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実技が苦手な先生こそ! アタマで分かる体育指導~水泳の指導で、最優先なのは「もぐる」こと??~水泳運動の考え方①~

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執筆/国立学園小学校教諭・河田侃也

体育の指導を苦手だと感じている方や、ご自身で運動するのが好きではない方もたくさんいらっしゃると思います。しかし、そういう人ほど、体育の指導に向いていると言えます。なぜなら、運動が好きな人は少なからず「自分の動きを見て覚えてね」といったように、言語化より実技の感覚的な指導を行ってしまいがちだからです。子どもたちの中にも、運動が好きではない子や苦手な子もいます。そういった子どもたち全員に、体育の意義を伝えるには、しっかり言語化して理解してもらうことが必要です。本連載では、そのような「アタマで分かる体育」を目指していきたいと思います。
さて、季節はいよいよ夏めいてきて、各校では水泳運動学習の計画・準備が本格化する時期となりました。水泳は、他の単元に比べて「命に関わる安全確保」が大切です。そのためには、子どもが正しく水と付き合えるようにしてあげる必要があり、中でも「浮力」の理解がとても重要です。今回は指導の核となる「潜る・浮くの正しい理解と順序」について、物理的根拠を交えながら深掘りしていきます。

「水は怖くない」を子どもに伝えよう

水泳指導で、まず、最初に捉えておきたいこと。それは、「水は怖くない」ということです。
泳ぐのが苦手な人は、水に入ると「沈んでおぼれる」という本能的な恐怖感を抱き、それがパニックを助長してトラブルに見舞われることがあります。
しかし本来、人間の体は簡単に水に浮くようにできています。この原則をしっかり理解しておくと、水に対する恐怖感を解消し、またいざというときにも落ち着いて対処できるようになります。

人の身体が水に浮くかどうかは、「人体の密度」と「水の密度」との関係で説明できます。理科でおなじみの「比重」ですね。
比重の基準となる水(真水)は、1立方センチメートルあたり1グラム(比重1.0)です。
これに対して、人体の比重はおおよそ1.04です。
比重が1より重いので、なんだ沈むじゃないか、と思われた方、ご安心ください。
実はこの数値、肺の中に空気が入ってない状態です。
同じ体積で比べたとき、空気は水の830分の1の重さしかありません。人は必ず呼吸しますから、息を吸った状態だと、肺が浮き輪になって比重が大きく変わり、人体の比重は0.98となります。
この0.98という数値の意味は、息を吸った状態であれば、身体の2%が水面の上に出る、ということです。顔を水面の上に出すように意識して仰向けの姿勢をとり、手足は水面から出さないようにして全身の力を抜けば、必ず呼吸が確保できます。
(ちなみに海水は一般的に1.025の比重ですから、海で人体はさらに浮きやすいです)

水泳が苦手な子の多くは「沈む恐怖」から体に力が入り、肺の空気を吐き出しすぎてしまったり、頭や手足をばたつかせることで重心を崩して沈んでしまったりします。
しかし、指導者がこの原理を理解していれば、子供に対し「力む必要はないこと」「肺という浮き輪を活用すること」を理論的に、かつ優しく説くことができます。

水泳の実践は、まずは「もぐる」ことから

低学年の単元にもなっている「もぐる・浮く運動遊び」には、明確な順序性があります。水泳が苦手な子、水に苦手感を持っている子にも有効な手段ですので、ぜひ実践してみてください。
私は、現場の先生方に「もぐることができて初めて、正しく浮くことができる」という原則を強調したいと考えます。

なぜ「もぐる」が先なのか

河田侃也教諭


執筆
河田侃也(かわた なおや)

・国立学園小学校教諭
・令和4年度東京教師道場部員
・令和6年度第14期NPO健康・体育活性化センター小学校体育研究員
・令和7年度東京都小学校生活科・総合的な学習の時間教育研究会研究員

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