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小さな違和感に気づく教師の「目」|子どものSOSを見逃さない教室づくり①【ストレスフリーの教室をめざして】

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ストレスフリーの教室をめざして
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春日智稀
ストレスフリーの教室をめざして
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近年、子どもたちの心の不調や学校生活への不適応、不登校、自傷・自死に関わる問題が、教育現場でも大きな課題となっています。友だち関係、学習への不安、家庭での困りごと、発達などの特性による生きづらさ、SNSやゲームを通した見えにくい人間関係など、子どもたちは大人が思う以上にさまざまなストレスを抱えています。

また、「すべての子どもが自分の困り感を言葉にできるわけではない」ということも重要な視点です。むしろ小学生の場合、「つらい」「助けて」「困っている」とはっきり言える子ばかりではないでしょう。言葉にする前に、表情が曇る、友だちとの関わり方が変わる、ノートの字が乱れる、保健室に行く回数が増える、提出物が遅れる、休み時間に一人でいることが増えるなど、日常の小さな変化として表れることがあります。

そこで本連載では、「子どものSOSを見逃さない教室づくり」というテーマで、教師が子どもの心のサインに気づき、声をかけ、校内でつなぎ、継続的に支えていくための視点を整理していきます。

第1回となる本記事では、まず「小さな違和感に気づく教師の目」について考えます。

執筆/埼玉県公立小学校教諭・春日智稀

子どもの見えにくいSOS

子どものSOSと聞くと、「先生、助けてください」「学校に行きたくありません」「もう無理です」といったはっきりした言葉を想像するかもしれません。もちろん、そのような言葉が出たときには、すぐに丁寧に受け止める必要があります。

しかし、実際にはそこまで明確な言葉として表れる前に、子どもはさまざまなサインを出していることがあります。しかもそのサインは、とても小さく、見逃されやすいものです。

例えば、いつも元気にあいさつをしていた子が、最近は目を合わせずに教室へ入ってくる。休み時間には友だちの輪の中心にいた子が、教室の端で一人で過ごしている。普段は丁寧に書いていたノートの字が、急に乱れてくる。給食を残す量が増える。忘れ物が増える。授業中にぼんやりしている……。

これらは、ひとつひとつを見れば「よくあること」に見えるかもしれません。子どもですから、眠い日もあれば、疲れている日もあります。友だちと少し距離を置きたい日もあるでしょう。だからこそ難しいのです。すべてを深刻に受け止めすぎると、教師自身も疲れてしまいます。しかし、見逃してよいわけでもありません。

大切なのは、「この子にとって、これはいつも通りなのか」「それとも、いつもと少し違うのか」と考えることです。子どものSOSは、特別なサインとして突然現れるのではなく、その子の日常の変化として表れることが多いのです。

「いつも」を知っているから、「違和感」に気づける

小さな違和感に気づくためには、まずその子の「いつも」を知っている必要があります。

  • いつもの表情。
  • いつもの声の大きさ。
  • いつもの友だちとの距離感。
  • いつもの休み時間の過ごし方。
  • いつものノートの字。
  • いつもの給食の食べ方。
  • いつもの提出物の出し方。
  • いつもの授業中の姿勢。

これらを知っているからこそ、「あれ、今日は少し違うな」と感じることができます。教師の観察力とは、子どもをずっと観察することではありません。日常の中で、その子らしさを知り、変化に気づけるまなざしをもっていることです。

例えば、普段から静かな子が一人で本を読んでいることは、その子にとって自然な過ごし方かもしれません。しかし、いつも友だちと遊んでいた子が急に一人で過ごすようになったなら、それは小さなサインかもしれません。普段から字が大きく雑な子のノートが少し乱れていても大きな変化ではないかもしれませんが、いつも丁寧に書く子の字が急に乱れてきたなら、何かが起きている可能性があります。

つまり観察で大切なのは、全員を同じ基準で見ることではなく、その子の「いつも」を教師が知っており、その子に応じた基準で見ることです。30人いれば30通りの基準がありますから、簡単なことではありません。まさに、教師だからこそできる仕事です。毎日同じ教室で子どもと過ごし、授業、休み時間、給食、掃除、帰りの会など、さまざまな場面の姿を見ているからこそ、教師は子どもの変化に気づくことができます。

SOSに気づくための観察ポイント

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