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幅跳びの待ち時間が激減!「シート幅跳び」で運動量を確保する授業の工夫【教具アレンジと伝え方の工夫】

中安翼
教具アレンジと使い方の工夫バナー

小学校の体育で扱う「幅跳び(中学年)」や「走り幅跳び(高学年)」。自分の記録が伸びる楽しさや、遠くに跳べたときの達成感を味わいやすい運動ですが、実際の授業では子どもが意欲的に取り組みにくくなることもあります。

その大きな理由は、「待ち時間の長さ」です。砂場に2〜3か所の場しか準備していない場合、30人近くの学級では一人ひとりの跳躍機会がどうしても限られてしまいます。さらに「跳ぶ」「測る」「砂場をならす」という活動が重なるため、運動量を確保しにくいのが幅跳びの難しいところです。

そこで今回は、子どもが自分で目標を決め、成否を判断しながら何度も挑戦できる「シート幅跳び」の工夫を紹介します。身近な教具を使って場を工夫するだけで、待ち時間が減り、子どもたちが自ら進んで跳び続ける授業に変わります。

執筆/環太平洋大学次世代教育学部講師・中安翼

幅跳びは、測定で活動が止まりやすい

幅跳びの授業では、どれだけ遠くに跳べたかを知ることが、子どもの意欲につながります。しかし、この「測定」が意外と難しいのです。

メジャーを砂場の横に置き、自分で記録を確認できるようにする方法もあります。ただ、子どもにとっては、着地した場所のうち、どこを記録として見ればよいのかが分かりにくいことがあります。幅跳びでは、足が着いた場所だけでなく、手やおしりなど、砂場に接地した一番後ろの位置が記録になります。そのため、「自分はどこまで跳べたのか」を子ども自身が正確に判断するのは簡単ではありません。

教師が一人ずつ測定すれば正確にはなりますが、その分、活動が止まります。測定のために待つ時間が増えると、子どもが何度も挑戦する時間は少なくなってしまいます。

ゴムを張る方法にも難しさがある

測定を簡単にするために、砂場を横切るように平ゴムを何本も張り、「どのゴムを越えられたか」で目標を示す方法もあります。この方法は、目標が見えやすくなるよさがあります。

しかし、実際に行ってみると、いくつか難しい点があります。例えば、跳んだ後に前へ倒れたとき、踏んでいたゴムが元に戻ってしまい、ゴムを越えられたかどうかが分かりにくくなることがあります。また、複数の子どもが同時に跳ぶと、隣のレーンで引っかかったゴムが動き、自分のレーンにも影響してしまうことがあります。 だからといって、同時に跳ばないようにすると、今度は待ち時間が長くなります。さらに、ゴムを砂場に張ったままだと、砂場をならしにくくなるという問題もあります。

幅跳びの授業では、目標を見えるようにしたい。でも、同時に跳べる場も確保したい。砂場もならしやすくしたい。 このような課題を解決するために考えたのが、「シート幅跳び」です。

滑り止めシートとコーンバーで、目標を見えるようにする

シート幅跳びで使うものは、主に次の3つです。

  • 滑り止めシート
  • コーンバー
  • ビニールテープ

滑り止めシートは、100円ショップなどで購入できるもので十分です。大きな用具を用意しなくても、身近な材料で場をつくることができます。

踏み切りシートと目標シート

まず、踏み切り位置に1つ滑り止めシートを置きます。これが「踏み切りシート」です。 次に、コーンバーを踏み切り位置の横に置きます。コーンバーには、ビニールテープなどで色や番号を付けておき、距離の目安が分かるようにします。 そして、子どもが目標とする距離に合わせて、もう1つの滑り止めシートを置きます。これが「目標シート」です。

子どもは、踏み切りシートを踏まないように踏み切り、目標シートを越えられるかに挑戦します。

シートが動くから、自分で成否が分かる

この教具のよさは、子どもが自分で成否を判断しやすいことです。 滑り止めシートは、体育館の床などでは滑りにくい素材ですが、砂場や運動場の上に置くと固定されているわけではありません。そのため、踏み切りで強く踏んだり、着地でシートに触れたりすると、位置が少し動いたり、めくれたりします。 この「動いたかどうか」が、踏み切りや着地の成否を判断する目安になります。

踏み切りシートがずれていなければ、踏み切りは成功。目標シートを越えられれば、目標達成。 授業の中で「自分が決めた目標を越えられたか」を確認するには、とても分かりやすい方法です。子どもは、教師の判定を待たなくても、自分で成否を確認できます。これにより、活動の流れが止まりにくくなり、何度も挑戦しやすくなります。

目標が見えると、子どもは何度も挑戦したくなる

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