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主体的に周辺へ目を向ける―人工物と自然物―|総論③【地域と生活の科学~見つけよう!探究学習の種】

連載
地域と生活の科学~見つけよう!身の回りの探究学習の種~

四天王寺大学教育学部准教授

仲野 純章
地域と生活の科学~見つけよう!探究学習の種 バナー
イラスト/坂齊諒一

校庭の隅に立つ大きな木、遠くに見える山並み、整えられた花壇や遊具。私たちは日々、さまざまな風景の中で子供たちと過ごしています。しかし、その風景を「自然」と「人工」という視点で改めて見直してみる機会は、意外に多くないのではないでしょうか。今回は、地域や生活の中に混在する人工物と自然物に目を向け、いつもの風景を少し違う角度から捉え直してみます。身の回りにあるものを「人工物」と「自然物」という視点から見ていくと、普段とは違った風景が見えてくるかもしれません。なお、ここでは議論を進めやすくするため、ひとまず「人間が意思をもって作り上げたもの」を人工物、それ以外を自然物とする、という分類基準を置いて考えてみます。

執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章

「自然がいっぱい」という思い込み

郊外の学校や公園、お寺や神社を訪れると、「自然が豊かだな」と感じることがあります。木々が生い茂り、鳥の声が聞こえ、土の匂いが漂う場所では、私たちはその場をひとまとめに「自然」と捉えがちです(図1)。

図1

公園の様子

しかし、よく見てみるとどうでしょう。舗装された通路、外灯、樹木を支える支柱、ベンチ、フェンス、排水溝、標識……。一見、自然に包まれているように見える空間にも、数多くの人工物が存在しています。反対に、「都市的」だと感じる駅前広場にも、枝葉を伸ばす街路樹や植え込み、空を流れる雲、足元の小さな雑草など、自然物は確かにあります。

私たちが「自然」「人工」と呼んでいるものは、実はくっきりと分かれて存在しているわけではなく、常に混在しているのです。

そもそも「人工」とは何か、「自然」とは何か

ここで改めて問い直したいのは、「人工物とは何か」「自然物とは何か」という点です。

人間が意思をもって作り上げたものを人工物と呼び、そうでないものを自然物と呼ぶことにする、といいましたが、その境界は、突き詰めれば実はそれほど単純ではありません。たとえば、公園の芝生はどうでしょうか。日々成長する植物そのものは自然物ですが、人が種をまき、刈り込み、管理しているという点では、人間の働きが大きく関わっています。川も同様です。流れている水や石には自然のものが含まれていますが、護岸工事などによって、人の手が加えられている場合があります。

このように考えていくと、「自然」「人工」という単純な二分法だけでは捉えきれない存在が数多くあることに気づきます。表面的にどちらかへ当てはめるのではなく、そうした「あいだの存在」にまで目を向けることは、子どもたちが身の回りのものごとをより多面的に、そして柔軟に捉えていくうえで大切な視点となります。

環境中における人工物と自然物の調査

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