内を向いているとは?【伸びる教師 伸びない教師 第67回】
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豊富な経験によって培った視点で捉えた、伸びる教師と伸びない教師の違いを具体的な場面を通してお届けする人気連載。今回のテーマは、「内を向いているとは?」です。校長や担任が内を向いているのか、外を向いているのかを意識したことはありますか。それによって、教師も子供たちも意欲や雰囲気が変わります。どちらを向いているのかについての話をお届けします。
執筆
平塚昭仁(ひらつか・あきひと)
栃木県公立小学校校長。
2008年に体育科教科担任として宇都宮大学教育学部附属小学校に赴任。体育方法研究会会長。運動が苦手な子も体育が好きになる授業づくりに取り組む。2018年度から2年間、同校副校長を務める。2020年度から現職。主著『新任教師のしごと 体育科授業の基礎基本』(小学館)。
目次
校長が変わると学校が変わる
これまで私が担任として勤めた学校は、そのほとんどが1学年3〜4学級ある大きな学校でした。校長は2年程度で変わることが多く、定年などで校長が変わると分かっている年度末は、次にくる校長は誰だろうという話でもちきりでした。
校長が変わると学校の雰囲気もガラリと変わります。その雰囲気は校長によって様々です。ただ、私は、雰囲気だけでなく、その校長が外を向いているのか内を向いているのか、このことが一番気にかかりました。
外を向いている校長
知り合いの教師と話しているとき、こんな話を聞きました。
打ち合わせで、明日、教育委員会の方が来校する話があったそうです。そのとき、「明日お客様がいらっしゃるので、子供たちに元気にあいさつするように指導してください」と、校長が教職員にお願いしたとのことでした。知り合いの教師は強い違和感を覚えたそうです。
「子供ではなく外を見ている」
なぜこのように捉えてしまったかというと、それまでにいろいろなことを目にしていたからとのことでした。
例えば、その学校の教師が教育委員会へ報告しなければいけない期限を過ぎてしまい、催促の電話がかかってきたとき、その校長は、「なぜ遅れたんだ!」と周りが引くほど厳しく詰め寄ったそうです。
この話を聞いて私はこんなことを思いました。委員会に提出する報告だとしたら、必ず起案が回り、校長がその文書を目にしていたはずです。報告が回っていないのであればそのことに管理職が気付き、本人へ声をかけるべきです。また、校長が怒っている様子を聞いて、なぜ報告が遅れてしまったのかを本人に問い詰めるより、報告が遅れてしまう現状のシステムの見直しをするほうが大切だと思いました。厳しく詰め寄っていたのは、今後同じことを繰り返さないようにするためではなく、自分が委員会から指摘を受けたことへの怒りではなかったかと推測します。
また、この校長は、外部の団体の役員を引き受け、出張で学校を留守にすることが多くあったそうです。それ自体、悪いことではないと思うのですが、どんなに担任の教師が子供のことで困っていても、自ら学級に足を運んで子供の様子を見たことはないとのことでした。
こうしたことが積み重なり、私の知り合いの教師は、この校長は外を向いていると思い、やるせない気持ちになったと話していました。

