体育授業がスムーズに始まる!「はじめの運動」の考え方【絶対うまくいく! 体育の超マネジメント】

体育の授業を始めるとき、実際に運動を始めるまでに意外と時間がかかっていませんか? これは、子供たちが運動場や体育館に集まり、あいさつをして、説明を聞いて、体操をして……というふうに、実際に運動を始めるまでの手順が多いからだと言えます。
また、体育が苦手な先生の中には、「まずはけがをさせてはいけないから、いつもの準備体操をしっかりやっておこう」と、安心を求めて同じ流れを繰り返してしまう方もおられるのではないかと思います。
しかし、全員がそろうまでじっと待たせたり、形だけの体操を続けたりしていると、子どもたちの心と体はなかなか「体育モード」に切り替わりません。
今回は、体育が苦手な先生でも無理なく取り組めて、子どもたちもスムーズに動き出せる「はじめの運動」の工夫を紹介します。ポイントは、難しく考えず、授業時間を「先生が楽になる仕組み」に変えていくことです。
執筆/環太平洋大学次世代教育学部講師・中安翼
目次
はじめの運動は「体操」でなくてもよい
準備体操が悪いわけではありませんが、毎回同じ体操だと、子どもも先生も形だけになりがちです。大切なのは、体を温めること以上に「今日の体育に入る準備」をすることです。
例えば、以下の表のようなことです。
| 領域・状況 | はじめの運動の具体例 | 指導のポイント・留意点 |
| ボール運動 | キャッチボール、ドリブル、シュート、パス回し | 細かく指示しすぎず、自分が伸ばしたい動きや試したい動きに取り組めるようにする |
| 器械運動・水泳運動 | 教師と一緒に行う丁寧な準備体操 | 手首、足首、首、肩など、なぜその部位を動かすのか理由を伝えて意識させる |
| 冬場の授業 | 鬼遊び、長縄の八の字跳び、音楽に合わせたダンス | 座って長い説明をするよりも、まず全身を動かして体を温める |
はじめの運動は、単元、運動の特性、季節、子供の実態に合わせて、そのときに必要な運動を考えていくことが大切です。

器械運動や水泳運動では、手首、足首、首、肩など、安全に関わる部位を意識して動かすことが大切です。その場合も「なんとなく体操をする」のではなく、「今日は手で体を支える動きが多いから、手首をしっかり動かそう」など、なぜその部位を動かすのかを伝えながら行うとよいでしょう。必要に応じて音楽をかけたり、リズムよく行ったりするなど、楽しく確実に取り組める工夫も有効です。
また、季節によっても変える必要があります。特に冬場は、寒い中で座ってストレッチをしても、なかなか体は温まりません。冬場はまず体全体を動かすことを優先した方がよい場合が多いです。
例えば、鬼遊び、長縄の八の字跳び、音楽に合わせたダンスなど、体を大きく動かしながら楽しく取り組めるものは有効です。
はじめの運動の鉄則は「安全・簡単・短時間」
体育の始動に苦手意識があるなら、あれこれ詰め込まず、次の3つの鉄則を守るだけで授業はぐっと安定します。
- 安全: 全体が見渡せる場所で、複雑なルールを必要としない運動を選ぶ。
- 簡単: 子どもが一度で理解できるシンプルな動きにする。
- 短時間: 5分程度で切り上げ、すぐにメインの運動に入る。
ただし、これは教師が先に活動場所に来て、子供たちの様子を見守れる状態にしておくこと=安全管理できていることが前提です。教師がいない状態で、子供だけに始めさせるという意味ではありません。
