次期学習指導要領の実施に向けて、生徒指導・教育相談には何ができるのか?【総論】【ストレスフリーの教室をめざして】

次期学習指導要領の実施に向けた議論が進んでいます。令和8年8月31日には、中央教育審議会教育課程企画特別部会において、「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(素案)」(文部科学省,2026)(https://www.mext.go.jp/content/20260831-mxt_kyoiku01-000051893-3.pdf)(以下、審議まとめ)が示されました。
国語や算数などの各教科の法的根拠が学習指導要領ですが、生徒指導・教育相談とはどのように関わるのでしょうか? また、全面実施をよりよく迎えるために、どのような準備ができるのでしょうか?
本稿では、筆者なりにここまでの次期学習指導要領に関するパブリック・コメントなどを整理し、生徒指導・教育相談との関わりについて概観しながら、今からできる10個の準備を全3回にわたってお届けします。本記事は、「総論」です。(本記事は2026年9月時点で執筆しています。今後の動向により、内容をアップデートする場合がございます)
執筆/埼玉県公立小学校教諭・春日智稀
目次
小学校における全面実施は令和12年度(2030年度)

上図「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」(文部科学省,2026)(https://www.mext.go.jp/content/20260804-mxt_kyoiku01-000051425-27.pdf)によれば、小学校における次期学習指導要領の全面実施は令和12年度(2030年度)と示されています。ちなみに幼稚園は令和10年度(2028年度)、中学校は令和13年度(2031年度)、高等学校は令和14年度(2032年度)の入学生より順次実施とされています。小学校では、全面実施まであと約3.5年ということになりますね。まだまだ先の話でしょうか?
そんなことはありません。本資料をお読みになっていただくと分かるように、令和8年度末に「改訂」と示されています。そして令和9年度からは「周知」「先行実施」などの文字が並びます。すなわち、令和8年度中には実質的な改訂が行われるということです。
そして、ここまでの改訂に関する審議がまとめられたものが、冒頭にお示ししました「審議まとめ」となります。資料では「教育課程部会審議まとめ(夏頃予定)」と示されていますね。この後、「中央教育審議会 答申(冬頃予定)」の後に、「改訂(年度末予定)」というスケジュールになっています。
学習指導要領改訂と生徒指導・教育相談の関わり
国語や算数などの各教科の法的根拠が学習指導要領であれば、生徒指導・教育相談における拠り所は「生徒指導提要」(文部科学省,2022)(https://www.mext.go.jp/content/20230220-mxt_jidou01-000024699-201-1.pdf)だと言えるでしょう。「そもそも学習指導要領改訂が生徒指導・教育相談に何の関係があるの? 教科のことでしょ?」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。このことについて、生徒指導の考え方から整理しておきましょう。
現行の生徒指導提要では、生徒指導は下図(生徒指導提要より抜粋)のように整理されています。

ここで重要となるのが、第1層である「発達支持的生徒指導」です。発達支持的生徒指導とは、「特定の課題を意識することなく、全ての児童生徒を対象に、学校の教育目標の実現に向けて、教育課程内外の全ての教育活動において進められる生徒指導の基盤となるもの」と定められています。「教育課程内外の全ての教育活動において」と示されていますから、当然授業もその範疇に入ります。すなわち、学習指導要領改訂により教科の方向性が新たになるということは、当然生徒指導・教育相談においてもその潮流を踏まえ、適切にアップデートしていく必要があるということなのです。
