読書週間は何を読ませる?小学生が本に夢中になる入口の作り方【若手先生の航海図】

執筆/環太平洋大学准教授・内田仁志
協力/教師実践研究塾(実践塾)
読書週間になると、学校では朝の読書、読書スタンプラリー、推薦図書の紹介、読書感想文など、さまざまな取組が行われます。本を読むことで得られるメリットは計り知れません。「子どもに本を読んでほしい」「本の面白さを知ってほしい」と願うのは当然のことでしょう。
そこで本記事では、子どもの「今、何に夢中か」を起点にして、無理なく本の世界へ導くための具体的なアプローチを解説します。ゲームやアニメなど、目の前の興味を読書につなげる学級経営のヒントとしてお役立てください。
子どもが朝の読書で、ようやく選んだ本がゲームのハウツー本だと「物語性のある本を読んだら?」と思ってしまう。スタンプラリーで短い本ばかり選ぶ子には「冊数を増やすのが目的じゃないよ」と注意してしまう。そんなことはないでしょうか。ここで立ち止まって考えたいのは、教師の「読んでほしい」が、子どもの「読みたい」 より先走っていないかということなのです。
目次
大人の「読ませたい本」と子どもの「読みたい本」は違う
大人が考える「読ませたい本」と、子どもが「読みたい本」はたいてい一致しません。
例えば、大谷翔平選手や三笘薫選手など、現代のスター選手に夢中な子どもが彼らの本をほしがったとき、それは「スポーツについて詳しく知りたいから」ではないでしょう。
「大谷選手が載っている」「三笘選手の写真がある」。
それだけで、子どもが本を手に取るには十分すぎる理由なのです。

面白いものの延長線上に「本」がある
「昔の子どもは、今ほど娯楽がなかったから本を読んだ」と言われることがあります。本当にそうでしょうか。
今の子どもたちにゲームやYouTubeがあるように、昔の子どもたちにもテレビや漫画など、夢中になるものはたくさんありました。
アニメ映画の大ヒットをきっかけに、原作コミックやノベライズ本が飛ぶように売れる現象は、いつの時代も変わりません。面白いものを追いかけていく中で、その延長線上にたまたま「本」があり、本が面白ければさらに次の本へ進んでいく。そんな入口でよいのです。
ゲーム、動画、アニメ、スポーツ。それらを「読書の邪魔になるもの」と捉えるのではなく、子どもの興味の広がりの中に「本」もそっと置いておく感覚が大切です。
