連載・鈴木優太~教室掲示の常識を打ち破る!最新「インパクト掲示」アイデア3選~「個」も「集団」も育つ学級経営&授業アイデア #9

AIを活用した実践の最先端を疾走しつつ、アナログな指導アイデアに関してもイノベーターであり続ける鈴木優太先生。この連載では、個も学級集団もどちらも育つ独自の実践アイデアを毎月紹介します。
執筆/宮城県公立小学校教諭・鈴木優太
目次
はじめに
掲示をしたいけれど、掲示場所がない…。
授業のポイント、図工作品、係活動の成果物、学年目標…。教室の掲示板は、あっという間に埋まってしまいます。もう貼る場所がないと感じている先生は、少なくないでしょう。この連載ではこれまでにも、掲示場所の常識を打ち破る画期的な掲示アイデアを紹介してきました。
掲示できる場所は、実は、まだまだあります。
1.黒板灯掲示
2.関所掲示
3.天井掲示
今回は、最新「インパクト掲示」アイデア3選をお届けします。
ただし、場所を増やすだけでは、貼りっぱなしの掲示物が増えるだけです。インパクト掲示とは、目立つ掲示のことではありません。子供たちの「行動」が変わる掲示のことです。今回ご紹介する3つのアイデアには、そのための原則を1つずつ込めました。
1.自然と目に入る「黒板灯掲示」
どの教室にもある黒板。その真上に必ずあるのが黒板灯です。実は、多くの教室の黒板灯は、覆いの部分が鉄製です。ここに磁石で掲示物をぶら下げるのが「黒板灯掲示」です。

子供たちは黒板を見るたびに、頭上からぶら下がる掲示物が自然と目に入ります。黒板よりも少し前方にある立体感も相まって、そのインパクトたるや絶大です。それでいて、黒板は丸ごと、子供たちの考えや資料のために使えます。
黒板灯の覆いは、まさに盲点だった掲示場所なのです。
掲示するのは、単元を通した問い、学習のポイント、生活目標、子供たちが話し合って決めたルールなど、特に意識してほしいことのみにします。
脚立や角椅子に上がるなどして、教師が掲示します。磁石が付かない覆いには、テープで貼ります。照明の光を遮らない位置に、落下しても危険のない軽い紙で掲示しましょう。

書いた文章を友達と読み合う場面では、例えば次のように投げかけます。
黒板灯の問いを使って聞きます。「どうしてその資料を選んだのですか?」。どうぞ。
(黒板灯を見上げて)次は、「どういう効果をねらいましたか?」
何を聞けばよいか迷った子も、顔を上げればそこに問いがあります。子供たちは文章を書き進めながら、顔を上げていつでも確かめることができます。全員で同じ問いを共有しながら、一人一人が好きなタイミングで立ち返ることができます。「個」と「集団」の両方を支える掲示なのです。
ただし、この掲示には重要なポイントがあります。
期間を決めて掲示する
どれだけインパクトがある場所でも、貼り続けていると背景と化してしまいます。情報伝達の効果が最も高いのは、掲示したその瞬間だからです。「この授業のときだけ」「この単元の間のみ」「〇月〇日まで」と期間を区切ることで、メリハリが生まれます。
期間を子供たちと共有しておけば、「それまでに身に付けるぞ!」と目標をもって取り組みます。そして、身に付いたら外します。掲示物は、外すために貼るのです。何も貼っていない時間があるからこそ、次に貼られたものが引き立ちます。
過去記事の実物掲示で紹介した「マグネットクリップ」で挟めば、黒板灯から黒板へ、黒板から掲示板へと移動も自在です。授業の終わりには下ろして、改めて問いに立ち返って振り返ることもできます。
