・体育科学)。専門は体育科教育学、スポーツ教育学。学校体育における児童生徒の対話や言語活動、効果的な授業づくりを中心に研究。

日本サッカー協会(JFA)とKDDI株式会社が共同運用している、小学校教員向けのオンラインレッスンサイト。サッカー活動を小学校体育に取り入れるノウハウが詰まっている(バナークリックで移動します)

教員志望の学生がJFAの学校体育サッカー指導の研修プログラムを体験

ともにスポーツ教育を専門とし、サッカー指導経験を有する中山氏(左)と松本氏(右)。対談は中山氏が勤務する筑波大学で実施

「これなら指導できそう」「運動が苦手な自分でもこれならできる」という声が多かった

中山雅雄氏(以下、中山):松本先生には福島大学で、我々が提供している学校体育サッカー指導の研修プログラムを実際に指導していただいていますが、率直な評価や感想をいただけますか?

松本健太氏(以下、松本):大学では、学校教員を目指している学生向けに同プログラムを体験してもらっています。これまでに90分×2コマの授業を150~160人の学生が体験しました。学生からは「楽しかった」「自分は運動が苦手だが、これならできる」「この内容であれば自分もサッカーの授業をできる気がする」といった声が多かったです。

プログラムの構成も、学校現場で取り組みやすいように、よく練られていると感じました。すぐにボールを使用するのではなく、まずは体を動かして行うじゃんけんや、教師が指定した数の人数で素早くグループをつくるといったアイスブレイクからスタートするので、体はもちろん心もほぐれます。その後ボールを使った様々なアクティビティを行い、最後にゲームをする構成で、サッカー経験のない子どもでも楽しめる要素が多く、運動量もちょうどよいと感じました。

大学では、普段あまり運動をしていない学生も多かったのですが、体を動かすとやはり気持ちがよいのでしょう。いつもとは違ったはつらつとした表情を見ることができました

JFAの研修プログラムに基づいて行われている小学校での教員向け研修会の模様は下記記事でご覧ください。

サッカーを通して体育の授業づくりノウハウが楽しく学べる!小学校教師対象「学校派遣型研修会」密着レポート【PR】

コミュニケーションを取り、仲間と協力して動く点が教材として優れている

中山:特に印象に残った活動はありましたか?

松本:ボールを使ったアクティビティの「川渡りドリブル」詳細リンク)は、特に盛り上がりましたね。守りと攻撃のチームに分かれ、守りのチームはみんなで手をつないでどうやって守るか話し合って動き、攻撃側もお互いに攻め方を工夫して走ったり、コミュニケーションを取り合いながら楽しく活動できるのがとてもよいですね。各動作は単純ですが、一人一人が勝手に動くのではなく、仲間と協力して動くという点が教材としても素晴らしいと感じました。

 「川渡りドリブル」では、鬼となる子供たちが手をつないで横に並び「川」の役割を務める
攻撃側は鬼にタッチされないよう、空いているスペースを通り抜けてゴールを目指す

子どもが夢中になる「仕掛け」のヒント

新聞ボールが、サッカーへの恐怖心とストレスを軽減

中山:先ほどの松本先生のお話で、学生から「あまり運動が得意ではない自分でもできそうだ」という感想が上がったとのことですが、それはなぜだとお感じですか?

松本:要因としては、前述したプログラム構成に加え、使用した教具の存在が大きいと思います。このプログラムでは新聞紙を使った手作りのボール詳細リンク)を使用するので、硬いボールに抵抗を感じる人でも安心して取り組むことができます。学生からのコメントでも、「新聞ボールは球の勢いが弱いので怖くない」「ボールが柔らかいから痛くない」「普通のサッカーボールよりも操作が比較的簡単」という声が多く、ボールに対する恐怖心やストレスが軽減されている点が、「これならできる」という前向きな気持ちにつながったのではないかと思います。

新聞ボール(左)とスポンジボール(右)
新聞ボールの作り方もオンラインレッスンサイトで詳しく紹介

中山:それはうれしいですね。我々もこのプログラムを考えるとき、どのような教具を使うのか相当検討を重ねました。サッカー経験のない子どもたちに、授業を通してサッカーの面白さを体験してもらうためには、教具であるボールの扱いが重要な鍵になるのではないかと思っていたからです。

