ページの本文です

見えないものを「見えるようにする」理科実験3選|小6「人の体のつくりと働き」「植物の養分と水の通り道」小4「金属・水・空気と温度」【理科の壺】

連載
理科の壺/進め!理科道~理科エキスパートが教える、小学校理科の指導法とヒント~

國學院大學人間開発学部教授

寺本貴啓
【理科の壺】シリーズタイトルバナー

理科の面白さが実感できる「実験」。しかし、楽しい実験も、結果が見えにくかったり、違いがはっきりしなかったりすると、子どもたちの気付きや理解につながりにくいこともあります。では、実験の結果をよりはっきりと捉え、発見や驚きを実感できるようにするには、どのような工夫ができるでしょうか。今回は、観察や実験の結果を見取りやすくする具体的な手立てを、授業の実践例をもとに紹介します。優秀な先生たちの、ツボをおさえた指導法や指導アイデア。今回はどのような“ツボ”が見られるでしょうか?

執筆/大阪市公立小学校教諭・泉 典芳
連載監修/國學院大學人間開発学部教授・寺本貴啓

実験を充実させよう!

理科離れが進んでいるという話を耳にする一方で、理科が好きな子どもたちは非常に多くいるように感じられます。

私が勤める学校では、子どもたちが理科を好きな理由の第一位は、「実験が楽しいから」でした。とくに、「新しいことが知れたり、不思議に思ったことを調べたりできるから好きだ」という答えが多いです。

つまり、実験を充実させることができれば、子どもたちが発見や驚きを実感し、気づきや理解につながると言えるのではないでしょうか。

実験とは、子どもたちが不思議に思ったり、感じたりすることから始まります。
自ら調べたいと感じたときこそチャンスです。

はっきりと結果が出るように働きかけると、
「もっと調べてみたい!」
「○○にしたらどうなるのだろう?」
と、より意欲的に理科に取り組むきっかけにつながります。

このとき、子どもたちが実験の結果をわかりやすく捉えることができるような手立てを考えることが大切です。

そこで今回は、「結果を見やすくする方法」を3つご紹介します。

1.第6学年「人の体のつくりと働き」

「心臓の拍動と脈拍」の観察

脈拍は、子どもたちにとって、手首のどこに指をあてたらよいのかがわかりにくく、捉えづらいものです。

授業者は脈拍がわかった子どもとわかっていない子どもの判断も付きにくく、また、子どもたちにとって脈拍は目に見えず、反応もかすかなものなので結果が捉えにくいという事実があります。机間巡視をして脈拍の場所を伝えても、授業者の指と子どもの指を置き換えるとまたすぐ見失ったりします。

そこで、捉えにくい脈拍を「見やすくする方法」はこちらです。

《付箋をつけて目視で確認》
脈拍を感じるところに細く切った付箋を貼ります。
上から軽く親指をそえると、脈拍にあわせて付箋が動きます。

これにより、たくさんの子どもたちがいて多くの音が響く教室という環境下でも、視覚的に結果を見取りやすくすることができます。また、脈拍を目視で共有できるのもよいと思います。

Firefly

2.第6学年「植物の養分と水の通り道」

「気孔」の観察

葉の薄皮をはぎ取ることは意外と難しいものです。観察するものを授業者が用意するのは簡単ですが、せっかくなら子どもたちに準備から体験させたいと思います。

そこで、気孔を「見やすくする方法」はこちらです。

《速乾性のあるマニキュアを使用する方法》
葉の裏に薄く速乾性のあるマニキュアを塗ります。
30秒~1分ほどたったら、マニキュアの上からセロハンテープを貼ります。
セロハンテープをゆっくりとはがし取り、スライドガラスに貼り付け、顕微鏡で観察します。

※マニキュアが完全に乾いていないとうまく観察できないので注意しましょう。

また、小学生の発達段階の個人差は大きく、学習等に不安を抱えている子どもたちもいます。手立てを考えるときは、「できるだろう」ではなく、「これならできる!」という考え方で進めることが大切です。

結果がはっきりと見取れると、子どもたちも理科をより楽しく学べるはずです。次の学習の意欲も高まることでしょう。

3.第4学年「金属・水・空気と温度」

 「水の温まり方」の観察

温度もまた目に見えず、熱がどのように伝わるのかも捉えにくいものです。

そこで、水の温まり方を「見やすくする方法」はこちらです。

この記事をシェアしよう!

フッターです。