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子供の「自尊感情」を高める3つのポイントとは?【先行研究から学ぶ 学級経営の極意Ⅳ⑫】

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埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者

稲垣孝章
先行研究から学ぶ 学級経営の極意Ⅳ バナー

子供が多様な他者と関わりながら、必要な資質・能力を身に付けるために、教師はどのような学級経営をしていけばよいのでしょうか。学級経営を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、先行研究を例に挙げながら、子供のよりよい成長を促す学級経営の方法について解説します。第12回は、子供の「自尊感情」を高める指導法について解説します。

執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
 城西国際大学兼任講師
 日本女子体育大学非常勤講師・稲垣孝章

「自尊感情(Self Esteem)」とは、自分には価値があると認め、自分自身を大切にする心の感覚のことです。他との比較ではなく、ありのままの自分を肯定し、自分はかけがえのない存在だと感じられる心の状態を指します。「自尊感情」は、精神的な安定感をもたらし、物事に対して前向きに取り組む意欲の原動力となるものです。
そこで、「自尊感情」を高めるための指導を展開するに当たって、次の3つのキーワード「『自尊感情』の重要性」「『自尊感情』を高める指導のポイント」「指導上の配慮点」でチェックしてみましょう。

CHECK① 「自尊感情」の重要性

「自尊感情」は、他と比較して優っていると感じるようなプライドとは違い、周りに左右されずに自分自身を大切に思う心のことです。そのためには、自分の長所も短所も含めて、今の自分を受け入れる気持ちをもつことが大切です。また、高い評価を目指すだけではなく、今の自分のままでよいという、自分自身を尊重する「肯定的な自己評価」ができるという感覚も大切です。

「自尊感情」を高めるような学級経営上の指導の手立てを構想していきましょう。

「自尊感情の構成要素」を踏まえて指導します

「自尊感情」を高めるためには、それを支える「構成要素」を踏まえた指導を展開することが求められます。ここで取り上げる「4つの構成要素」としての感覚には順序があるわけではありません。また、どの感覚も教育指導上、重要なものです。これらの「構成要素」を意識しながら、子供たちの「自尊感情」を高めていきましょう。

(1)「自己肯定感」
「ありのままの自分を受け入れて肯定し、自分を好意的に受け止める感覚」として捉える。対義語は「自己否定感」
(2)「自己信頼感」
「自分の意思決定によって判断したことや行動したことを信じ、自分自身を信頼できる感覚」として捉える。対義語は「自己不信感」。                    
(3)「自己効力感」
「状況を踏まえて必要な行動を遂行できるという自分の可能性に対する自信を抱く感覚」として捉える。対義語は「自己無力感」。                                
(4)「自己有用感」                                         
「自分が他者や社会等の役に立っているという主観的な実感のことで、他者との関わりを前提として生まれる感覚」として捉える。対義語は「自己無用感」。 

これらの「4つの構成要素」の感覚を体感できるようにすることが、子供の「健全な自尊感情」を育むことにつながっていきます。学級経営上の指導として、どのように具体的な手立てを講じていくことが必要かを考えて実践していきましょう。     

CHECK② 「自尊感情」を高める指導のポイント

「自尊感情」を高めるためには、子供自身が肯定的な自己評価ができるように指導する必要があります。そのためには、他との比較ではなく個人内評価」を重視することが求められます。また、他者との関わりを通して、人の役に立つことの喜び」を味わうことができるような場を設定することが大切です。さらに、その活動過程で自他のよさを見いだし、「認め合うような活動」を展開していくことが肝要です。

次のように、指導方針と具体的な指導方法を明確にして、子供の「自尊感情」を高めていきましょう。

「自尊感情」を高めるための指導方針を明確にします

「自尊感情」を高めるための具体的な指導場面を構想し、個に応じた指導方法を構築していきましょう。

(1)「心理的な安定」を図る「個人内評価」の重視
縦断面的個人内評価」(前の自分との比較)と「横断面的個人内評価」(本人の諸特性の中での比較)の両面を各教科等の評価にも取り入れる。評価基準として「前の自分よりがんばった」という項目も盛り込んで、「心理的な安定」を図る。
(2)「社会性の育成」を図る「協働の活動」の展開
日直を2人以上」で担当したり、「係活動は3人以上」で編成したりする等、様々な場面で、1人で活動するのではなく、他と関わりながら学級生活を送ることができるように配慮し、「社会性の育成」を図る。
(3)「良好な人間関係」を築く「支え合う活動」の蓄積
実験などで学習活動が停滞しているグループに対して、他のグループがサポートしたり、作業の遅れている友達に対して、共に協働したりする「支え合う活動の場」を積み重ねて、「良好な人間関係」を築く。

指導方針に基づいて多様な場面を設定し、具体的な指導方法を構想して、「自尊感情」を高めるようにしていきましょう。   

CHECK③ 指導上の配慮点

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