サッカーではゴムボールを使うこともあると思いますが、ゴムボールはよく跳ねるので扱いづらく、コントロールも難しいです。そこでローバウンド(低弾性)仕様のボールがよいだろうと考えました。とはいえ、フットサルで使用されているローバウンドのボールを各学校で新たにそろえてもらうのは費用面でも厳しい。そこで着目したのが、どこにでもある新聞紙でボールを作るアイデアです。より使いやすいように改良していった結果、現在の新聞ボールの形になりました。新聞ボールは、新聞を丸めてビニールで包み、テープを貼るだけで誰でも簡単に作ることができます。また柔らかいため、当たっても痛くありません。さらに、弾みにくいので初心者でもボールコントロールが容易であることもメリットです。また、新聞ボールと同様に、スポンジボールもおすすめです。

新聞ボールを使った工夫など、JFAならではのサッカー導入サポートの特徴は下記記事をご覧ください

多忙・苦手な先生もこれならできる!日本サッカー協会×KDDIが進める体育授業へのサッカー導入サポート事業【PR】

体育では、授業の目的や子どものレベルに合わせた教具選びが重要

松本:私は体育科に関する授業づくりを研究しており、小学校や中学校に出向いて先生方と体育の授業を一緒にやらせていただく機会が多いのですが、教具の工夫は非常に重要だと感じています。例えば、バスケットボールでも、シュートやパスキャッチがしやすいボールを使用したり、ハンドボールでは、ゴールの形を台形型にしたりして、誰でもシュートが打ちやすくなるような工夫をしている学校もありました。

体育の授業では、その授業で子どもたちに何を身につけさせたいのか、授業の目的を明確にした上で、子どもたちのレベルに合わせた教具を選ぶことが大切だと感じています。

クラス内の運動格差や子どもの苦手意識への向き合い方

クラスの運動格差が大きい場合の留意点

中山:子どもたちの中にはサッカーが得意な子もいれば、未経験の子、そもそも体育が苦手な子もいて、授業として取り組む上では実力差が大きいという課題があります。松本先生は、サッカーに関わらず、子どもたちの得意不得意をどのように包含して授業を行うとよいとお考えですか?

松本: クラス内の運動格差が大きい場合、どこに焦点を当てて授業をするのかは、先生たちも難しさを感じるところだと思っています。運動のできる子に合わせてしまうと、できない子にとっては苦痛の時間でしかないですし、逆に、できない子に合わせすぎて活動が簡単過ぎてしまうと、運動の得意な子にとってはつまらない授業になってしまいます。

私個人の考えとしては、やはり授業の導入では、運動が不得意な子でもできるような活動を取り入れてあげるとよいと思っています。まさにJFAの研修プログラムもそういう構成ですよね。すぐにボールを扱うのではなく、遊びの延長線のようなアイスブレイクから入っています。そして徐々にボールを扱うアクティビティを取り入れ、最後にゲーム形式でサッカーに近い活動を行います。同様に、全体としては運動が不得意な子が安心して取り組めるような活動を主軸に考え、最後はゲームのような形で競い合える場面も用意するとよいのではないでしょうか。運動の得意な子は、それだけではどうしても物足りなさを感じることがあるかもしれませんが、先生からの声かけやフィードバックを通して気持ちを満たしてあげてほしいと思います。

みんなが楽しめる「ルール」「チーム人数」「コート」の工夫

中山:ボール競技が得意ではない子たち向けに特別なルールを作ってサッカーを行うという対応策もあると思います。ただ、我々はどちらかといえば、そういった特別ルールを作ることには否定的というか、そこまでしなくてもよいのではないかと思っているんです。特別なルールや条件がたくさんあると、大人でも混乱しますよね。ルールを守るためにはいろいろな制限が生まれてしまうので、子どもならなおさら動きにくくなってしまいます。あれもダメ、これもダメ、ここは触ってはいけないなど、制限が増えるとプレーしていても楽しめません。これでは本末転倒です。

もし子どもたちがボールに触る機会を増やすことが目的であれば、少人数にすればよいのです。例えば3対3の人数で、コートも狭く設定しゲームを行えば、自然とボールを触る機会が増えてきます。先生方もコートが広く、チームの人数が多いと、どうしても目で遠くまでボールを追ってしまい、全員を見ることは難しいですよね。コートが狭いと先生の目もよく行き届くので、声をかけたり、価値付けもしやすくなります。サッカーだからといって必ずしも11人ずつで行う必要はないのです

