【小学校理科】子どもが「科学的な問題解決」に進んで取り組む!授業2つのポイント|小6「ものの燃え方と空気」【理科の壺】

観察や実験を通じて「科学的に問題を解く力」を育てたい。そう願いながらも、子どもたちの主体的な学びをどう引き出せばよいか、悩む先生は多いのではないでしょうか。「もっと確かめたい」「本当にこれで合っているのかな」――そんな思いが子どもたちから自然に生まれる授業には、どのような工夫があるでしょうか。鍵となるのは、科学的に問題を解決することの価値を、子ども自身が実感できるようにすること。今回は、子どもの何気ないつぶやきや行動を捉えた「価値づけ」と「振り返り」によって、進んで問題解決に取り組む子どもたちを育む実践を紹介します。優秀な先生たちの、ツボをおさえた指導法や指導アイデア。今回はどのような“ツボ”が見られるでしょうか?
執筆/神戸市公立小学校教諭・柏木大芽
連載監修/國學院大學人間開発学部教授・寺本貴啓
はじめに
子どもたちが「科学的な問題解決」に進んで取り組もうとする学習。
理科で目指したい理想の学習の一つではないでしょうか?
今回は、そんな子どもたちの姿が見られる授業の手立てを紹介していきたいと思います。
そもそも「問題を科学的に解決する」とはどのようなものかを、はじめに確認しておきましょう。
【実証性】
考えられた仮説が観察,実験などによって検討することができるという条件【再現性】
仮説を観察,実験などを通して実証するとき,人や時間や場所を変えて複数回行っても同一の実験条件下では,同一の結果が得られるという条件【客観性】
実証性や再現性という条件を満足することにより,多くの人々によって承認され,公認されるという条件「問題を科学的に解決する」ということは,以上のような条件を検討する手続きを重視しながら解決していくことと考えられる。
小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編 p.16より編集・抜粋
しかし、「再現性を意識して実験しなさい」と指導しても、子どもたちにはピンときませんよね。
なぜ再現性を意識して実験をしないといけないのか。
そもそも再現性とは何か。
再現性にこだわって問題解決する価値を理解できずにいると、自ら「科学的な問題解決」を進める姿とは程遠いものになってしまいます。では、どのような手立てを講じればよいのでしょうか。
今回は、
・子どもたちのつぶやきや行動に対する『価値づけ』
・問題解決ごとに行う『振り返り』の活動
この2つに焦点を当てます。
学年は6年生。では、学習の実際を見てみましょう。
実験場面から
「先生、もう一回実験をしてもいいですか?」
このような声が子どもたちからあがりました。
みなさんならどうしますか?
これは、どの気体が物を燃やす働きがあるかを確かめている実験の最中の出来事です。この後の教師と子どもの対話を見てみましょう。
先生、もう一回実験してもいいですか?
どうしてそう思ったの?
だって、酸素を集めた集気びんの中にろうそくを入れると、激しく燃えたけれど、窒素を集めた集気びんの中にろうそくを入れると、あまりにもすぐに消えたんだ。あまりにもすぐに消えたからおかしいなあと思ったんだよ。もしかしたら、ろうそくを入れるときに風が起こって消えたかもしれないし、もう一回確かめたい。
子どもたちのこの言葉、まさしく再現性に関わる発言ですよね。本当にこの実験結果が合っているのかどうかを確かめるために、もう一度実験したいという子どもたちの姿勢は素敵です。
教師が「どうして」と理由を尋ねることで、子どもたちの「より確かに問題解決をしたい」という思いを受け取ることができました。
この言葉を教師は「何回も実験して確かめようとする姿勢、素敵だね」と価値付けて、学級全体に広めます。そうすることで、繰り返して確かめる再現性の価値が子どもたちに浸透していくことでしょう。

また、問題解決ごとに学習を振り返る場を設定します。
振り返る視点に「問題解決を進めるうえでうまくいったこと」を設定し、次の問題解決に生かせるようにしていきます(資料1)。
そうすることで、次の問題解決では、進んで何回も繰り返し実験する子どもたちの姿が見られるはずです。
その姿を価値づけ、学級全体に返していく。
以上のような手立てを繰り返し講じ、子どもたちと再現性にこだわって実験することの価値を共有し、学びを深めていきます。

