【小学校理科】「いつも同じ子ばかり」から脱却! 交流が生まれる理科授業のポイント3つ【理科の壺】

発表する子がいつも同じになってしまう――理科の授業をしていると、このような悩みをもつ先生は少なくありません。問いを投げかけると、すぐに手が挙がる子がいる一方で、自分の考えをもっていても発表しない子もいます。その結果、授業中に聞こえてくる意見が限られ、多様な考えが見えにくくなってしまうことがあります。しかし、「発表する子を増やそう」と考えるだけでは、なかなか状況は変わりません。大切なのは、「発表できる子を増やすこと」ではなく、「誰もが自分の考えを交流できる場をつくること」。今回は、多くの子が学びに参加しやすくなる授業の工夫について紹介します。優秀な先生たちの、ツボをおさえた指導法や指導アイデア。今回はどのような“ツボ”が見られるでしょうか?
執筆/東京学芸大学附属小金井小学校・河瀬正和
連載監修/國學院大學人間開発学部教授・寺本貴啓
発表できないのではなく、「発表する準備」ができていない
「誰か発表できる人?」
と問いかけても、毎回同じ子ばかりが手を挙げることがあります。
そんなとき、
「もっと発表しようよ」
「間違えてもいいから話してごらん」
と声を掛けた経験はないでしょうか。
もちろん、そのような励ましも大切です。しかし、発表しない子の多くは、意欲がないわけではありません。その子たちは、
「自分の考えに自信がない」
「言葉にまとめられていない」
「他の子の考えを聞いて整理したい」
と感じていることがあります。
つまり、発表しないのではなく、発表する準備が十分に整っていない可能性もあるのです。
そのため、まずは安心して考えを整理できる場(心理的安全性)を整えることが大切です。
みんなが考えを交流できる場をつくる
発表が一部の子に偏るときは、「全体発表」だけに頼らない交流の場を設けることが効果的です。
ここでは、すぐに実践できる3つの方法を紹介します。
ポイント① 「個人 ⇒ ペア/班 ⇒ 全体」の順で交流する
理科では、いきなり全体発表を求める場面が少なくありません。しかし、自分の考えがまとまっていない状態で全体に話すことは、大人でも難しいこともあるものです。
そこでおすすめなのが、
個人 ⇒ ペア/班 ⇒ 全体
という流れです。
例えば、「水はどのように温まるのだろう」という問いに対して、
まずは一人で予想を書く(個人)
↓
次に隣の友だちと考えを交流する(ペア/班)
↓
その後で全体交流を行う(全体)
この流れにすることで、
「友だちと同じだった」
「そこは違う考えだった」
と、自分の考えを整理してから発表できます。全体発表への心理的なハードルも下がります。
ポイント② タブレットを活用して考えを共有・見える化する
1人1台端末が整備され、考えを共有しやすくなりました。
例えば、
- 写真に書き込みをする
- 予想を提出する
- 友だちの考えを閲覧する
といった活用ができます。
全体発表では発言しにくい子も、端末上であれば自分の考えを表現できることがあります。
また、「どんな考えがあるかな?」と一覧表示することで、多様な考えが比較しやすくなります。
ただし、タブレットは発表の代わりではありません。
共有された考えを基に、思考を見える化し、
「どこが同じだろう」
「なぜ違うのだろう」
と対話につなげることが大切です。