小学校の低・中・高学年に全対応したJFA考案の授業アイデアについては下記記事をご覧ください

【全学年対応】日本サッカー協会による「小学校体育の授業にサッカーを上手に取り入れる指導アイデア」まとめ【PR】

子どものよさを見逃さず、価値付けすることで、苦手な子にも自信を与える

松本:サッカーでは、シュートは苦手だけれど、ボール操作は上手という子もいますよね。サッカーの技能面だけを取り上げても得手不得手はあります。それでも自分の得意分野を活かせるのがチームスポーツの良さです。そういう意味では技能では及ばなくても、思考力、判断力、表現力という側面で活躍できる子もいるでしょう。さらには、仲間を認めてあげるなどの学びに向かう力、人間性等で貢献できる子もいると思いますので、その子なりのよさを先生が見取り、価値付けやフィードバックをしてあげることが重要なのではないでしょうか。運動が苦手でも、自分なりのがんばりを認めてもらえる環境があれば、私ももっとできるかもしれないと、心の自信にもつながっていくと思います

中山:技能以外でも評価してもらえると実感できると、運動が苦手な子も前向きな気持ちになれますね。具体的にどのようなことを意識して指導するとよいのでしょうか?

松本:私はもともと、体育の授業中における子どもたちの対話・言語活動をテーマに研究をしてきました。研究では、実際に子ども同士の会話をマイクで録音しているのですが、運動が苦手だから体育ではこの子はあまり発言しないだろうと思っていた子が、意外にも積極的に発言している場面も多いのです。話の内容を吟味すると、授業に関係していることと関係してないことが半々くらいなのですが、それでも何かしら授業中に自分の言葉で発言しようとしているという点に着目してほしいですね。

例えば、体育の時間に子どもたちが話し合いをしている際には、先生は運動が苦手な子や話すことが苦手な子をより重点的に見て回り、もしその子が発言したり自分なりに貢献しようとしている姿が見られたら、発言を拾って価値付けてあげたり、その子の行動を全体に共有して認めてあげるとよいと思います

先生のひと言が、体育嫌いをなくすことにもつながる

中山:私もこのプログラムを実践し、各学校で映像を撮影させてもらう中で、とても印象的なことがありました。チームに分かれてゲーム形式でサッカーを行ったとき、恐らく運動が得意ではない女の子が、ずっと同じ場所に立っているのです。サッカーが嫌いなのかな?と思ったのですが、よく観察してみると、その子自身の動きの量は少ないのですが、目ではしっかりボールを追いかけているのです。そして、味方の選手がゴールを決めるとその場で一緒に喜んでいました。

その姿を見て、運動が苦手だから面白くないのだろう、ボールに触っていないから参加する気がないのだろうと、指導する側が勝手に決めつけてはいけないと思いました。その子は自分の中では実は一生懸命動いているつもりで、チームの一員として競技に参加している実感もあり、ちゃんとゲームを楽しんでいるのではないかと思ったのです。あまりボールに触れていないように見えても、目でボールをきちんと追いかけていたり、自分たちが守備になったときに自分もボールを取りに行こうとする気持ちが表情に表れたりする瞬間があるんです。そうした瞬間を見逃さず、評価してあげることも、体育が嫌いな子をなくすことにつながるのではないかという気がしています。

運動が苦手な先生、体育の指導が苦手な先生へのアドバイス

各競技のオフィシャルなルールに捉われなくてもいいんです

「JFAが提供する学校体育サッカー指導のプログラムは、技能向上よりもサッカーの楽しさを感じてもらうことを重視。まず先生に研修で体感していただきたい」と語る中山氏

中山:指導する側の先生のなかには、運動が不得意で、体育の指導が苦手という方もいると思います。こういった先生方に対してどうアドバイスをされますか?

