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社会を生き抜く力を育む「主権者教育」に取り組もう【子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ⑭】

連載
子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ
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埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者

稲垣孝章
子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ バナー

子供の個性と能力を最大限に引き出すためには、教師はどのような指導をしていけばよいのでしょうか。学級経営を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、全15回のテーマ別に、学級の中で個々の子供の力を伸ばしていく方法について解説します。第14回は、「主権者教育」について解説します。

執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
 城西国際大学兼任講師
 日本女子体育大学非常勤講師・稲垣孝章

「主権者教育」とは、主権者として子供たちが良識ある公正な判断力を身に付けることを目指した教育のことです。主権者として社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら「社会を生き抜く力」や「地域の課題解決を社会の構成員として主体的に担うことができる力」を身に付けることを目指しています。「主権者教育」を推進する指導は、子供のキャリア教育に直結します。そこで、「主権者教育」を指導するにあたって、次の3つのキーワード「主権者教育の意義」「主権者教育のポイント」「指導上の配慮点」でチェックしてみましょう。

CHECK① 主権者教育の意義

2015年に公職選挙法が改正され、選挙権を有する者の年齢が「20歳以上」から「18歳以上」へと引き下げられました。高校生でも18歳になると選挙権を得るようになったことから、改めて学校教育における主権者教育の充実が求められています。

その背景には、選挙での投票率の低さに見られるように、政治への関心の低さがあります。議会制民主主義を定める日本国憲法の下、民主主義を尊重し責任感をもって政治に参画しようとする国民を育成することは、学校教育に求められる重要な課題の1つです。特に、選挙権年齢の引き下げにより、義務教育段階からの体系的な主権者教育の充実を図ることの重要性が高くなりました。

「主権者教育」で育成を目指す資質・能力を再確認します

「主権者教育」では、国家・社会の基本原理となる法やきまりについての理解や、政治、経済等に関する知識を習得できるようにすることだけを求めるものではありません。次のような「主権者教育」で育てたい資質・能力を再確認して指導に当たりましょう。

〔知識・技能〕
・現代社会の諸課題(政治、経済、法など)に関する現状や制度及び概念についての理解
・調査や諸資料から情報を効果的に調べまとめる技能

〔思考力・判断力・表現力〕
・現代社会の諸課題について事実を多面的・多角的に考察し、公正に判断する力
・現代社会の諸課題の解決に向けて、協働的に探究し根拠をもって主張するなどして合意形成する力

〔学びに向かう力・人間性等〕
・自立した主体として、よりよい社会の実現を視野に国家・社会の形成に主体的に参画しようとする力                                       

CHECK② 主権者教育のポイント

日本国憲法では、主権が国民にあることを宣言しています。これは、国の政治の在り方は国民が決めて実行できるということを意味しています。民主政治のもとでは、主権者である国民が選挙などを通じて政治に参加して、政治の在り方について最終的な責任をもつことになります。

そのため、学校教育においても、子供たちに主権者として良識ある公正な判断力を身に付けることができるようにすることが求められます。ただし、主権者教育を通じて、単に「選挙に行くようになる」という視点だけではなく、「政治について判断できる力を育む」ことが重要であることを押さえて指導に当たりましょう。

「主権者教育」の具体的な指導について共通理解を図ります

主権者教育は、社会科などの教科だけで学ぶものではありません。学校の教育活動全体で指導するとともに、家庭・地域の教育のなかで、子供が主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うことか求められています。具体的には、次のような実践例を参考にして各学校で効果的な指導を展開していきましょう。

4年生 社会科「自然災害から人々を守る活動」(文部科学省例示)

この授業実践では、自然災害から人々を守る活動について、地域社会の一員として自分たちが協力できることを考えようとする態度の育成を目指しています。この授業では、4年生の子供たちが自然災害から命や暮らしを守るために、地域の人々はどのような取組を行ってきたのか、過去に発生した自然災害から学びます。地図や年表などの資料で調べたり、自治体の職員に聞き取りをしたりして、実際に社会で起きている事柄に関心をもつことができるようにすることが大切です。自分たちに何ができるかを考えるとともに、社会の形成に参画する基礎を養います。

4年生 社会科「自然災害から人々を守る活動」の授業で、班の中でぞれぞれの役割を決める子供たち

●5年生 学級活動「係活動で育む学級生活づくりへの参画」(文部科学省例示)

「係活動」は、学級内の仕事を子供たちで役割分担して、他者と協力しながら学級生活を豊かにすることをねらいとしています。係を決めるときは、自分の興味・関心だけではなく、学級全体のことを考えて話し合います。自分のクラスをよりよくするには、どのような工夫が必要かを学級会で話し合い、学級に必要な係を学級全体で合意形成をしながら、よりよい学級生活を創造するような自治的能力を育みます。具体的な活動においては、単に他と競って活動を展開することなく、互いに支え合い、認め合って活動を展開できるようにしていきましょう。 

CHECK③ 指導上の配慮点

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