サッカーを通して体育の授業づくりノウハウが楽しく学べる!小学校教師対象「学校派遣型研修会」密着レポート【PR】
JFA(公益財団法人日本サッカー協会)では、JFA認定講師が学校を訪問し、教員を対象に体育授業づくりを学ぶ「JFA小学校体育サポート研修会」を実施しています。サッカー経験の有無にかかわらず、誰もが楽しみながら参加できる授業づくりをテーマに、体育でそのまま活用できる実践例や指導のポイントを学べるのが特徴です。今回は、2026年7月に東京都大田区立小学校で行われた学校派遣型研修会に密着。実技研修から講義まで、その内容を詳しくレポートします。
提供:KDDI株式会社

目次
ボールなしアクティビティ:始まって5分で先生たちが童心に帰る!
JFA(公益財団法人日本サッカー協会)から認定講師が学校に派遣され、学校単位で学べる研修会があることをごぞんじでしょうか? 今回は、2026年7月に東京都大田区立久原小学校で行われた「JFA小学校体育サポート研修会」の模様を詳しくレポートします。サッカー指導にとどまらず、体育の授業づくりや学級経営に関する視点も満載の内容でした。
研修会の目的は、「サッカー」を教材にして、体育のよりよい授業づくりについて学ぶこと。競技としてのサッカースキルを向上させることではありません。約90分間の研修は、60分以上を体育館での実技に費やし、教室に移して30分弱の講義という形式。受講者は、久原小学校の先生20名ほど。若手を中心に中堅の先生も参加しました。
今回講師を務めたのは、JFA復興支援特任リーダーの北野孝一さん。元小学校教師で、教員生活のすべてを学級担任として、子供たちと向き合ってきたといいます。

まず事前準備として1人1個、「新聞紙ボール」を作ります。丸めた新聞紙(10枚程度)をビニール袋に入れて、テープで留めるだけ。2~3分で1人1個の新聞紙ボールが完成します。大きさも人それぞれ、個性が出ていました。

準備運動を終えた後、14時30分、ボールを使わないアイスブレイクからスタート。
1つ目は、「ひたすらじゃんけん」。1分間、歩き回り、相手を次々に替えながらじゃんけんをし、3回勝った人から抜けていきます。すぐに、「よし!」「あー、負けた」などの声が体育館に響きます。

日本サッカー協会からの外部講師を迎えて、初めは緊張気味の先生たちでしたが、体を動かすうちに、表情がほぐれ、すぐに前のめりで参加していました。
最初に勝ち抜けしたチャンピオンを拍手で称賛したのち、負け残った8人にも拍手で健闘を称えます。こうした小さな配慮も忘れません。
ここで北野さんから「利き手とは逆の手でじゃんけんをするだけでも、子供たちには刺激になる」という助言がありました。そして、「他のアイデアはありますか?」と問われると、「足じゃんけん」「足の指じゃんけん」「顔じゃんけん」……参加者の先生は思い思いにアイデアを口にしていきます。思いつかない場合は、「パス」もOKです。
早速、足じゃんけんのアイデアが採用され、今度は3回負けた人から抜けていくというルールで行われました。
その後も、鬼がボールを投げ上げている間だけ、動いてよい「だるまさんが転んだ」や「そーれで集まれ」などのアイスブレイクが次々と行われていきます。


「そーれで集まれ」は、リーダーが「そーれ」と言うたびに、参加者は拍手を1回ずつ増やしていきます。「そーれ」「パチ」、「そーれ」「パチパチ」…、「ストップ」と言われたところで、拍手した数と同じ人数のグループを素早くつくるというもの。こちらも、小走りやスキップなど、難易度を変えながら行われました。


近くの人と「手押し相撲」では、負けた先生が寝転がって悔しがったり、「もう1回」とすぐに勝負を挑んだり、心から楽しむ姿が見られました。

「ここで大切なのは、最初に目の合った人と行うことです。そして、先生がこれを見過ごすと、男子は男子など、だんだんグループに分かれてすべてを行うようになります」(北野さん)

ボールを使ったアクティビティ:サッカーの先入観を捨てよう!
15時からいよいよボールを使ったアクティビティがスタート。まずは「ボールフィーリング」が始まりました。

