振り返りをAIが対話で深掘りし、スピーチ原稿まで作ってくれる!Gem「ふりかえり応援団長」をプレゼント

今回は、「選択肢の番号を入力するだけ」で内容を深掘りし、その子にしか語れない「振り返りスピーチ」を瞬く間に作ってくれるGemをご紹介。最後には子どもたちの思い出をイラスト化までしてくれるこのGemを、最後までお読みいただけた方全員にプレゼントします。
執筆/鈴木優太(宮城県公立小学校教諭)
目次
1 ふりかえり応援団長
「いろいろ楽しかったです。これからもがんばりたいです。」
拍手。着席。次の子も、また次の子も、同じような言葉を繰り返す。心当たりはありませんか?
あんな思い出やこんな成長、劇的なエピソードがたくさんあったはずなのに、子どもたちはどのように語ればよいのか、その手立てを持っていないのです。
Googleの生成AIであるGeminiのカスタマイズAI「Gem」が、その子にしか語れない「振り返りスピーチ」を手にするお手伝いをします。なんと最後にはイラストまで生成してくれて、それを振り返り作文や振り返りプレゼンにも転用できるという欲ばり仕様です。

その名も「ふりかえり応援団長」。

先生の準備は「URLを配る」だけ。「〇年生です。」と入力すると、その学年に合ったやりとりをします。
反響が大きかった過去記事『生成AI「と」スピーチ革命「自己紹介応援団長」』で紹介したGemの姉妹版です。今回は振り返りに特化した仕掛けの数々を、たっぷりご活用ください。
この記事を最後までお読みくださった先生には、そのままお試しいただけるこのGemのURLをプレゼントします。学期末や学期初めに、どうぞご活用ください。
2 音声でも振り返りカードでも入力OK
このGemを活用した振り返りには三つの始め方があって,学級の実態に合わせて選べます(Gemに「こんにちは」などと話しかけると、三つの始め方を案内してくれるよう設定もしてあります)。
1:チャットに直接、思い出や成長について話しかける
2:振り返りカードのなるほどベスト1に★(星マーク)を付けて、写真を送る
3:振り返りカードに文章を書いて、写真を送る
チャット欄に「思い出は~、成長は~、」と直接話しかけるのが、最も簡単な入り口です。どんな準備も必要ないからです。マイクボタンを押して音声入力をするだけ。低学年でも実践可能です。

ぜひお試しいただきたいのは二つ目の活用法、振り返りカードに「★」を付けて送る方法です。使うのは、次のようなシンプルな振り返りカードです。

カードには「ナンバリングメモ」の手法を使い、「なるほどベスト3」の形で記入します。じつはこのアナログな手法が、生成AIとの相性が抜群だからです。
まずは、振り返りカードに番号を付けながら思い出や成長をたくさん書き出し(発散)ます。
最後に、今日の自分にとってのベスト1に赤鉛筆で★を付け(選択し)ます。
この「発散→選択」を経た手書きカードを端末で撮影し、アップロードするだけです。

Gemは書いた意図を汲み取って読み取ります。「発散→選択」の思考の流れは、カードを書く段階ですでに深い振り返りを生みます。AIに丸投げするのではなく、手書きの熟考とAIの対話を「いいとこ取り」できるのが、この活用法の魅力です。「自己紹介応援団長」の実践と同じです。

一つのことを詳しく書いたカードにも対応します。

手を動かして書く活動を大切にしたい。書いたカードを有効活用したい――。学級の実態や願いに合わせて入口を選べます。

4 選択肢の番号を入力するだけ
このGemは、すぐにスピーチ原稿を出力する訳ではありません。
カードを読み取ると、①思い出、②成長、③目標の順に一問一答で深掘りの質問をしてきます。しかも、子どもの側は、その質問に「選択肢の番号を入力するだけ」で答えることができます。
「運動会の中で,一番心がドキドキした瞬間はいつだった?
1:スタートのピストルが鳴る直前
2:バトンを受け取った瞬間
3:ゴールした後、みんなの声が聞こえたとき
どれに一番近いかな?数字を入力してください。この中になければ、君の言葉で教えてね!」
三つの選択肢は、その子のカードの内容に合わせてAIが毎回オーダーメイドで用意します。それに対して子どもは「3」と打つだけです

