2学期の始業式、子どもの気になる兆候を見逃さないで!【若手先生の航海図】

二学期の始業式は、子どもたちとの新たなスタートの日です。教室には懐かしい顔ぶれが戻ってきますが、元気な笑顔を見せてくれる子どもたちが大半でしょうが、少し元気のない子がいることもあります。その表情の裏に、生活リズムが乱れてしまったことや、友達との関係に不安があること、家庭環境に何らかの問題があったこと等が潜んでいるかも知れません。
実は始業式でいちばん大切なのは、夏休み明けの子どもたちの小さな変化に気付くことです。学校保健安全法の趣旨からも、子どもの心身の変化を把握し、学校全体で情報を共有しながら適切な支援を行うことは、教師の重要な役割の一つなのです。
その上で、表情や服装、あいさつ、友達との関わりなど、普段とは違う様子がないかを丁寧に見ていきます。
執筆/環太平洋大学准教授・内田仁志
協力/教師実践研究塾(実践塾)
目次
教師は、支援するために子どもを見ます
教師が子どもを見るとき、いちばん大切にしたい視点は、子どもの小さな変化に気付き、必要な支援につなげる、ということです。評価も大切ですが、やはり子どもたちを支える気持ちを大切にしたいですね。
始業式は慌ただしい一日になりますが、そんな中でも子どもの安全と安心を最優先したいものです。今回は、始業式の日だからこそ意識したい「教師が見るポイント」と、気付いた後の支援の進め方について、現場での実践を基に紹介します。まずは、一日の始まりである「ファーストコンタクト」から見ていきましょう。
始業式の朝、ファーストコンタクトで「変化」を見よう
表情は、子どもの心の変化を映し出す
始業式の朝、まず何より大切なのは、子どもたちが「学校へ来ることができた」という事実です。自由な休みの日々から、学校という規律ある世界へと戻ってくることは、「ポスト・バケーション・ブルー」という心理学用語もあるくらいで、誰しも現実逃避したかったり、疲労感や心理的抵抗感を感じたりするものです。
そこでまずは、「よく学校に戻ってきてくれましたね!」と、みんなとの再会を喜びましょう。その上で、クラスの一人ひとりを見ながら、表情を観察してください。
明るくあいさつをしてくれる子もいれば、表情が硬い子、目を合わせようとしない子、普段より口数が少ない子もいます。
「なんだか自分の知っている姿と違うな」
と小さな違和感を感じたとすれば、それを忘れないようにしてください。その違和感が、その後の支援につながることがあります。
気になる様子が見られた場合は、その場で問い詰める必要はありません。休み時間や帰りの会など、落ち着いて話ができる時間に
「夏休みはどうだった?」
「何か気になることがあったら教えてね」
と自然に声を掛けてみましょう。何か問題を抱えている場合、子どもが安心して話し始めることがありますし、そこのやり取りでさらに違和感を感じるようなら、学年主任や養護教諭などに相談することをおすすめします。
服装は、生活の変化を知らせるサイン
もう一つ見てほしいのが服装や身だしなみです。服装は家庭での生活の様子を映し出します。学校の約束から大きく外れた服装で登校してきた子、サイズが合わなくなった靴や穴の開いた上履きをそのまま使っている子、身だしなみが普段と大きく違う子など、見た目の違和感は家庭での子どもの扱いに問題があることを示している可能性があります。子どもの様子を見ながらですが、2~3日経過観察をし、改善が見られないようなら養護教諭や管理職に相談しましょう。
また、急激なやせ、不自然なけが、極端な不衛生さなど、健康や安全に関わる違和感を感じた場合は、ネグレクトや虐待の可能性が高いです。すぐに養護教諭や管理職に相談し、学校全体で見守る体制にします。
始業式の朝は、夏休みの間に生活や心の状態に変化がなかったかを確かめるのが仕事です。
気になることがあれば、まずは自然に声を掛けること、それでも心配が続く場合は学年や養護教諭と相談することが、次の支援につながります。