限られたスペースの中でぶつからないようにドリブル(30秒)、2人組で「交替」の指示で前後を入れ替えながらドリブルなどが次々に行われていきます。

「サッカーというと、外で行うもの、11対11で行うもの、ボール1つで行うものと考えがちです。しかし、体育でサッカーを行う場合は、全員が体を動かし、全員がボールに触れることが大切なのです」と、北野さんは新聞紙ボールの意図を明かします。簡単に作れるものなので、みなさんの学校でも取り入れてほしい実践です。
新聞紙ボールからドッジボールに代えて、さらに、アクティビティは続きます。

「ボールを投げ上げてキャッチするまでに何回拍手できるか」では、最高記録は14回。「もう1回行いますが、記録更新をめざそうというより、『みんな、あと1回増やそう!』と指導してほしい」と北野さんは言います。
では、「より多く拍手するためには?」の問いに、「ボールを高く投げる」「低い位置でキャッチする」「細かく手拍子する」などのアイデアが。2回目を終え、北野さんが「1回は増えた人?」と聞くと、全員が手を挙げていました。
今度は、コートを使ったアクティビティに入ります。手をつないだオニにタッチされないように、2本の川を渡りきる「川渡りオニごっこ」、ドリブルで渡りきる「川渡りドリブル」と続きます。

今回の研修でもっとも白熱していたのが、「ナンバーコールゲーム」です。
北野さんが「3」などとコールして、ボールをコートに投げ入れます。両チームからその人数だけが出てきてプレーします。残りの人はゴール役と壁役になって、ゲームに参加します。つまり、全員が参加できるうえ、壁役がいるためボールが外に出ることもないので、限られたスペースでゲームが成立するのです。


実技の最後は、この研修を受けた学校にもれなくプレゼントされる「スポンジボール」を使って、3対3によるミニゲーム。こちらも全員が必ずプレーできるように時間配分されていました。
モンテル社製4号球のこのスポンジボールは、弾みが少ないので扱いやすく、当たってもそれほど痛くないので、体育でのサッカーにうってつけ。

最後は、あいさつをして握手をして終わります。
「サッカーをすれば、足を踏んでしまったり、蹴ってしまったりすることはあるでしょう。それでも、最後は『ありがとうございました』で、水に流すのがワールドワイドの流儀です。これは、ワールドカップでも同じですよね」(北野さん)
大切なのは、学級の子供たちの実態に合わせること。そのため、どのアクティビティにおいても、北野さんから「負荷や運動量を増やすには?」「レベルを下げるには?」の問いが投げかけられていたのが印象に残りました。
講義:授業づくりでもっとも大切なのは「逆算」の思考
15時40分、教室に場所を移して、講義が始まりました。

北野さんは、授業づくりで最も大切なのは「逆算」の思考だといいます。
まずは「子供のどんな姿が見たいか」という目標を設定する(ゲーム)。そのためには、どんな活動が必要(活動2)かを考え、活動2を行うためにはどんな準備が必要(活動1)かを考え、最後に今日の活動につながる準備運動を考える。つまり、時間の流れとは逆に、授業構成を組み立てていくのです。
「算数や理科の授業で、目の前の子供たちに合わせて導入や実験のやり方を変えるように、体育でも子供たちの実態に合わせて柔軟にアレンジしていくことが重要ですよ」と北野さん。
また、「今日の研修でみなさんにたくさん手をつないだり、ハイタッチをしていただいたりしたのには理由があります。仲間作りの原点は、人間同士の触れ合いにあると考えているからです。子供たちにも無理やりさせるのではなく、自然とそうした触れ合いができる関係性を築いていくことが大切です」と、強調します。
参加した先生から「サッカー経験者と未経験者の技能差がある場合、チーム編成はどのようにすればよいか?」との質問に、北野さんは次のように、明快に答えました。
「技能差をチーム編成だけで解決しようとするよりも、今日実践した“壁役”のようなルールを設けて、技能差を軽減していく方が効果的です。
もし、クラスにとても上手な子がいたら、私ならこう伝えます。『君は将来サッカー選手になりたいかもしれない。でも、君に給料を払ってくれるのは誰か知っているかな? それは今、君の後ろにいるクラスメイトたちだよ。君が活躍すべきなのは土日のクラブチームの試合であって、ここ(体育の授業)では先生と一緒にサッカー好きの仲間を増やす手伝いをしてくれないかな。サポート役に徹して、みんなにサッカーを教えてほしいんだ』。
そのようにして、全員が楽しめる雰囲気をつくっていくことが大切です」
参加者の声
最後に、研修を終えたばかりの先生の声を紹介します。
𠮷田先生(6年生担任)
ーー研修を受けてみてのご感想はいかがですか?
楽しかったです! もともと、体育は得意ではないのですが、そういう意味も含めて参加してみて、とても楽しめました。
ーーどんな学びがありましたか?
普段の授業ではどうしても男の子と女の子が離れてしまいがちなのですが、今日教わったやり方であれば、男女関係なく一緒に楽しくできるのではないかと思いました。サッカーだけでなく、体育全般や普段の学級経営でも使えそうです。
佐野先生(5・6年生専科:外国語・算数)
ーー率直なご感想をお願いします。
めちゃくちゃ楽しかったです。私自身、もともと運動が苦手というか嫌いなタイプなので、最初は少し不安もあったのですが、自然と楽しく参加できました。
ーーサッカー以外の体育授業でも応用できそうな工夫はありましたか?
はい、たくさんありました。ただ走らせるだけでなく、「だるまさんが転んだ」のような遊びの要素を取り入れる工夫などは、普段の体育でもすぐに実践できると思います。子供たちが楽しく活動できるような工夫を学べて良かったです。
吉岡先生(6年生主任教諭・本研修の応募者)

