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研究授業を参観するポイントとは? 【伸びる教師 伸びない教師 第71回】

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栃木県公立小学校校長

平塚昭仁
第71回 伸びる教師 伸びない教師 バナー

第71回のテーマは、「研究授業を参観するポイントとは?」です。豊富な経験によって培った視点で捉えた、伸びる教師と伸びない教師の違いを具体的な場面を通してお届けする人気連載。研究授業を参観するポイントは子供たちの学びの状況、子供たちの意欲、子供たちの状況に合わせた授業などが挙げられるという話をお届けします。ぜひ、研究授業を参観する際のヒントにしてください。

執筆
平塚昭仁(ひらつか・あきひと)

栃木県公立小学校校長。
2008年に体育科教科担任として宇都宮大学教育学部附属小学校に赴任。体育方法研究会会長。運動が苦手な子も体育が好きになる授業づくりに取り組む。2018年度から2年間、同校副校長を務める。2020年度から現職。主著『新任教師のしごと 体育科授業の基礎基本』(小学館)。

伸びる教師は研究授業をポイントを絞って参観し、伸びない教師は漠然と参観する。

すべての⼦供たちに学びがあるか

研究授業を参観するポイントは、授業をする学年、教科、研究テーマ、⾃分の⽴場などによって変わってきますが、私は主に次の3つに気を付けて参観することが多いです。

1.すべての⼦供たちにとって学びがあるか
2.⼦供が授業に集中して、動き出すか
3.教師は目の前の⼦供の反応を⾒ているか

ある学校の公開研究発表会に参加し、授業を参観したときのことです。授業は⼦供たちからよい意⾒がたくさん出され、授業の始めに意⾒をもてなかった⼦供も最後には⾃分の意⾒を書いていたことなどから、私はよい授業であったと捉えていました。
授業研究会では、私が感じたことと同じような意見が参観者からも出されました。質問こそありましたが、授業に対してマイナスな意⾒は出ませんでした。意⾒が出尽くされたと思われたとき、中堅の男性教師が次のような発⾔をしました。
「私は、⼀番後ろの男の⼦を⾒ていたのですが、この⼦にとっては、この1時間、学びはなかったのではないかと思われます」
あまりにストレートな意⾒だったのでびっくりしたのを覚えています。

⚫︎その男の⼦が授業の始めに書いた意⾒が、すでに教師が意図するものであったこと。
⚫︎1時間、発⾔もせず教科書の他のページを⾒ていたこと。
⚫︎最後の感想では、⾃分の意⾒は間違っていなかったとだけ書いていたこと。

などから、この男の⼦にとって学びはなかったと考えたそうです。また、代案として、「教師がこの男の⼦の意⾒を取り上げ、どうしてこの考えが出てきたのか思考の流れを本⼈に問う。そうすることで、学級全体だけでなくこの⼦の学びにもなったのではないか」と発⾔していました。

私は、できない⼦供ができるようになったことで学びがあったと捉えていましたが、できている⼦にとっての学びがあったかどうかまでは考えもしませんでした。また、1⼈の⼦供の変容を1時間ずっと観察し、授業の良し悪しを判断する授業の⾒⽅があることも初めて知りました。
この研究会以降、授業を参観するときには、すべての⼦供たちにとって学びがあるかという観点をもって参観するようになりました。

⼦供が動き出すか

⼦供が授業に集中しだすと、学級の雰囲気が⼀瞬変わります。それは、⼦供が「知りたい」「やりたい」といった気持ちが⾼まった瞬間に表れます。感覚的なもので⾔葉にするのは難しいのですが、これを私は「⼦供が動き出す」と呼んでいます。
「教師が話し出すと⽔を打ったように静かになる」「友達の発表を前のめりで聞く」「⼦供の発⾔で授業が回りだす」「個⼈の活動中、誰1⼈話さない」「グループの話合いに活気が出る」「⾃然に歓声が上がる」「⾃分からやりたいことを提案する」など、あえて⾔葉にするとこんな様相が⾒られます。

逆に、⼦供が活発に活動しているけれど、動き出さない授業もあります。教育実習⽣の授業でこんなことがありました。
⾼学年の道徳の授業で、⼦供たちは教科書の登場⼈物の気持ちに寄り添ったよい意⾒や正しい意⾒を次々と発表していました。活発だし、よい意⾒も出ているのですが、私は違和感を覚えました。授業が終わった後、よい意⾒を多く発表した⼦供が「先⽣、どうだった、俺の意⾒?」と教育実習⽣に話しかけ、教育実習⽣は「すごくいい意⾒だったよ。ありがとう」と答えるやり取りがありました。

この「どうだった」「ありがとう」のやり取りを聞いていて、私が授業で抱いた違和感の答えが分かった気がしました。この⼦供は、⾃分の意⾒ではなく実習⽣が期待しているであろう意⾒を⾔っていたのです。もしかすると他の⼦供も同じだったかもしれません。
誰も責められませんが、⼦供が動き出さない授業だったと思います。

イメージ

 教師は目の前の⼦供の反応を⾒ているか

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