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生成AI時代に子どもたちと考えたい「なぜ本を読むのか」【若手先生の航海図】

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若手先生の航海図~学級経営1年間の見通しと毎月のアイデア~
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内田仁志

生成AIの活用は、もはや当たり前となりました。そんな時代だからこそ、子どもたちにはAIをうのみにせず、上手に使いこなすような強い認知能力を育んでもらいたいと思います。AIは使い方次第では、子どもたちの考える力を向上させる最強のツールになり得ます。今回は、調べ学習と文章の読解の場面で、AIを活用する方法について考えていきたいと思います。

執筆/環太平洋大学准教授・内田仁志
協力/教師実践研究塾(実践塾)

「情報を得る手段」としての読書とAI

本を読むというと、物語や小説を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし学校で子どもたちが本を手にするのは、物語を楽しむときだけではありません。図鑑、事典、科学読み物、伝記などを使って、「知りたいことを調べる」のも読書です。

そして現在、この「調べるための読書」の隣には、Web検索や生成AIがあります。だから教師が考えたいのは、「本を使わせるか、デジタルを使わせるか」という選択だけではありません。子どもが何を知りたいのか、そのためにどの情報源を使い、得た情報をどう確かめるのかというところまで含めて考える必要があります。

本と生成AI、どう使い分ける?

文部科学省の生成AIガイドラインは、子どもの発達段階を踏まえ、生成AIの特徴やリスクを理解して適切に利用することを求めています。子どもがAIを直接利用する場合には、教育委員会や学校の方針、サービスの年齢制限や利用規約などの確認も必要です。

その前提に立って、同じ問いを本と生成AIの両方で調べてみます。

比べるのは「どちらが早いか」だけではありません。

「同じ情報が出てきた?」
「違うところはない?」
「その情報は本当に正しい?」

ここから、調べる活動をもう一段深めます。

情報を比べ、確かめ、自分で選ぶ

生成AIは、「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる、事実とは異なるもっともらしい誤った回答を生成することがあります。
さらに、発達段階にある子どもには、「自動化バイアス(コンピュータやAIの出す答えを、人間の判断より無批判に正しいと思い込んでしまう心理傾向)」に陥りやすいリスクが学術的にも指摘されています。

だからこそ、AIの回答をそのまま採用せず、本や他の信頼できる資料と比べて確かめるプロセスが不可欠なのです。

活動の流れはシンプルです。

問いをもつ → 情報源を選ぶ → 情報を得る → 比較する → 確かめる → 自分で判断する

もし本とAIの答えが違えば、学習のチャンスです。

「どちらが正しいのだろう。何を使えば確かめられる?」

と問い返します。

大切なのは「本だから正しい」「AIだから危ない」と決めることではありません。一つの情報をうのみにせず、複数の情報を比べ、確かめて、自分で判断すること。

これが、生成AI時代の「調べるための読書」です。

物語は、AIに説明してもらえばわかるのか

生成AIに物語の「あらすじ」や「主題」を尋ねれば、短時間で回答が返ってきます。では、AIに説明してもらえば、もう物語を自分で読む必要はないのでしょうか。

『ちいちゃんのかげおくり』で考えてみます。

まず自分で読み、自分の考えをもつ

最初にAIの回答は見せません。まず作品を読み、子ども自身に考えさせます。

読書において「言葉から情景を想像し、悩みながら意味を構築する」という負荷(認知的な葛藤)は、子どもの読解力や批判的思考力を育む上で極めて重要なプロセスです。最初からAIに「あらすじ」や「正解らしきもの」を出させてしまうと、子どもはこの思考プロセスをAIにアウトソーシング(丸投げ)してしまい、自ら考える力を奪う「思考のバイパス」が起きてしまいます。

そのため、例えば、最後のかげおくりについて、「最後のちいちゃんは、幸せだったと言えるでしょうか。」と問い、自分の考えと、その根拠になる本文の言葉を書かせます

例えば、最後のかげおくりについて、

「最後のちいちゃんは、幸せだったと言えるでしょうか。」

と問い、自分の考えと、その根拠になる本文の言葉を書かせます。

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