ーー今回の研修をJFAのホームページで知り、応募された経緯や思いを教えてください。
サッカーを指導する際、「どう指導していいか分からない」と悩む教員がこれまで多くいました。そこでJFAの方から直接教えていただくことで、今後の授業に生かせるのではないかと思い応募しました。
ーー学校現場では、やはりサッカーの指導は難しいという声が多いのでしょうか?
そうですね。前任校などでも同じような声を聞きましたし、どこの学校でも共通の悩みだと思います。学校によっては、教員よりもサッカークラブなどで習っている6年生の子供の方がうまくなってしまい、指導の逆転現象が起きてしまって難しさを感じるケースもあります。
ーー実際に研修を受けてみて、いかがでしたか?
サッカーの研修ということで、最初からボールを使った本格的なプログラムをするのかと思っていました。しかし、実際はボールを使わない「遊び」から入っていったので、「あ、こういう風に教えていいんだ」と大きな学びになりました。
サッカーだけじゃない!体育全般に応用可能な指導の工夫を学べる研修会
今回の研修で一貫して伝えられていたのは、「サッカーを教えること」が目的ではなく、「すべての子供が安心して体を動かし、仲間と関わりながら学べる授業をつくること」が目的だという考え方でした。
新聞紙ボール、壁役を取り入れたゲーム、アイスブレイクなど、どれも特別な設備や高度なサッカー経験は必要ありません。子供の実態に合わせてルールや運動量を調整しながら、「全員が参加できる」「全員が成功体験を得られる」授業づくりの工夫が数多く紹介されていました。
JFA小学校体育サポート研修会は、サッカー単元に不安を感じている先生はもちろん、体育全般の授業改善や学級づくりのヒントを得たい先生にとっても学びの多い内容です。校内研修として講師を学校に招くことができるため、学校全体で共通理解を深められる点も大きな魅力でしょう。
「体育の授業をもっと楽しく、もっと子供主体のものにしたい」。そんな思いをもつ先生は、一度この研修を活用してみてはいかがでしょうか。
取材・構成/長 昌之 撮影/西村智晴
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JFAでは学校の先生向けに、体育の授業で活用いただけるサッカーの授業内容に関する研修会を行っています。体育やスポーツが苦手な先生にもわかりやすい、サッカーの楽しさと「これならできる」という手応えを感じられる研修プログラムです。
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実施校には学校の授業にすぐに取り入れられるようにソフトスポンジボール 4号10球 (モルテン社製)と新・サッカー指導の教科書 2冊 (東洋館出版)が贈呈されます


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◆本件についてのお問い合わせ先/公益財団法人日本サッカー協会 47FA・加盟団体・普及推進部普及推進グループ(お問い合わせメール:jfa_school_grassroots@jfa.or.jp)
