ページの本文です

小4国語科「くらしの中の和と洋」全時間の板書&指導アイデア

特集
文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
関連タグ

文部科学省

大塚健太郎

文部科学省教科調査官の監修のもと、小4国語科「くらしの中の和と洋」(東京書籍)の全時間の板書例、発問例、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小四 国語科 教材名:くらしの中の和と洋(東京書籍・新しい国語 四下)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/東京都西東京市立けやき小学校校長・前田 元
執筆/東京都板橋区立北野小学校・髙桑美幸

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元の学習材「くらしの中の和と洋」では、筆者が「住(和室と洋室)」を例に挙げながら説明する文章を通して、段落相互の関係に着目し、考えとそれを支える理由や事例との関係を正しく捉える力を育てます。 
その際、比較や分類の仕方を理解し、目的に合わせて中心となる語や文を見つけて要約する力を養うのに適した学習材です。さらに、単に要約することを目的とするのではなく、本文の内容を紹介したり、次単元「和と洋新聞」を作ろうの記事に活用したりする観点から、文章を短く整理する(=要約する)ことの必要感をもつことができるような言語活動の充実を図ります。 

また、単に情報を短くまとめるだけでなく、和室と洋室それぞれのよさや、日本人が両方のよさを取り入れて暮らしている文化的な工夫について捉えることもねらいます。文章中で使われている対比の接続語や比較を表す表現、言葉の役割についても、語彙の拡充の観点から丁寧に扱いたいところです。  

これらを踏まえ、中心となる語や文を選んで要約することに加え、自分の生活と結び付けて和室・洋室の魅力を整理する活動を設定することで、説明文の構成や要約の仕方を学ぶとともに、次単元の表現活動へスムーズにつなげることのできる授業展開が望まれます。 

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

本単元では、説明文「くらしの中の和と洋」を読むことを通して、和室と洋室それぞれのよさや工夫を捉え、目的に合わせて中心となる語や文を見つけてまとめた「しょうかい文(要約シート)」をつくる言語活動を位置付けます。
このしょうかい文(要約シート)は、本文の魅力を短くまとめて読んでもらうためのものであり、その経験は次単元で行う「新聞づくり」における取材データや記事の骨組みとして生かすことができるものです。

本学習材である「くらしの中の和と洋」は、日本の「衣食住」における「和」と「洋」の入り交じりに触れた後、「住(和室と洋室)」に焦点を当て、床の仕上げ方や家具の違いが、部屋でのすごし方や使い方の差を生み出していることを説明する文章です。

文章の構成は、始め(問いかけ・話題提示)、中(「すごし方」と「使い方」の対比)、終わり(まとめ・他の事例への広がり)という明確な段落構成になっており、4年生の児童が文章のまとまりや段落相互の関係(対比や事例)を捉えるのに適しているといえます。
また、「まず」「次に」「このように見てくると」といった接続する言葉や、「一方」「それに対して」「これに対して」などの対比を表す表現が効果的に使われており、文章の構造を整理しやすい点も大きな特徴です。

これらを踏まえ、言語活動として「しょうかい文(要約シート)」づくりにつなげるための読み方として、大きく二つのポイントがあります。

1点目は、段落ごとに「中心となる語や文」を見つけることです。
児童はこれまでにも、段落のまとまりごとに何が書かれているかを捉える学習をしています。本文の「すごし方(姿勢の自由度、疲れにくさなど)」や「使い方(多目的性、目的の明確さなど)」についての具体的な記述から、欠かすことのできないキーワードを削ったり言い換えたりしながら整理する力を育てます。

もう1点は、目的に合わせて情報を要約し、自分の考えと結び付けることです。
「本文を読んでいない人に短く魅力を伝えるにはどう整理すればよいか」という目的意識や必要感をもつことで、単なる機械的な文章の抜き出しにとどまらず、どの情報を提示すれば効果的かをじっくりと吟味できるようになります。
さらに、自分が日常の暮らしの中で実感していること(「確かにうちでも畳でごろ寝するな」「学習机のいすは長く座っても疲れないな」など)を書き加えることで、要約した情報に自分の実感が伴った説得力のある「しょうかい文(要約シート)」をつくり上げることができます。

