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子供たちと読みたい 今月の本#17 平和をつなぐ

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子供たちと読みたい 今月の本
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子供たちといっしょに読みたい 今月の本 
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石橋幸子
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全国SLA学校図書館スーパーバイザー・石橋幸子先生にすてきな本を紹介していただく連載です。17回目のテーマは、「平和をつなぐ」。8月、忘れてはならないのが、日本でも戦争があったという事実です。本を通して、戦争の悲惨さや平和の尊さをこの時期に考えてみてください。子供たちの1人読み、先生が読む、読み聞かせなど学級の実態に合わせてください。

監修/全国SLA学校図書館スーパーバイザー・石橋幸子

学校図書館の様子

絵本

平和を訴え続けた家具職人のお話、生涯をかけて戦争の悲惨さと愚かさを訴え続けた作家の詩から生まれたお話、戦時中、「地図から消された島」のお話、いかだで漂流して助けられた少女のお話などの絵本があります。絵本を通して平和のあり方について考えてください。

『ダニーさんのちゃぶだい』

『ダニーさんのちゃぶだい』 企画/ダニー・ネフセタイ 作/なるかわしんご イマジネーション・プラス刊(発行:2025年)

企画/ダニー・ネフセタイ 作/なるかわしんご 
イマジネーション・プラス刊(発行:2025年)

イスラエル生まれのダニー・ネフセタイさんは子供の頃、国を守るために戦闘機のパイロットになるのが夢でした。しかし、夢をかなえることができずに旅に出ます。そして立ち寄った日本の公園には今まで「敵」と思っていた国々の人がいて、その人たちと自然に楽しく話をすることができたのです。絵本を通して平和のあり方を考えます。そのキーワードは「丸いちゃぶ台」。角のないちゃぶ台は誰とも同じスペース、同じ距離で接することができるのです。

石橋先生のおすすめポイント
低中学年の子供に手渡すなら、全文読み聞かせをすすめます。イスラエルを守るために兵隊になりたかったダニーさんがなぜ、ちゃぶ台を作るようになったのか、みんなで考え合ったり、話し合ったりしてほしいからです。
高学年の子供でしたら、ダニーさんが日本に来て「てき」だと教えられていた国の人と友達になった辺りまで読んで、あとはあらすじ紹介か自分で読ませる方法がよいでしょう。ちゃぶ台を知らない子が多いと思われるので、最初にその説明は必要だと思いますよ(全学年向き)。

『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』

『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』 作/那須正幹 絵/武田美穂 
ポプラ社刊(発行:2025年)

作/那須正幹 絵/武田美穂 
ポプラ社刊(発行:2025年)

ばあちゃんはぼくを「にいちゃん」と呼びます。ばあちゃんの兄さんは原爆症で死んだのに……。生涯をかけて戦争の悲惨さと愚かさを訴え続けた作家、那須正幹氏が遺した一編の詩(原題:「ばあちゃんの詩」)から、この絵本が生まれました。あらためて平和の意義を子供たちに問いかけます。

石橋先生のおすすめポイント
男の子とおばあさんが並んだ明るい色調の表紙、昭和っぽい服装の男の子が幼い女の子をおんぶして歩く姿の見返しと続けて見せます。
この絵本は小学3年生以上のどの学年にも全文読み聞かせをおすすめします。認知症の祖母が、原子爆弾で亡くなった兄ちゃんと孫を混同する話だからです。ちょっとユーモラスな絵と表現で、最後は希望を感じさせるお話は、教室での読み聞かせにぴったりです。何より平和について心に残る1冊です。2021年に亡くなられた那須正幹さんがなぜ作者なのか。そこにも平和を願う人々の思いがあります。後書き部分も必ず紹介してください(全学年向き)。

『うさぎのしま』

『うさぎのしま』 作/近藤えり、たてのひろし 世界文化社刊(発行:2025年)

作/近藤えり、たてのひろし 
世界文化社刊(発行:2025年)

毒ガスを製造し、「地図から消された島」広島県・大久野島。「うさぎのしま」として親しまれるこの島で、1組の親子が白いうさぎに出合います。浮かび上がらせる戦争の記憶と、現代の環境問題。過去と未来を結ぶ、忘れてはならない物語。

石橋先生のおすすめポイント
戦時中、毒ガスを製造していたために地図から消されていた大久野島が舞台の絵本です。本文最後の2ページだけが白黒で、島の秘密についての簡単な解説が載ります。この話を理解できるのは高学年の子供たちでしょうから、何も余計なことを言わずに最初から読み聞かせることをおすすめします。現代と戦時中の大久野島の絵が交互に現れ、子供たちはどういうことかと考えながら白いうさぎの姿を追っていきます。
最後に詳しい解説と作者によるあとがきが続きます。ここはぜひ、部分的に読み聞かせるか紹介してください。子供たちは再度自分で読み返し、歴史や戦争、観光資源としてのうさぎについて考えをもつはずです。奥付の参考文献の多さも伝えてくださいね(中高学年向き)。

『ガージュー先生 対馬丸事件を生きぬいた少女の物語』

『ガージュー先生 対馬丸事件を生きぬいた少女の物語』 作/たじまゆきひこ 童心社刊(発行:2026年)

作/たじまゆきひこ 
童心社刊(発行:2026年)

1944年8月22日、沖縄から疎開する学童らを乗せた学童疎開船「対馬丸」は、トカラ列島沖で米潜水艦の攻撃を受けて沈没。いかだで6日間漂流した後、無人島で救出された9歳の少女は……。戦争の悲惨さと命の大切さを語り継ぎます。

石橋先生のおすすめポイント
『じごくのそうべえ』で子供たちにおなじみのたじまゆきひこさんは1940年生まれ。そんなたじまさんが沖縄戦をテーマに作った最新作です。まずそんな話をしてください。
沖縄戦、学童疎開、対馬丸事件についての概要を説明して、絵を見せながらあらすじを紹介するとよいでしょう。この本はガージュー(沖縄の方言で頑固な人)先生というあだ名を付けられた平良啓子さんがモデルです。平良さんの思いを子供たちにしっかり伝えることが私たちに託されているのだと思います(中高学年向き)。

読み物

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