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【小学校理科】その観察カード、どこを見る? 子供の学びを価値付け、次の観察につなげる教師コメントのコツ【理科の壺】

連載
理科の壺/進め!理科道~理科エキスパートが教える、小学校理科の指導法とヒント~

國學院大學人間開発学部教授

寺本貴啓
【理科の壺】シリーズタイトルバナー

「絵が上手に描けていますね」「たくさん書けましたね」「よく観察できましたね」――子供たちの観察カードにコメントを書くとき、ついこのように書いてしまうことはありませんか。丁寧に描いたことや一生懸命記録したことを認めるのも大切です。しかし、理科の観察カードを見るときに大切なのは、絵の上手さや文章の量ではありません。観察カードには、その子が「何を見たのか」だけでなく、「どのように調べたのか」「何に気付いたのか」「何と比べて考えたのか」など、その子の学びが表れています。では、観察カードのどこを見て、どのようなコメントを返せばよいのでしょうか。今回は、学習評価の考え方を踏まえながら、観察カードを見るときのポイントを紹介します。優秀な先生たちの、ツボをおさえた指導法や指導アイデア。今回はどのような“ツボ”が見られるでしょうか?

執筆/東京学芸大学附属小金井小学校・河瀬正和
連載監修/國學院大學人間開発学部教授・寺本貴啓

観察カードそのものを評価するのではない

まず大切にしたいのは、観察カードそのものを「上手・下手」で評価しないことです。

例えば、植物の観察カードに、葉の形をとてもきれいに描いている子がいたとします。絵としてはすばらしくても、その時間のねらいが「前回の観察と比べ、植物の成長による変化を捉えること」であったなら、教師が見取りたいのは絵の上手さではありません。

「前回より葉が3枚増えた」
「茎が前より太くなった」
「前にはなかったつぼみができた」

といった記録に、その時間に育てたい資質・能力が表れているかもしれません。

つまり、観察カードを見るときには、

「この時間は、何を見取る時間なのか」

を教師自身が明確にしておくことが大切です。

観察カードは、それ自体を評価するものではなく、子供の学習状況を見取るための大切な資料の一つなのです。

観察カードには、いろいろな「学び」が表れる

では、実際の観察カードから何を見取ればよいのでしょうか。

理科の評価は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点から行います。

一枚の観察カードに、そのすべてを求める必要はありません。その時間のねらいや評価規準に応じて、見るところを変えていきます。

ポイント① 観察した事実を適切に記録しているか

観察では、見たことや測定したことを適切に記録することが大切です。

例えば、

「葉が大きくなった」

だけでなく、

「葉が4枚から7枚になった」
「草丈が12cmから18cmになった」

など、数や大きさなどの量を記録している子がいるかもしれません。
また、色や形、位置関係などを図や言葉でわかりやすく記録している場合もあります。

観察カードの視点

このような姿が、その時間の「知識・技能」に関する評価規準と結び付いているのであれば、

「葉の数を数えたから、変化がわかりやすいね」
「形だけでなく、大きさも記録しているね」

などと具体的に返します。

「たくさん書いたからよい」のではなく、観察した事実を目的に応じて記録できているかを見ることがポイントです。

ポイント② 何と比べて気付いたのかを見る

理科では、比較することで新しい気付きが生まれます。

例えば、

「前回より葉が大きくなった」
「こっちの葉の方が色が濃い」
「日なたの植物の方が背が高い」

といった記録です。

ここには、単に対象を見ただけではなく、以前の様子や別の対象と関係付けながら考えている姿が表れています。

そんなときは、

「前の観察と比べたから、変化に気付けたね」

と返してみましょう。

「よく気付いたね」だけでなく、どのように見たから気付けたのかを具体的に価値付けることが、次の観察につながります。

ポイント③ 事実からどのように考えているかを見る

観察カードには、観察した事実だけでなく、その事実を基にした子供の考えが書かれることもあります。

例えば、

「前より葉が増えている。これからもっと増えると思う」
「日なたの方がよく育っているから、日光と関係があるのかもしれない」

という記述です。

このような記録からは、子供が観察した事実を基に予想したり、関係付けたりして考えている様子が見えてきます。

そんなときには、

「観察したことから、次の変化を考えているね」
「2つの様子を比べて、理由まで考えたんだね」

などと返します。

観察カードは、「見たことを書く紙」だけではありません。
観察した事実を基に、どのように考えたのかを見る資料にもなるのです。

毎回すべてのカードを「評価」しなくてもよい

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