【小学校若手教員向け】遠足を成功させる! 子どもを動かす事前準備と、安全管理の仕組み
「班別行動で迷子が出たらどうしよう」「時間通りに戻ってこなかったら…」。小学校で遠足の引率を担当する若手教員の皆様、楽しみな反面、不安や心配も大きいのではないでしょうか。 しかし、教師がすべてを指示・管理するのではなく、安全を支える「仕組み」さえ整えれば、子どもたちは驚くほどの自主性を発揮します。 本記事では、神奈川県平塚市立みずほ小学校・鷲塚鼓先生(教師実践研究塾)の実践を基に、初めての遠足で戸惑いやすい事前準備の手順や、先輩教員から学ぶ安全管理の工夫を具体的に解説します。動物園での班別行動を成功させ、子どもたちの新しい一面を発見するヒントをお届けします。
執筆/環太平洋大学准教授・内田仁志
協力/教師実践研究塾(実践塾) 神奈川県平塚市立みずほ小学校 鷲塚 鼓
目次
初めての遠足。事前準備は何から始める?
班づくり:当日の行動を想像して組み合わせる
動物園の見学において、最初に悩むのが班編成です。仲のよい友達同士なら楽しそうですが、班別行動には「相談して行き先を決める」「時間を守る」「仲間と歩調を合わせる」力が必要です。 鷲塚先生も、普段の子どもたちの姿を思い浮かべながら、それぞれのよさが生きる組み合わせを考えました。
- 周囲に声を掛けるのが得意な子
- 計画を立てるのが好きな子
- 落ち着いて行動できる子
「大勢の前では控えめでも、少人数なら力を発揮する子がいる」という気づきから、班長は必ずしもいつも学級の中心にいる子だけが適任とは限らないこともわかりました。班を決めることは、当日の子どもたちの姿を想像することでもあります。
バス座席とチケット管理:先輩に学ぶ準備のコツ
班が決まれば、次は実務的な準備です。初めての遠足では進行順に迷いがちですが、先輩教員が何気なく行っている仕事にはすべて理由があります。
- バスの座席: 班ごとに座席を近づけ、乗り降りの際に仲間を確認しやすくする。乗り物酔いしやすい子への配慮も忘れない。
- 入園チケット: 単に人数分用意するだけでなく、「誰が保管し、いつ配るのか」「紛失時はどうするのか」まで事前に決めておく。
園内地図の活用:計画づくりから遠足は始まっている
園内地図を広げると、「あの動物も見たい」と子どもたちは大張り切りです。しかし、見たい場所を並べるだけでは何度も行き来することになります。 「最初の目的地は?」「チェックポイントには何時に着く?」と班で相談するうちに、見学の順番だけでなく、移動時間や集合時刻にも目が向くようになります。教師は各班の計画を見て、無理な移動や危険な経路がないかを確認します。自分たちで考えたコースを、自分たちで歩く。遠足は出発前からすでに始まっているのです。
先輩教員から学んだ、実践的な安全管理の工夫
チェックポイントの設置と教員間の連携
広い動物園で、教師がすべての班について歩くことはできません。そこで園内にチェックポイントを設け、通過する班を確認します。 「○年○組○班です。○人そろっています!」。班長が報告し、担当教師が人数を確認して通過時刻を記録します。学年でこの仕組みを統一すれば、担任以外の班も確認可能です。 ここで大切なのは、「予定時刻に来ない班があった場合」のルール化です。各班の経路と教師間の連絡方法を共有し、誰がどのように所在を確かめるかを決めておくことで、安心して子どもたちに活動を任せられます。
「もしも」に備える事前の情報収集
動物園では長い距離を歩くため、けがや体調不良への備えが欠かせません。先輩教員と以下のような情報を事前に洗い出しておくことで、不安は具体的な「備え」に変わります。
- 配慮が必要な子どもの情報(アレルギーや持病など)の確認
- 救急用品の準備と休憩場所の把握
- 施設の救護体制の確認
- 養護教諭や学年教員との情報共有
子どもたちにも、「具合が悪くなったら班だけで判断せず、近くの教師に知らせる」ことを徹底しておきましょう。
集合時刻の逆算:子ども自身に時間を管理させる
例えば「午後2時集合」なら、2時まで動物を見ていてよいわけではありません。集合場所まで戻る時間や、トイレに寄る時間も必要です。子どもたちには、見学の終わりから逆算して行動するよう指導します。
