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観光地の風景から考える科学―美しい景観から自然の営みを考える―|自然編⑦【地域と生活の科学~見つけよう!探究学習の種】

連載
地域と生活の科学~見つけよう!身の回りの探究学習の種~

四天王寺大学教育学部准教授

仲野 純章
地域と生活の科学~見つけよう!探究学習の種 バナー
イラスト/坂齊諒一

旅行先で目にする美しい風景。白い砂浜や青い海、特徴的な岩など、私たちはそうした景色を「きれいだな」「すごいな」と感じながら眺めます。でも、少し見方を変えてみると、「どうなっているのだろう」「なぜこのような景観が生まれたのだろう」と、さまざまな疑問が浮かんできます。そんなふうに風景を見てみると、観光地もまた、自然について考える学びの場になります。今回は、和歌山県白浜町の風景を一つの題材として、観光地を科学的に見ることについて考えてみたいと思います。

執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章

写真AC

砂浜の砂は、どこから来るのか

白良浜は、白浜を代表する景観の一つです(図1)。約620mにわたって広がる白い砂浜は、多くの観光客を引きつける魅力の一つとなっています(※)。

一般に、砂浜の砂は、もともと存在していた岩石や鉱物などが細かくなり、河川や波などによって運ばれてきたものです。岩石が細かくなる過程には、雨や風、温度変化などによる風化や、波による摩耗など、さまざまな自然の働きが関わっています。つまり、一見すると変化のない砂浜も、実は長い時間をかけた地球の営みの結果として存在しているのです。

※白良浜では、かつて砂浜を保つための養浜が行われ、オーストラリアから砂が運ばれたこともあったようです。

図1

ビーチの風景
白浜のアップ

砂一粒から、自然の営みを考える

普段、砂浜を歩いているとき、砂を一粒ずつ観察することはほとんどありません。しかし、砂を少し採取してルーペや実体顕微鏡で観察すると、肉眼では気づかなかった世界が広がっています。砂粒をよく見ると、粒の大きさや形などにさまざまな違いがあります。丸みを帯びたものもあれば、角ばったものもあります。

こうした砂粒の違いは、その砂がどのような物質からできているのか、また、どのような過程を経て現在の場所にたどり着いたのかを考える手がかりになります。たとえば、砂粒は運ばれる過程で互いにぶつかったり、こすれたりすることで角が削られ、丸みを帯びることがあります。一方、岩石が比較的短い距離で砕かれてできた砂では、角ばった形が残っていることもあります。

このように、砂は単なる小さな粒ではなく、自然の変化を考える手がかりとなる「小さな資料」と見ることができます。

なお、白浜の砂も、実際に観察してみると、透明感のある粒、白っぽい粒、オレンジ色っぽい粒など、さまざまな違いがあります(図2)。一見すると同じように見える白い砂浜も、一粒一粒に目を向けると、さまざまな砂粒が混ざり合ってできていることが分かります。

図2

プレパラートに載せた白浜の砂粒
顕微鏡で見た白浜の砂

砂を比べると、地域の違いが見えてくる

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