「この中になければ,君の言葉で教えてね!」というメッセージを毎回欠かさないのもポイントです。選択肢を眺めるうちに「ちがう。私は、応援の声が聞こえた瞬間だ」などと、自分の言葉があふれ出す子もいます。
これまで書けなかった子どもたちは、「話すことがなかった」のではなく「問われていなかった」だけなのです。AIとの一問一答が、その子の中に眠るとびきりのエピソードを掘り当てます。
例えばカードに「跳び箱をがんばった」としか書いていなかったある子は、数回のやりとりを経て、こんな一節を生み出しました。
「二つ目は成長です。昨年のわたしは、跳び箱の前で足が止まっていました。でも今は、5段を跳べます。『手をつく場所を見て!』と何度も声をかけてくれた友達のおかげです。踏み切った瞬間の、ふわっと体が浮く感じが大好きになりました。」
「がんばった」の4文字だった振り返りが、音と体の感覚をともなう物語に変わる。ビフォー・アフターの対比、友達への感謝の一言、五感の描写。いきいきとした表現が、子ども自身の言葉の中に自然に編み込まれていきます。
原稿が出力された後も、「1:大体これでOK」「2:かえた方がいいところがある」などと、選択肢を使った対話が続きます。修正したい場所も、直し方も、すべて番号で選べます。振り返りの対話で言葉に詰まっていた子も、作文で鉛筆が止まってしまっていた子も、数字を選ぶだけ。楽ちんなのに、「言いたかったことはこれだ!」 と内省が促される感覚は、実際にGemを触っていただくと実感できます。低学年から高学年まで、ICTに自信がない先生であっても、操作につまずく人はいない設計です。
4 スピーチの「型」が全員を救う
「ふりかえり応援団長」が出力するスピーチは、次の型に収まります。
ふり返りを3つ話します。
1つ目は思い出です。~
2つ目は成長です。~
3つ目は目標です。~
これからも、〇〇〇〇〇します。
30秒~60秒、平均すると45秒程度の、短すぎず長すぎないスピーチ文例を出力します。原稿無しでも無理なく話せるボリュームで、聞き手の集中が切れない絶妙な長さです。もちろん「短くして」「長くして」と注文して調整することも可能です。
同じ型には収まりますが、一人として同じスピーチになりません。ここにこのGemの真骨頂があります。
【振り返りスピーチ原稿例】
ふり返りを3つ話します。
1つ目は思い出です。
【笑顔で,楽しそうに】
夏の強い日ざしの中、水鉄砲をかまえ、みんなで声をかけ合って校庭を走り回りました。
【少し声を大きくして】
びしょぬれになりながら水をかけ合ったあの瞬間、クラスのみんなとの絆がぐっと深まるのを感じて、心が熱くなりました。2つ目は成長です。
【少し声を落とし、前をじっと見つめて】
前は自分の考えを言葉にするのが少し苦手で、自信がありませんでした。
【パッと明るい表情になって】
でも、AIという心強い相棒といっしょに考えるようになってからは、たくさんのすてきなアイデアを見つけ、自分の言葉で自信を持って表現できるようになりました。3つ目は目標です。
【まっすぐ前を向き、力強い声で】
これからは、AIも出さないような新しいアイデアをどんどん自分で生み出せる人になりたいです。
【一歩前に出るような気持ちで、胸に手をあてて】
だから、係活動でアイデアをどんどん試します。
これからも、自分の言葉を行動に変えて、新しい挑戦をしていきます。
5 スピーチが1枚の「物語イラスト」になる
仕上げにとっておきのご褒美機能があります。
完成したスピーチをもとに、思い出・成長・目標の3場面を1枚に収めた16 : 9サイズの横長イラストを生成できるのです。

