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いじめが起きない学級のつくり方とは? 子どもたち全員の「居場所」となる教室をめざして【若手先生の航海図】

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若手先生の航海図~学級経営1年間の見通しと毎月のアイデア~
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内田仁志
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学級経営と切っても切れない大問題といえる「いじめ問題」。発生後の対応が重要なのはもちろんですが、本当に目指すべきは「いじめが起きない学級づくり」です。 その出発点は、子ども全員が「自分はこの学級に必要な存在だ」と実感できること。自分の居場所がある子は、友達もまたクラスに欠かせない存在だと思えるようになります。今回は、一人一人を見落とさず、役割を通して居場所をつくる方法を解説します。

執筆/環太平洋大学准教授・内田仁志
協力/教師実践研究塾(実践塾)

その「声掛け」、本当に全員に届いていますか?

日頃から声掛けをしていても、教師の視野から外れやすい子がいます。皆さんもよくご存知の、代表的なマンガのキャラクターに例えると、違いがよくわかります。

教師から見えやすい子

  • 出来杉君・しずかちゃん:信頼され活躍する子
  • ジャイアン:問題行動が目立ち、指導機会が多い子
  • スネ夫:頻繁に報告にくる子
  • のび太:失敗が多く、支援を受ける子
  • ドラえもん:困っている友達を支える子

こうした子たちは、良くも悪くも教師との接点があり、変化に気付きやすいです。

教師から見えにくい子

  • 山田君(ちびまる子ちゃん):いつも笑っていて、大きな問題を起こさない子 → 明るく振る舞って悩みを隠しているかもしれません。「元気そうだから大丈夫」と決め付けた瞬間、その子は視野から外れてしまいます。

では、山田君のような子を見落とさないために、教師はどうすればよいのでしょうか。「気を付けて見よう」と心掛けるだけでは、毎日多くの子どもたちと関わる中で印象に残りづらいです。
そこで、全員を意識して見るための仕組みをつくるべきでしょう。普段使っている名簿や座席表、児童カルテを少し工夫することで、一人一人の小さな変化を捉えやすくなります。


記憶に頼らない「見取り」を確実にする3つのツール

全員をフラットに見るためには、記憶ではなく日常のツールを活用しましょう。

名簿(朝の健康観察)

ただ出席をとるだけでなく、返事の大きさ、表情、姿勢、友達との距離などを確かめる「一日の最初の見取り」として活用します。

座席表(授業中のメモ)

授業中は名簿を座席表として使い、「自分から発言した」「いつもと様子が違った」など、気付いた姿を短く記録します。日々の事実の積み重ねが大切です。

児童カルテ(教師の視点の振り返り)

カルテの記述量の差は、子どもの価値ではなく「教師の視点の偏り」を表します。記録が少ない子に対しては「問題がないから」ではなく「十分に見取れていただろうか」と振り返ることが重要です。

「役割」を通して、クラスでの存在価値を実感させる

子ども自身が「自分は必要な存在だ」という、自己効力感を感じさせることが、子どもたちそれぞれがクラスでの存在価値を持つことにつながります。そのための手段として、係活動や行事での役割を位置づけます。

役割で、感謝されることを体験させよう

仕事したり、役割をすることで「任される→自分の力で果たす→感謝される」という経験を一人ひとりが感じられるようにしましょう。一年間のどこかで、全員が「自分の力が仲間の役に立った」と感じられる場面を意図的につくるようにしてください。
例えば、配付物を届ける、黒板を消す、学級文庫を整えるといった小さな仕事でも構いません。「ありがとう。助かったよ」と言われれば、自分の働きが誰かの役に立ったことを実感できます。大切なのは、仕事の大きさではなく、「自分が役に立った」という経験です。その子が少し頑張ればできる役割から経験させていきましょう。

「誰でもリーダー」になるクラスを目指して

いつも同じ子を主役にしないようにしよう

行事やイベントのリーダーを得意な子ばかりに任せると、他の子は成長の機会を失います。
例えばクラスマッチのように、子どもたちをグループに分けて活動を行う行事は、年に何度もあると思います。このチャンスを見逃さないようにしてください。できれば全員に一度は、リーダーになる役割を体験させてあげましょう。
基本的に、グループ決めや運用はすべて子どもたちに任せますが、以下の2点だけは教師が介入するようにしてください。

  1. これまでリーダー経験のない子を必ずリーダーに決めること
  2. 教師との連絡、グループ間交渉など、グループ代表行為は必ずリーダーがすること

代表の仕事に戸惑う子もいるでしょう。そんなときは、「先生に伝えることを一緒に整理しよう」「みんなに聞いてみたらどうかな」など、必要に応じて教師が支えてあげます。
ただし、教師が代わりにやってしまわないこと。最後の一歩は本人に任せます。
子どもたちは経験と支援を通じて自己有用感を得ることができますし、準備や励ましなどで協力した「支える側の子ども」も一緒に成長し、互いが必要な存在だと実感できます。行事の価値は、成果ではなくこの過程にあります。

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