子供たちと読みたい 今月の本#19 犬と人とは仲良しだ

19回目のテーマは、「犬と人とは仲良しだ」。全国SLA学校図書館スーパーバイザー・石橋幸子先生にすてきな本を紹介していただく連載です。今回は、犬に関する様々なお話が登場します。子供たちの生活に身近な犬だけに、お話に興味津々ではないでしょうか。ぜひ、子供たちが本を読む楽しみを知るきっかけにしてみてください。子供たちの1人読み、先生が読む、読み聞かせなど学級の実態に合わせてください。
監修/全国SLA学校図書館スーパーバイザー・石橋幸子

目次
絵本
犬と人とのつながりのお話、役に立ちそうもない「こいぬのうんち」のお話などの絵本があります。絵本を通して物語の楽しさを感じてください。
『ぼくは犬や』

作/ペク・ヒナ 訳/長谷川義史
ブロンズ新社刊(発行:2020年)
犬と人間の家族の泣き笑いの物語。人は僕を「グズリ」と呼びます。パンウリというお母ちゃんから4番目に生まれました。グズリは周りにいるみんなと全力でつながっていきます。
石橋先生のおすすめポイント
韓国の絵本作家ペク・ヒナさんの作品で、長谷川義史さんが関西弁で訳しています。関西弁になじみがない子供たちには全文読み聞かせをおすすめします。子供たちは、粘土で作った個性的なキャラクターの生き生きとした動きを目で追いながら、先生方が読むお話を耳から聞く。これこそが学校図書館で楽しめる絵本の魅力ですね。子供たちの反応を身近で感じられるのはこの絵本の読み手の醍醐味です。
そして最後の場面。どうなるのかと子供たちは目を皿にしていますから、ページをゆっくりめくってください。ほっこりした幸せな気分で本を閉じることができますよ(全学年向き)。
『こいぬのうんち』

著/クォン・ジョンセン 絵/チョン・スンガク 訳/ピョン・キジャ
平凡社刊(発行:2000年)
「汚くて何の役にも立たない。僕はどうしたらいいの?」。存在価値が見出せず悲嘆にくれる「こいぬのうんち」。だが、やがて春が訪れて……。韓国のベストセラー絵本が日本に初登場。
石橋先生のおすすめポイント
2000年に出版された絵本ですから、先生方が小学生の頃に読んだことがあるかもしれません。そんなときはぜひご自身の話をしてあげてください。子供たちは先生や学校司書の方の本にまつわるエピソードを聞くのが大好き。その特別な記憶と『こいぬのうんち』の絵本が一緒に子供の心に刻まれます。これは私が担任した子供が成人してから教えてくれたことですから、間違いありません。
この本に犬が登場するのはほんの少しの場面だけですが、お話は思わぬ方向に進み、最後は「よかったね」と終わります。最後まで読むと両見返しのキラキラの理由が分かります。子供たちに聞いてみてくださいね(全学年向き)。
図鑑
盲導犬がどのような犬であるかがよく分かる図鑑があります。盲導犬の訓練の様子や人とパートナーになる様子が伝わります。
『盲導犬大百科(1) 盲導犬ってどんな犬?』

監修/公益財団法人日本盲導犬協会 その他/清水朋美
ポプラ社刊(発行:2025年)
盲導犬は、視覚障害者の移動を助ける犬です。では、盲導犬は、何をしてくれるのでしょう? どんなふうに訓練されるのでしょう? 盲導犬がたくさんの人の手を経て生まれ、視覚障害のある方々にとって大切なパートナーであることを、写真とイラストで伝えます。
石橋先生のおすすめポイント
見返し部分に「はじめに」があるので紹介して、もくじで本の概要が分かることを伝えるとよいでしょう。
「盲導犬がしてくれること」では、段差で止まる、障害物をよけると具体的な活動の様子が載っています。写真が大きくて盲導犬の仕事ぶりや賢さ、ユーザーの盲導犬への思いが読み取れますから、見せながら部分的に読み聞かせるのが効果的です。本文最後で、盲導犬候補として訓練された5頭のうち、実際に盲導犬になったのは1頭だと解説されます。子供たちにも厳しい現実が伝わることでしょう(中高学年向き)。