イラストのタッチは、以下の10パターンから数字で選びます。
1: 少年マンガ風
2: 少女マンガ風
3: アニメ映画風
4: ゆるかわキャラ風
5: ドット絵・ゲーム風
6: 水彩絵本風
7: スポーツマンガ風
8: ちびキャラ・デフォルメ風
9: レトロポップ風
10: リアル寄りキラキラ風
男女の修正などもお手のものです。


「自分の成長が絵になる」体験だけでも、子どもたちの自己肯定感は急上昇。

このイラストを見せながら自分の事を話すと、聞き手が釘付けになってくれることもあって、不思議とすらすらと話せてしまう子が続出します。スピーチがプレゼンテーションに早変わりします。印刷して振り返りカードの隣に掲示すれば、教室を子どもたちの成長物語のギャラリーにすることもできます。
さらに、出力されるスピーチの原稿には【間をとって】【ここで一番力強く】といった「ト書き」の演出指示と、本番前の子の心を整える「ひとことアドバイス」も添えられます。原稿を渡して終わりではなく、話し方までコーチングしてくれる――。まさに至れり尽くせりの応援団長です。

6 安心して「任せられる」設計
教室での運用を支える安全設計も組み込み済みです。児童名が入力されていても、カードに書かれていても、Gemは表示も言及も学習も一切しません。「4年生です」と伝えれば、前年度までに学習した漢字だけで応答します。ふさわしくない言葉が入力された場合は、頭ごなしに叱らず「別の素敵な言葉に変えてみない?」と優しく提案します。もちろん、入力はデジタル・シチズンシップの指導とセットで運用してください。教師が全員のスピーチ原稿づくりに伴走することは物理的に不可能でしょう。しかしこの設計なら、安心してAIに「壁打ち相手」を任せ、教師は机間を回りながら子どもたちの表情と仕草に目を注ぐことができます。
学期末だけでなく、行事の後や席替えの節目、年度末に。1年中いつでも使える汎用設計をしました。
振り返りは,書かせて集めて終わりの提出物ではありません。よりよい自分になっていくための欠かせない営みであり、仲間とお互いに聞き合うことで、成長を喜び合う教室の文化にもなるのです。
↓↓↓ 続きの課金パートをお読みいただけた方全員に、「📷ふり返り応援団長Gem」のURLを共有します
<参照文献>
鈴木優太『教室ギア55』(東洋館出版社)
鈴木優太『教室ギア56』(東洋館出版社)
鈴木優太『「日常アレンジ」大全』(明治図書出版)
鈴木優太『クラス全員が「聞ける」「話せる」!ペア活動図鑑100』(学陽書房)
鈴木優太編『学級づくり&授業づくりスキル レク&アイスブレイク (ロケットスタートシリーズ) 』(明治図書出版)
鈴木優太編『小学6年の学級づくり&授業づくり 12か月の仕事術(ロケットスタートシリーズ) 』(明治図書出版)
鈴木優太編『どの学年でも通用する学級づくりのワザだけ集めました。 』(明治図書出版)
鈴木優太(すずき・ゆうた)先生プロフィール
宮城県公立小学校教諭。1985年生まれ。2013年より教育サークル縁太会を主宰し、アイデアに富む教育実践と学びの場づくりに定評がある。最近著に『クラス全員が「聞ける」「話せる」!ペア活動図鑑100』(学陽書房・3月31日発売予定)があり、『教室ギア55』(東洋館出版社)、『「日常アレンジ」大全』(明治図書出版)はベストセラーを記録。みんなの教育技術では5年にわたり連載を担当、現在は『「個」も「集団」も育つ 学級経営&授業アイデア』を連載中。
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