身近な植物を見てみよう―くらべて気づく多様性―|自然編⑤【地域と生活の科学~見つけよう!探究学習の種~#14】

私たちの身の回りには、さまざまな植物が生えています(図1)。道ばたや公園、校庭など、ふだん何気なく目にしている草花も、その一つ一つに違いがあります。しかし、「なんとなく緑がある」と感じていても、どのような植物がどれくらい見られるのかを意識する機会は、あまり多くないかもしれません。近年は、インターネットやアプリを使って、その場で植物の名前を調べることもできるようになってきました。しかし、どの部分を見て違いを捉えるかという「観察の視点」がなければ、正しく調べることは難しいのも事実です。このことは、小学校理科においても同様であり、まずは身近な自然をよく見て、違いや共通点に気づくことが大切です。
執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章

目次
身近な植物を観察し、「見分ける」
通学路や校庭、公園などで見かける植物をじっくり観察してみましょう。
植物を見るときには、
- 葉の形はどうなっているか
- 葉はどのようについているか
- 花の色や形はどうか
- 茎の太さや伸び方はどうか
といった特徴に注目します。
このような視点で観察していくと、同じように見えていた植物にも、それぞれ違いがあることに気づきます。葉の形やつき方、大きさなどに注目することで、「似ているけれど違う」植物を見分けることができるようになります。
その上で、図鑑やインターネットで名前を調べていくと、観察と調べる活動が結びつき、理解が深まっていきます(図2)。

植物の調べ方にもいろいろある
植物の「生え方」を調べる方法には、さまざまなものがあります。ここでは、その中でも代表的な二つの方法を紹介します。
一つ目は、「ライントランセクト法」です。これは地面に一本の線を設定し、その線に沿って植物の種類や分布の変化を記録する方法です(図3)。
例えば、日なたから日かげへ向かってひもを張り、その途中でどのような植物が見られるかを調べることで、環境の変化と植物の分布との関係を捉えることができます。小学校でも、校庭にひもを張り、その線に沿ってどのような植物が見られるかを記録していくことで、場所が変わるにつれて、見られる植物の種類や多さがどのように変化するかを調べることができます。

二つ目は、「コドラート法(方形区法)」です。これは一定の広さの区画を決め、その中にどのような植物が生えているかを調べる方法です。
例えば、1m四方程度の枠を地面の上に置き、その中に見られる植物の種類や数を記録します。調査する面積が同じなので、場所どうしを比較しやすいという特徴があります。
ライントランセクト法 変化の連続を追う
・日なた→日かげ
・水辺→乾燥地
・海岸→内陸
のような環境勾配(環境の変化)に沿って、植物がどのように入れ替わるかを見るのが得意。
コドラート法 ある場所を切り取って調べる
・何種類見られるか
・それぞれの植物がどれくらい見られるか
・どの植物が多いか
を場所ごとに調べるのが得意。