この活動は本単元にとどまらず、社会科や理科などの他教科で本や資料を使って調べたことをまとめたり、学んだ内容を相手に合わせて分かりやすく伝えたりする、豊かな言語生活を送るきっかけとなります。自分の手で情報を短く整理し、伝える手応えを感じることで、説明文を読む楽しさや情報を再構成する意欲をより一層高めていく姿を期待します。

4. 指導のアイデア

本単元は、学習材である「くらしの中の和と洋」を正確に読み解くことを通して、段落同士のつながり(和と洋の比較や具体的な例)に着目し、中心となる言葉や文を見つけて目的に応じて要約する力を育むことをねらいとしています。
要約は単なる文の抜き出しではなく、文章の成り立ちを正しく理解した上で行われる活動であるため、児童が確実に読みを深められるよう、指導の手だてを工夫します。

まずは、本文で和室と洋室がどのように比べられているかを正確に捉えるために、学習シートで情報を整理する工夫を取り入れます。「すごし方」と「使い方」という二つの観点から、和室と洋室それぞれの特徴を学習シートに整理させていきます。
「一方」「それに対して」「これに対して」といった言葉に着目させながら表を埋めることで、筆者がどのような観点で和と洋のよさを並べて説明しているのか、文章の骨組みを正確に読み取る力を養います。

次に、要約する際の核心となる「具体的な例」と「まとめの言葉」の読み分けについての指導を丁寧に行います。
児童は中心となる言葉を抽出する際、段落に含まれる具体的な事例に目を奪われがちです。そのため、例えば、和室のすごし方における「正ざ」「あぐら」「ねころぶ」という具体的な行いに対して、それらをまとめている「いろいろなしせいをとることができる」という全体を包み込む文や重要語句に着目させます。
このように、「筆者の挙げている例(具体的な言葉)」と「筆者の言いたい考え(まとめの言葉)」を区別して読み取り、要約にはまとめの言葉を優先して取り出す具体的なコツを身に付けられるよう指導するとよいでしょう。

さらに、正確に読んだ上で要約した内容を「しょうかい文(要約シート)」としてまとめるために、「自分事」としても捉える観点を大切にします。「筆者の説明に納得したところはどこか」「自分の生活ではどうだろうか」など、児童自身の生活体験と結び付けた感想や気付きを「一言メモ」として書き加える時間を設定します。
読み取った客観的な事実(要約)に主観的な実感(感想)を添える過程を踏むことで、紹介文として本文を読んでもらうために短く要約する必要性を実感しながら整理することができ、次単元の「新聞づくり」にも生かすことのできる学びを実現することができます。

5. 単元の展開(8時間扱い)

 単元名:くらべて、えらんで、まとめよう!~「自分だけのオリジナルしょうかい文」を書こう~

【主な学習活動】
・第一次
1時
①「衣・食・住」の話題から、身の回りの「和」と「洋」について話し合う。 
② 段落カードを並べ替える活動を通して通読し、初発の感想を共有する。 
③ 目的に合わせて要約する学習課題を確かめ、単元の計画を立てる。

・第二次
2時
④ 文章の組み立て(始め・中・終わり)と各段落の役割を確かめる。 
3時
⑤「中」(前半)を読み、「すごし方」の観点から和室と洋室の特徴を対比して整理する。
4時
⑥「中」(後半)を読み、「使い方」の観点から和室と洋室の特徴を対比して整理する。
5時 
⑦ 具体的な例とまとめの言葉を区別し、各段落の要点を短くまとめる。 
6時
⑧ 要約した内容に自分の生活体験の感想を添え、「しょうかい文(要約シート)」を完成させる。 

・第三次
7時

⑨ 完成した「しょうかい文(要約シート)」を読み合い、工夫や考えのよさを伝え合う。
8時
⑩ 学習を振り返って身に付いた力を確かめ、次単元の「新聞づくり」への見通しをもつ。

6. 全時間の板書例・ワークシート例・端末活用例と指導アイデア

【1時間目の板書例 】

1時間目の板書例
「主体的な学び」のために

イラスト/横井智美

令和6年度からの国語科新教材を使った授業アイデア、続々公開中です!

この記事をシェアしよう!

フッターです。