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【小学校低学年・体育】「まずはゲーム!」から始めるルール工夫の授業づくり

連載
実技が苦手な先生こそ! アタマで分かる体育指導
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国立学園小学校教諭

河田侃也


執筆/国立学園小学校教諭・河田侃也

「体育の授業では、まず技能を教えるものだ」と考えていませんか? ボールの正しい投げ方や捕り方を指導してからゲームに移る授業は定番ですが、子どもたちに「やらされ感」が残ってしまうことも少なくありません。 本記事では、小学校低学年の体育(ゲーム領域)において、「まずは、ゲーム!」から始める授業のつくり方を解説します。最初にあえてゲームを経験させることで、子どもたち自身の「もっと楽しみたい」「うまくいかない」という必要感を引き出すことが可能です。 「5歩鬼」や「シッティングころころホッケー」など、明日からすぐに使える具体的な実践アイデアも交えながら、子どもが自らルールを工夫し、主体的に学ぶ体育授業のヒントをお届けします。

体育の授業は「技能より先にゲーム」で子どもが変わる

例えば、ボールを使ったゲームをするとします。教師が、「今日はボールを正確に投げる練習をします。」「相手に向かって、胸の前から投げましょう。」と技能を教えてから、最後にゲームをする。もちろん、このような授業もできます。しかし、子どもたちにとって、「やらされ感」が残ったり、「なぜ、この投げ方を練習するの?」という疑問が残ったりすることもあります。

そこで、あえて最初にゲームをしてみます。すると、「もっと当てたい!」「簡単すぎる!」「思ったところに投げられない。」「近くにいると当てやすい!」「でも、近づいたら相手に捕られる!」という声が生まれてきます。この声から、授業を組み立てていくことで、子供たちの思いを引き出しながら授業を進めることができるのではないでしょうか。

この、「もっと楽しみたい」「ここがうまくいかない」という必要感が生まれます。

つまり、 ゲーム ➡︎ 必要感 ➡︎ 工夫 ➡︎ ゲーム というサイクルです。

小学校低学年のゲーム領域で大切にしたい「3つのポイント」

低学年のゲーム領域で、私が大切にしていることがあります。それは、「規則(ルール)を増やしすぎない」ということです。先生方にとって、「子供たちが分かりやすい規則」とは、どのようなものでしょうか。

小学校学習指導要領(平成29年告示)解説体育編では、低学年のゲームについて、ボールゲームや鬼遊びなどを通して、簡単な規則を工夫したり、攻め方を選んだりすることが示されています。

そこで、低学年のゲームでは、

① 規則は「3つ程度まで」
② 規則は「みんなが楽しめるように工夫する」
③ 常に「スペース(空間)」を意識する

という3つを大切にしています。「規則をたくさん覚えさせること」が、ゲームの学びではありません。むしろ、規則をシンプルにすることで、「もっと面白くするにはどうする?」「どうしたら勝てる?」という、ゲームそのものに目を向けることができます。

特に、ゲーム領域では、「全員が楽しめるような規則に工夫すること」を大切にしています。クラスごとの規則もですが、集まった友達との規則も存在するでしょう。教師から一方的に提示する規則ではなく、個々に応じた規則に工夫していきたいものです。

今日のスポーツでも、ルールの変更が行われています。毎年、盛り上がりを見せる夏の甲子園では、「指名打者制」が採用されました。サッカーでは、5秒ルールや10秒以内にピッチに出ることなど、時間稼ぎをするようなことを制限しています。目の前の子供たちに応じて、子供たちと規則やルールを工夫していくことは、体育授業でも大切な学びだと考えています。

また、スペースを意識させることは、中学年・高学年以降の「作戦」にも生かされていきます。低学年の段階から、スペースという言葉や知識も与えていくことが必要だと思っています。

【参考資料】
小学校学習指導要領(平成29年告示)解説体育編
体育・保健体育、健康、安全WG取りまとめ案


執筆
河田侃也(かわた なおや)

・国立学園小学校教諭
・令和4年度東京教師道場部員
・令和6年度第14期NPO健康・体育活性化センター小学校体育研究員
・令和7年度東京都小学校生活科・総合的な学習の時間教育研究会研究員

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