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【高橋純教授が解説】「学び方」を身につけたその先へ 子どもの思考を深める授業をどうつくる?[後編②]

連載
「デジタル×深い学び」の授業デザインReport

一人でじっくり考えるのか、友達と話すのか。学びを深めるためには、そのときの自分に必要な学び方を選ぶことも大切です。さらに、課題を終えることをゴールにせず、「もっとよくするには?」と自分の学びを更新していくことも欠かせません。最終回では、「学習形態」と「向上目標」を手がかりに、自分で学び方を選び、自己ベストを更新し続ける子どもを育てる授業づくりを、高橋純教授が解説します。

この記事は、「デジタルを活用したこれからの学び」の授業づくりを支える理論を、識者がわかりやすく解説するシリーズ第4回目です。記事一覧はこちら

東京学芸大学教授
高橋 純

東京学芸大学教育学部教授、日本教育工学協会会長、東京都教育委員。教育工学、教育方法学、教育の情報化などが専門。著書に『学び続ける力と問題解決―シンキング・レンズ,シンキング・サイクル,そして探究へ』(東洋館出版社)などがある。

「誰と学ぶか」も子ども自身が選択していく

学びを深める方法は、見方・考え方だけではありません。自律的に学ぶための4つの基礎のうち、3つ目が「学習形態」です。つまり、「誰と、どこで学ぶか」ということです。

一人でじっくり考えたほうがよいときもあれば、友達と話したほうが考えが広がるときもあります。教師に聞く必要があることもあれば、友達の途中の成果を見るだけで解決の糸口が見つかることもあります。

大切なのは、いつでもグループで活動することではありません。「今の自分には、どの学び方が必要か」を子ども自身が判断できることです。

その意味で、ICTは大きな力になります。クラウド上に学習成果を共有しておけば、子どもは友達の考えを必要なときに参照できます。全員で同じタイミングに発表し合わなくても、「この人の考えを見てみたい」と思ったときに見ることができます。

一方で、生成AIの活用が広がるほど、意識しておきたいこともあります。AIに尋ねれば多くの情報や考えを得られるため、友達の考えを参照する機会が減り、学びが孤立する可能性があるからです。概念的な理解をつくるためには、他者との議論も重要です。だからこそ、AI時代にはむしろ、子ども同士が互いの考えを参照したり、対話したりする機会を意図的につくる必要があります。

ICTも協働も、それ自体が目的ではありません。自分の考えをよりよくするために、必要な道具や相手を自分で選ぶ。そこまでできることが、自律的な学びなのです。

複線型の学びでは、一人ひとりが自分で学習を進め、必要なときに必要な相手と協働する。クラウド上で途中の成果を参照し合うことも、学びを深める大切な選択肢になる。

「自己ベスト」を更新し続ける子どもを育てる

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