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「競争」と「協働」の特質を踏まえた指導の手立て【先行研究から学ぶ 学級経営の極意Ⅳ⑪】

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埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者

稲垣孝章
先行研究から学ぶ 学級経営の極意Ⅳ バナー

子供が多様な他者と関わりながら、必要な資質・能力を身に付けるために、教師はどのような学級経営をしていけばよいのでしょうか。学級経営を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、先行研究を例に挙げながら、子供のよりよい成長を促す学級経営の方法について解説します。第11回は、「競争」と「協働」の特質を踏まえた学級経営について解説します。

執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
 城西国際大学兼任講師
 日本女子体育大学非常勤講師・稲垣孝章

「競争」と「協働」の指導は、学校教育を展開する上で、どちらも大切な視点です。ここでは「競争」の指導を「同じ目的に向かって、勝敗・優劣を競い合う」指導とし、「協働」の指導を「同じ目的に向かって、対等の立場で個性を生かし、力を合わせて活動する」指導と捉えて考えていきます。
この2つの指導の特質を踏まえ、適切に活用することによって、子供のよりよい成長を促す教育活動を展開することができます。
そこで、「競争」と「協働」の指導を行うに当たって次の3つのキーワード「『競争と協働』の指導の意義」「『競争と協働』の指導のポイント」「指導上の配慮点」でチェックしてみましょう。

CHECK① 「競争と協働」の指導の意義

かつて、ある学校で「個性重視、人権尊重」という大義名分のもと、運動会の徒競走で勝ち負けを付けるのはどうかという議論があったと聞きます。負けて悔し涙を流す子供の姿は、人格形成の過程において、意味のないかわいそうなことなのでしょうか。人は誰でもすべての分野において他より抜きんでているとは限りません。子供たちは、競争することによって、努力しても思うような結果が出るとは限らないことを体感します。

ただし、学校教育のあらゆる場面で「競争」の原理を取り入れていくことについては、十分な配慮が必要なことは言うまでもありません。

まずは、「競争」と「協働」の原理に基づく指導方法の特質について改めて確認しましょう。

「競争と協働」の指導の意義を踏まえます

「競争」の指導の教育的な意義
他との切磋琢磨で向上心を刺激することによって、勝利による自信や能動的な心情を高めることができる。
●「協働」の指導の教育的な意義
個々の子供の内発的な意欲を向上させ、よりよい対人関係を促進し、自己肯定感を高めることができる。

学校教育の中で、子供たちは様々な場面で「競争」することを経験します。例えば、運動会はその顕著な場です。運動会では、全校で赤白のチームに分かれて競技を行い、点数を競い合って勝敗を決めるという手法をとることがあります。この活動では、勝ち負けという結果を求めますが、その過程においては、応援団をつくって活動するなどしてチームで「協働」する場面があります。

このように、1つの行事の中で、勝利を目指して「競争」する過程で、「協働」して活動を展開するという特徴を有する活動もあります。「競争と協働」の指導の意義を踏まえたうえで、学級経営上どのような指導の手立てを講じていくことがよいのかを改めて見直していきましょう。  

CHECK② 「競争と協働」の指導のポイント

「競争と協働」の指導には、教育的な意義があり、指導のねらいに応じて適切に活用することが求められます。特に「競争と協働」の指導には、指導上課題となる側面があることも踏まえ、指導の手立てを構想する必要があります。

両者の意義と課題を踏まえて、教育指導を展開することによって、子供たちのよりよい成長を促すことが可能となります。逆に、その扱いを見誤った指導を行うと、子供たちのよりよい成長を妨げることにもなりかねません。

次のような両者の指導上の課題も踏まえて、指導の手立てを構想しましょう。

「競争と協働」の指導の課題を踏まえます

●「競争」の指導の課題
個々の内発的な意欲を低下させ、人間関係に序列化を招くことがあり、消極的な態度を形成させるという側面がある。
●「協働」の指導の課題
感情的な対人関係に左右されやすく、競い合う中で切磋琢磨する意欲を低下させるという側面がある。

両者の指導上の課題となる視点を踏まえたうえで、指導の手立てを再構築していきましょう。    

CHECK③ 指導上の配慮点

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