松本:子どもはもちろん、大人にも得手不得手はあります。小学校教員は比較的女性の割合が多いので、特にサッカーなどのボール運動は自分自身の経験が少なく、どのように教えてよいかわからないという声もよく聞きます。クラスの子どもたちにはサッカー経験者がいるので、指導側と児童の間に温度差が生じてしまうということも要因でしょう。しかし、先生自身がテレビで見るサッカーのイメージに捉われすぎて、できるだけオフィシャルな競技に近づけなくてはいけないと考えてしまうことも問題だと思っています

教員を目指す学生たちでも、子どもにサッカーを指導するなら、11対11でゲームを実施しなくてはいけないと考えがちです。バレーなら6対6、バスケなら5対5でなくてはダメだと、オフィシャルなルールに捉われている学生が多いのです。ですから、まずその考えから変える必要があると思っています

目的を決め、逆算して授業を展開。「遊び」を取り入れ楽しむことが大切

松本:私が学生に常に伝えているのは、まず授業の目的・ゴールを決めようということです。自分はその授業で何を教えたいのか、何を学ばせたいのか、どんなことを身につけさせたいのかを考え、その目的から逆算して授業構成を組み立てることが重要です。その目的に近づけるためであれば、ルールやコートづくりも柔軟に変更してよいと思うのです

そして、「遊びの延長線」で楽しく活動することを大切にしてほしいです。現在検討されている次期学習指導要領では、低学年の「運動遊び」を中学年まで広げる方向が示されています。私もボール運動は、小学校であれば高学年くらいまでは遊びの延長線上で、ボールを使って体を動かす楽しさを味わいながら、少しずつステップアップしていければよいと考えています。

体育指導の研修会やオンラインレッスンサイトを利用するのも有効

中山:サッカーは、ボール1つあればできるスポーツであることが魅力です。また動きが正確でなくても、上手にパスができなくても、みんなでルーズボールを追いかけているだけでゲームが成立する、まさに誰もが直感的にできるスポーツなのです。その楽しさを子どもたちにも味わってほしいですね。私たちが提供しているサッカー指導の研修プログラムは、技能向上よりもこうしたサッカーの楽しさを実感してもらうことを重視した内容なので、まず一度、先生自身に研修に参加していただき、体感してもらいたいですね。参加していただければきっと「これなら自分にもできる」と手ごたえを感じていただけると思います。

松本:JFAとKDDI株式会社が提供しているサッカー指導のオンラインレッスンサイトもよくできていますね。学年別に動画で詳しく指導アイデアが紹介されているので、指導イメージも広がると思いますし、体育が苦手な先生でも取り入れやすいと思います。ぜひもっと先生方に広まってほしいと思っています

KDDIとのコラボレーションで運営されているオンラインレッスンサイト(https://soccerlesson.jfa.jp/)学年別の指導アイデアが動画で閲覧できる

運動が苦手な先生ほど、教え方が上手な訳

松本:逆説的ですが、実は運動が苦手な先生ほど教え方が上手なんですよ。運動が得意な先生はどうしても自分のやり方や経験に固執してしまい、自分をベースにして教えてしまいがちで、いわゆる「できる子目線」の指導になってしまうことがあります。しかし運動が苦手な先生は、苦手な子の気持ちが理解できるので、どういうペースでどのように教えればよいのか工夫しようとするので、どの子にもわかりやすい指導ができるのだと思います。

中山:確かに。私たちは中学校体育の授業もサポートしているのですが、中学校では体育の授業は専門の教科担任が指導をします。 つまり体育が好きで、サッカーが得意な先生が指導するケースも多いので、部活の延長のような授業になってしまうこともあるんです。指導する側も、競技のスキルを上げることよりも、いかに子どもたちに体を動かすことを楽しんでもらうかという視点を忘れないようにしたいものですね。

体育で子どもの体と心を育み「学級」をつくる

近年は、外遊び機会の減少や運動不足で、子どもの運動機能が低下傾向に

「近年は日常の中で体を動かして遊ぶ機会が減少し、身体を操作する機能が低下傾向にあり、体育の時間は子どもの体の発達にとってより重要になってきている」と語る松本氏

松本:小学校の先生方が、体育の指導を難しいと感じる理由の一つには、最近の子どもたちが抱えている特有の課題が障害になっている可能性もあります。

私自身、各学校で最近の子どもたちを見ていると、運動が苦手というより、身のこなし方が不器用で、基本的な動きもできない子が増えていると感じています。その要因として、日常の中で体を動かして遊ぶ機会が少なくなっていることが関係しているのではないかと思っています。そもそも近所の公園ではボール遊びが禁止になっていることも多く、放課後には外に行かずに家の中でゲームをしたり、塾や習い事に通ったりと、遊びを通して体を動かす機会が極端に減ってきていると思います。恐らく、体育の時間のときだけ運動しているという子も増えていると思います

