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体育のはじめの運動にも、学級レクにも活用できる! 2学期のスタートに最適な身体と心をほぐす運動~実技が苦手な先生こそ! アタマでわかる体育指導~

連載
実技が苦手な先生こそ! アタマで分かる体育指導
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国立学園小学校教諭

河田侃也


執筆/国立学園小学校教諭・河田侃也

夏休みの間、普段とは違う生活を送っていた子どもたち。たくさん遊んで体を動かしていた子もいれば、室内で過ごす時間が多かった子もいるでしょう。また、久しぶりに友だちや先生と顔を合わせることで、心も少しずつ学校生活に戻っていく時期です。

そこで、2学期最初の体育では、いきなり本格的な運動に取り組むのではなく、「体を慣らす」「友だちとの関わりを思い出す」「体育って楽しいなと思える」ことを大切にしてみてはいかがでしょうか。

今回は、私が2学期のスタートにおすすめしている「体ほぐしの運動(遊び)」を紹介します。体育はもちろん、学級レクでも活用してください。

手軽に遊んで集団生活の感覚を取り戻そう

長期休み明けの子どもたちは、心身ともに一人一人の状態が大きく異なると言えます。だからこそ、2学期最初の体育では、誰もが参加しやすく、運動経験や体力に左右されにくい「手軽な運動(遊び)」を取り入れることをおすすめします。

・もっと休みたかった。
・夏休みが楽しかった。
・久しぶりに友達と会う。
・学校生活のリズムにまだ戻っていない。
・旅行などで長時間移動していた。
・あまり体を動かしていない。
・暑さや夏休みの疲れが残っている。
・合宿などで、普段より体を動かしている。

①いつでも、どこでも、誰とでも
②できなくても楽しい、できるまでが楽しい、できて楽しい

「上手にできること」だけを体育の楽しさにするのではなく、友だちと一緒に動いたり、試したり、笑ったりすることそのものを楽しめるようにしたいと考えています。

段階的に子どもたちの関わり方を戻していこう

①じゃんけんで体を動かそう

長期休暇を経ると、友だちや仲間との身体的接触に気まずさを感じる子も出てくると思います。初めは身体接触がなく、1対1のコミュニケーションで成立するような運動遊びから、徐々に身体接触が増えていくようにするといいでしょう。

  1. じゃんけんをして、勝ったら相手を回って戻る。
  2. じゃんけんをして、勝ったら相手の真似をする。
  3. じゃんけんをして、勝ったら思いっきり喜ぶ。(負けたら思いっきり悔しがる。あいこの場合は、ハイタッチ)

発展形として、じゃんけんをしてあいこになったら、2人の間にある赤白帽子やコーンを取るなどのルールを加えるのも楽しいです。

じゃんけんで体を動かそう

②「猛獣狩り」からの「なべなべそこぬけ」

次に、コミュニケーションの幅を広げ、身体的な接触もあるような遊びをやってみます。
子どもたちにとっては、未就学の頃からおなじみの遊びである「猛獣狩り」と「鍋鍋底抜け」をミックスした遊びです。

まずは「猛獣狩り」で小グループを作ろう

まず、「猛獣狩り」をやって、子どもたちを小グループに分けます。

猛獣狩りのルール(一部抜粋)
集まる:リーダー(声をかける人)を囲むように集まります。
手拍子で歌う:リーダーの主導で、手拍子をつけて歌います。
       教師「猛獣狩りに行こうよ」(パンパン)
       子ども「猛獣狩りに行こうよ」(パンパン)
       教師「猛獣なんて怖くない」(パンパン)
       子ども「猛獣なんて怖くない」(パンパン)
               ↓(以下続く)
動物を見つける:リーダーが好きな動物の名前を言います。
グループに分かれる:名前の文字数ごとのグループに子どもたちが分かれます。ゴリラなら3人一組。

大変親しまれている遊びなので、具体的な流れを確認したい方は、動画サイトなどで簡単に見つけることができます。動物の名前の文字数を数え、素早く周りの人とグループになるという、傾聴力と協調性が大切な遊びです。

集まったグループで「なべなべそこぬけ」

猛獣狩りでグループができたら、そのグループでなべなべそこぬけをやります。言われた人数が集まらなくてもよいですし、失敗しても構いません。子どもたちがお互いに心理的な距離感を縮めていくことがねらいです。何度かやって成功体験を積ませるのも良いですね。

なべなべそこぬけのルール
グループを作る:2人以上のグループで集まったら、隣り合う人と手をつなぎ合って、輪を作ります。
歌に合わせて揺れる:「♪なべなべそこぬけ…」と歌いながら、つないだ手を上下左右に揺らします。
体を反転させる:「…かえりましょ」の歌声に合わせて、手をつないだままくぐり抜けるようにして、身体の向きを反転させます。
背中合わせで成功:うまく裏返り、みんなが外側を向いて背中合わせの姿勢になれたら成功です。

③ヒューマン・タワー

ここまで来ると、子どもたちの心と体はかなりほぐれてきたのではないかと思います。ここで、身体接触が多く、お互いの信頼感が肝になるような運動遊びを取り入れていきます。ヒューマン・タワーとは、「友だちと協力して立ち上がる運動遊び」です。

  1. まず初めに、2人組を作り、背中と背中を合わせて座ります。そして、お互いに腕を組んで、同時に立ち上がります。腕さえ組んでいれば良いので、お互いに前かがみになって立ち上がりやすい姿勢になってもよいです。
  2. 次に、腕を組まずに立ち上がれるかをやってみます。相手に自分の背中を預け、お互いに同じくらいの力を掛け合わなければ、立ち上がることができません。相手を信頼することが立ち上がるためには必要なのだ、ということが体感できると思います。
  3. 次は、人数を増やしてみます。「せーの」と声を掛け合ったりして、立ち上がるタイミングや力のかけ具合をそろえないと、うまくいきません。このようなポイントをクラス全体で押さえながら行うことで、さらに協調性の大切さを体感できると思います。
  4. 次は、お互いに向き合い、足と足をくっつけて手をつなぎ、∀(Vの字)の形になるようにお互いに引っ張り合ってバランスをとります。お互いを信頼して体重を外側にかければ、まるでコマのように回転するなど、複雑な動きができるようになります。
  5. 2人組でバランスがとれるようになると、子どもたちから「人数を増やしたい!」という声が聞こえてくるかもしれません。もちろんチャレンジしましょう。2人以上になる場合、単に隣の子と手をつないだだけでは体重を外側にかけられませんから、かなり難易度が上がります。正面の子と手をつないだり、肩を組んだりと、子どもたちは試行錯誤をするでしょう。うまくいったグループがあると、自然と目を向け、真似をして学ぶ子もいるでしょう。成功することをめざすというより、こうした試行錯誤や、話し合うことの意義深さ、大切さを感じてもらうようにしましょう。
ヒューマン・タワー


執筆
河田侃也(かわた なおや)

・国立学園小学校教諭
・令和4年度東京教師道場部員
・令和6年度第14期NPO健康・体育活性化センター小学校体育研究員
・令和7年度東京都小学校生活科・総合的な学習の時間教育研究会研究員

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