体育がもっと楽しくなる!体育授業の準備の仕方と夏休みにやっておきたい5つのこと~実技が苦手な先生こそ! アタマで分かる体育指導~

執筆/国立学園小学校教諭・河田侃也
2学期は期間が長い上、学校行事も多く行われる時期です。夏休みに少し準備をしておくだけで、2学期からの授業への不安が減り、子供と向き合う時間を増やすことができます。しかし、「何を準備すればよいのか分からない」と感じている先生も少なくないのではないでしょうか。体育は教科書がない教科だからこそ、「授業の考え方」を整理しておくことが大切です。
目次
体育授業の準備の仕方
まず、体育授業の準備についてです。皆さんは、どのようにして体育授業を準備しますか? 私は、以下のように準備を進めています。
- 年間指導計画・確保できる授業時数の確認
- 簡単な単元指導計画・評価計画の想定・作成
- 第1時の準備(単元との出会い)
例えば、第1学年の「鬼遊び」であれば、5月に全6時間確保できるとします。学習指導要領解説やスポーツ庁の資料を参考に、「単元前半は規則を守ることを大切にしよう。」「単元後半は、捕まえるため・逃げるための作戦を考えられるようにしたい。」と、まずは単元全体の流れを考えます。流れを想定しておくと、「鬼がいない場所を選んで逃げる子が増えてきたな。」という子供の姿から、「では、作戦を選択することにつなげよう。」というように、実際の授業で子供の姿を生かした展開ができます。その後、「そのためには、どんな鬼遊びを用意すればよいだろう。」と、身に付けさせたい姿から逆算して教材や規則を考えていきます。
このように、教材から考えるのではなく、『どんな子供を育てたいか』から授業を組み立てることが、体育授業づくりの第一歩です。
そして、今回は私が夏休みに実践している5つの準備を紹介します。
① 年間指導計画・単元指導計画を見直す
体育には教科書がありません。そのため、「今、子供たちに何を身に付けさせたいのか」が曖昧になると、授業の方向性もぶれてしまいます。
1学期を振り返ると、予定通りに授業が進まなかった学年や単元もあったのではないでしょうか。私自身も、「もう少し攻め方を学ばせたかった」「体育館が急遽使えず、時数が確保できなかった」など、計画を見直したい場面がありました。
だからこそ、夏休みは年間指導計画や単元指導計画を見直す絶好の機会です。
「2学期で何を育てるのか」
「どの時間で、どの内容を扱うのか」
を整理しておくことで、授業中に迷う時間が減り、子供の姿を見取る余裕が生まれます。
② 学校の用具の確認
体育倉庫には、どのような用具があり、どのくらいの数があるのかを確認しておきましょう。
例えば、ボールが40個あれば1人1個のマイボールで活動できます。マットが10枚あれば、「易しい場」と「発展的な場」を複数準備することもできます。
用具の数を把握することは、教材を考えることにつながります。
また、①で確認した年間指導計画と照らし合わせ、他学年との使用時期が重ならないかも確認しておくと安心です。
③ 学習指導要領解説やスポーツ庁の資料を活用して教材研究をする
体育の教材研究に苦労する理由は、とてもシンプルです。やはり、教科書がないからです。「ゲームでは何を教えればいいのだろう。」「器械運動では、どこまでできればよいのだろう。」そんな疑問を解決してくれるのが、
・小学校体育(運動領域)指導の手引 ~楽しく身に付く体育の授業~(スポーツ庁)
・学習指導要領解説(平成29年告示)体育編
です。
スポーツ庁の資料には、単元指導計画や評価規準の例が示されており、そのまま活用することも、学校の実態に応じてアレンジすることもできます。
一方、学習指導要領解説には、「どのような資質・能力を育てるのか」が丁寧に示されています。全て読む必要はありません。夏休みには、2学期に指導する単元だけでも目を通してみてください。「この単元では、こんなことを大切にすればよいのか。」そんな気付きが、授業づくりを支えてくれます。教材研究は、授業を上手に進めるためだけではありません。子供たちの「わかった!」「楽しい!」「できた!」を増やすために行うものです。
④ ICTを活用した教材を準備する
体育は、「見ること」が大切な教科です。だからこそ、ICT教材は授業を支える強い味方になります。例えば私は、器械運動で技の系統表をGoogleスプレッドシートで作成しています(下にダウンロードリンクもあります)。

(前回までの記事はこちら)
・水泳の指導で、最優先なのは「もぐる」こと??~水泳運動の考え方①~
・水泳学習を始める前に確認したい「水遊びや水泳運動の心得」とは?
・水泳学習を始める前に確認したい、水の事故が起こる最大の原因とは?
~実技が苦手な先生こそ! アタマで分かる体育指導④~

執筆
河田侃也(かわた なおや)
・国立学園小学校教諭
・令和4年度東京教師道場部員
・令和6年度第14期NPO健康・体育活性化センター小学校体育研究員
・令和7年度東京都小学校生活科・総合的な学習の時間教育研究会研究員