授業中、「どうしてこの子はこんな簡単な動きもできないのだろう」と戸惑ってしまうことがあるのではないでしょうか? それは単に指導が悪いからではなく、外遊び機会の減少等により、以前は日常的な遊びの中で身に付けられていた動きが習得できず、身体を操作する機能自体が低下している子が増えているからなのかもしれません。

子どもの心身の発達のために、体育で運動嫌いをつくらない工夫が必要

松本:そういう意味でも、学校の体育の時間は、子どもの体の発達にとってより重要になってくると思っています。そしてだからこそ、運動嫌い、体育嫌いをつくらない工夫が必要です

運動が苦手な子に難しい技能を習得させようとしても、指導する側も困難を抱えてしまいますし、子どもたちも正直楽しくないと思うのです。できないし、つまらないから、やりたくないという悪循環を助長してしまいます。

大人でも、楽しいと感じたり、やってみたいという気持ちがないと何事も継続できないですよね。小学生の体育では「体を動かすと楽しい」「面白いからやってみたい」という気持ちを育てることが大切だと考えています。子どもたちが前のめりになって取り組めるような遊び感覚の運動を取り入れることで、自然に活動量が増え、体力の向上にもつながると思います。

そして楽しい運動遊びを通して、対話をし、助け合い、認め合う関係をつくることは、きっと学級づくりにも役立つはずです。

JFAのプログラムは子どもたちを前のめりにさせる指導アイデアやアクティビティが豊富に揃っており、オンラインレッスンサイトではその指導アイデアが学年別にわかりやすく紹介されているので、非常に参考になると思います。

サッカーには、健康的な心身を育むあらゆる運動要素が含まれている

中山:子どもの健全な育ちに、体を動かすことはとても大事なことですし、それを実現する場として体育の授業はますます重要になってきますね。「運動遊び」といっても、ただ遊ばせておけばよいのではなく、その遊びや動きには意味や目的があります。遊びの形をしていても、様々な運動の土台となる動きを身に付けていけるような、体育としての要素を盛り込むことが求められていると思います。

具体的には、走る、跳ねる、蹴るといったことですが、サッカーにはそういう子どもたちに身に付けてほしいあらゆる動きの要素が含まれているので、体育の教材として非常に適しています。そして、JFAが提供するオンラインレッスンや研修会は、子どもたちの「やってみたい」を引き出す授業展開、多様な運動を通して健康的な心身を育むアプローチが豊富に盛り込まれています。体育指導・学級づくりの有効な選択肢として、多忙な先生方や、運動が苦手な先生方にこそ、ぜひ見て、そして体験していただきたいと思っています。

子どもを「運動嫌い」にさせないためには、体育で「体を動かすことは楽しい」「面白いからやってみたい」という気持ちを育成することが重要。その気持ちを引き出す教材としてサッカーには大きなポテンシャルがあると語り合った中山氏(左)と松本氏(右)

関連書籍

日本サッカー協会(JFA)オフィシャル授業ガイド『新・サッカー指導の教科書』(東洋館出版社)。JFA考案のオリジナル指導アイデアが詰め込まれた、小学校体育でのサッカー指導の手引き書です。

日本サッカー協会(JFA)監修の学習まんが『ドラえもんのスポーツおもしろ攻略 もっとサッカーが楽しくできる』(小学館)も好評発売中。サッカーの入口として格好の一冊です。

取材・構成/出浦文絵 写真(対談)/新垣宏久

「JFA小学校体育サポート研修会」を実施しませんか?

公益財団法人日本サッカー協会(JFA)では、小学校の学習指導要領に沿った体育授業をサポートする研修会として「小学校体育サポート研修会」を開催しており、2023年度からはスポーツ庁後援事業にも認可されました。本研修会は、特に体育や運動が苦手な先生に受けていただきたい研修会です。JFAが認定した講師(原則小学校教員)を派遣し、校内や地区の体育授業に関する研修会・研究会として実施いただいた学校には、体育の授業で活用いただける備品が贈呈されます。

JFA 学校体育サッカー指導のオンラインレッスンサイトでは、学年別の指導アイデアを動画で視聴できるほか、「小学校体育サポート研修」とJFA認定講師の派遣依頼も申し込めます

詳細・お申込はサイトにアクセスしてご覧ください
↓↓↓

本件についてのお問い合わせ先/公益財団法人日本サッカー協会 47FA・加盟団体・普及推進部普及推進グループ(お問い合わせメール:jfa_school_grassroots@jfa.or.jp)

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