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問題行動の原因とは?【伸びる教師 伸びない教師 第69回】

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伸びる教師 伸びない教師
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栃木県公立小学校校長

平塚昭仁
第69回 伸びる教師 伸びない教師
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豊富な経験によって培った視点で捉えた、伸びる教師と伸びない教師の違いを具体的な場面を通してお届けする人気連載。今回のテーマは、「問題行動の原因とは?」です。⼦供の問題⾏動の根っこが家庭環境に関係していることがあります。背景を理解し、学校でできることは何か、家庭でできることは何かを保護者とともに考えていくことは大切です。今回は、その根っこを知る⼿かがりの1つとして個⼈懇談を有効に活⽤しようという話をお届けします。

執筆
平塚昭仁(ひらつか・あきひと)

栃木県公立小学校校長。
2008年に体育科教科担任として宇都宮大学教育学部附属小学校に赴任。体育方法研究会会長。運動が苦手な子も体育が好きになる授業づくりに取り組む。2018年度から2年間、同校副校長を務める。2020年度から現職。主著『新任教師のしごと 体育科授業の基礎基本』(小学館)。

伸びる教師は問題行動の原因を多面的に捉え、伸びない教師は一元的に捉える。

個人面談での保護者への話

若い教師から、個⼈懇談で保護者とうまく話せないといった声を聞くときがあります。私も若いときは個⼈懇談が苦⼿でしたが、年齢を重ねていくにつれ、その苦⼿意識はなくなっていき、今では、保護者から⼦供の様⼦を聞くよい機会と捉えています。
保護者の話を聞くと、学校と家で⼤きなギャップがある⼦が多くいます。

⚫︎学校では進んでお⼿伝いしてくれるのに、家では⾃分のことすら何もしない⼦。
⚫︎学校ではおとなしく⼝数が少ないのに、家ではとてもおしゃべりになる⼦。
⚫︎学校ではやんちゃでトラブルが多いのに、家では⺟親の⾔うことに従順な⼦。

こんな発⾒があるたび、「学校と家庭でどうしてこんなに違うのだろう」とその⼦について思いを巡らせます。
ときには、そんなことを思っていたのかと驚かされることもありました。
体育の授業で、逆上がりが初めてできた⼦供がいました。「先⽣、⾒て⾒て」と私を呼びに来て逆上がりを⾒せてくれました。よほどうれしかったようで、家に帰ってから⺟親を学校に連れていき、逆上がりを得意げに⾒せたそうです。そこまでうれしかったのに、私はありきたりの⾔葉しかかけられなかった⾃分を反省しました。私にとっては何度も⾒てきた光景でしたが、その⼦にとっては初めてできた逆上がりだったのです。

子供の悩みに寄り添う

保護者と話をすると、学級の⼦供⼀⼈⼀⼈にわが⼦を⼤切に思う家族の存在があることに気付かされます。
この⼦が⽣まれたとき、親はどんな思いで名前をつけたのだろう。
この⼦が歩けるようになったとき、家族はどれだけ喜んだだろう。
そんなことを考えると、家族が⼤切にしている命を預かっているということを改めて感じます。その⼦の⽣育歴や今の家庭環境を知ることで、学校でトラブルを起こしている原因が分かるときがあります。

以前、⾼学年を担任していたとき、6⽉の終わりに⼥⼦の転校⽣が来ました。学級全体でその⼦をあたたかく迎える準備をしていたのですが、その⼦は転校初⽇から友達に暴⾔を吐きトラブルになってしまいました。その後も学級になじめず、休み時間は1⼈で過ごすことが多くなりました。
夏休みに⼊ってすぐの個⼈懇談で、保護者はこの⼦の実の親ではないことが分かりました。本⼈は、実の親でないことを知っているとのことでした。保護者がこの⼦に⼗分な愛情をかけ育てていることはお話をしていて⼗分伝わってきました。ただ、母と2⼈暮らしで、保護者が夜まで仕事のときは1⼈で留守番をすることもあるのだと聞きました。本⼈は、保護者の愛情を感じているけれども、思春期に差しかかり、今の⾃分の環境を受け⽌めきれずに悩んでいるのではないかと私は捉えました。
夏休み明け、その⼦と2⼈で話をしました。頑張って学校に来ていること、困ったことがあったらいつでも相談してほしいこと、保護者が留守の間に何かあったらすぐに学校に連絡することなどを伝えました。その⼦は、話を聞いてうなずくだけでしたが、気のせいか表情が和らいだように⾒えました。
その後もトラブルは続きましたが、⽇がたつにつれ、友達もその⼦の性格が分かってきたようで、以前よりもトラブルの回数は減っていきました。ときには、友達と遊ぶ様⼦も⾒られるようになりました。そうしたよいところを保護者に伝えながら、その⼦にも1⽇1回は声をかけるようにしていくと、「先⽣、あのね」と低学年のようにその⼦から声をかけてくれるようになりました。
卒業式を迎える頃には、ちょっと気は強いけれど明るくて⾯倒⾒がいい⼦に成⻑していました。

イメージ

保護者の思いが本人に届く

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