学校は「お願いします」で回っているから…仕事を頼むとき、相手の負担感を減らす3大原則とは
学校では、誰もが仕事を頼む側にも頼まれる側にもなりながら、組織を動かしています。だからこそ、仕事の頼み方には少し気を使い、相手が気持ちよく動けるようにすることが大切ではないでしょうか。
今回はそんな、頼まれる相手の負担感を増やすことなく、気持ちよく仕事を頼めるコツに関して考えていきたいと思います。

【連載】マスターヨーダの喫茶室~楽しい教職サポートルーム~
執筆/元山形県公立学校教頭・山田隆弘(ようだたかひろ)
目次
人は仕事そのものより「見通しのなさ」に負担を感じる
まずは、2つの頼み方を例に挙げてみます。
①「この資料、時間があるときに確認しておいてください」
②「来週の保護者会で使う資料ですので、担当学年のところだけ今週中に確認してください」
みなさんは、①と②どちら頼まれ方の方が好ましいと思いますか? 恐らく多くの方は、②を選ばれたのではないかと思います。
①の頼まれ方をすると、
「これは何の資料だろう」
「いつまでだろう」
「全部確認するのかな」
「今やっている仕事より先にした方がいいのかな」
と考えてしまうのではないでしょうか。
人は、仕事の意味・目的が分からないことと、その仕事の期限が分からないこと…つまり「見通しがないこと」に、大きな負担感を感じてしまうのです。
では、どう頼めば、相手にその「見通し」を渡すことができるのでしょうか。そこには3つの原則があります。
相手が動きやすくなる「お願い」の3原則
原則① 「目的」を伝える ―何のための仕事なのか―
1つ目は、目的を伝えることです。
例えば、
「2学期の行事スケジュール表を準備してください」
と頼まれたとします。もちろん、これでも何をすればよいかは分かります。
しかし、
「保護者会で使うので、2学期の行事スケジュールの準備をお願いします」
と伝えられたら、受け止め方は少し変わります。
「保護者会で使う資料なのか」
と、その仕事の意味が分かるからです。
「来週の校外学習で使います」
「午後のケース会議で確認します」
「子どもたちが安全に活動できるように必要です」
そんな一言が加わるだけで、単なる「作業」が「意味のある仕事」に変わります。
目的を伝えることは、仕事の意味を共有することです。意味が分かれば、相手は自ら考えて動くことができます。
原則② 「期限」を伝える ―「なるべく早く」を使わない―
2つ目は、期限を具体的に伝えることです。
「なるべく早くお願いします」は、よく使われる言葉です。相手への負担感をなるべく感じさせないように…という配慮からの言葉だと思いますが、頼んだ側には期限が見えていても、頼まれた側には見えていない、という不公平な頼み方でもあるのです。
「先にやった方がいいかな」
「あんまり急いでないのかな?」
などと、相手を迷わせることになってしまいますので、
「今日の終業時までにお願いします」
「水曜日の放課後までで大丈夫です」
「金曜日の会議で使うので、木曜日までにお願いします」
と具体的に伝えましょう。期限を明確にすることは、相手が自分の仕事を組み立てるための見通しを渡すことで、それによって相手は、自分の仕事を整理しやすくなります。
原則③ 「余白」を残す ―「相談して決めましょう」を添える―
3つ目は、依頼するときに、変更や調整が可能な余地を残しておくことです。
●不測の自体が生じて対応が難しくなった
●その他の仕事が大変で、頼まれたこと全部をやり遂げられない可能性がある
学校では急なことが起こりやすく、また教員それぞれの仕事量も多いです。
そこで、お願いをする際には、
★少しスケジュールに余裕をもたせておく
★「難しかったら言ってください」
★「全部が難しければ調整しましょう」
などと、難しいときには調整することができるバッファーを持たせるのが良いでしょう。
ここで大切なのは、「できる・できない」の二択にしないことです。
「頼んだのに断られた」
「断ってしまった」
という後味の悪さを残すのは、後の人間関係にとってマイナスの要素となってしまいます。
目的と期限を共有し、必要なら調整しながら、一緒に仕事を前へ進める対話をするよう心がけてください。
