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児童や他の先生に頼ってみたら、授業も働き方もうまく回り出した【「授業準備が間に合わない!」ピンチから学んだ授業づくり/先輩教師の体験談#14】

連載
「授業準備が間に合わない!」ピンチから学んだ授業づくり【先輩教師の体験談】
授業準備が間に合わない!

児童や保護者対応、様々な校務により「授業準備の時間を確保できない……」という状況に直面したことのある先生も多いはず。本連載は、そんなときにベテランの先生方はどのように対処してきたのか、ご自身の体験談を赤裸々に語っていただきます。今回は千葉県公立小学校教諭由井久満先生の体験談(後編)を紹介します。

由井久満先生の体験談(前編)「最初は教師が枠を教えるけれど、子供はそれを超えていく」はこちら

体験談③ 「早く解き終える子」への対処法が想像以上の教育効果を生み出した【算数】

早く終えてしまう子のための予備プリントが用意できなかった

算数はとくに習熟度の差が大きい教科です。

例えば、練習問題を解かせる場合、特に計算問題では解き終える時間に大きな差が生じてしまうことがあります。そのため、早く終えてしまう子のために、いつも予備のプリントを用意していました。
しかし、他の業務に追われ、追加の予備プリントを準備できなかったときがありました。

そこで、授業の終盤に練習問題を行う際、「早く解き終えた人は自分で問題を作ってみて」と言って、余った時間を利用して問題を作らせてみることにしました。

子供が作った楽しい文章題が大ウケ! 他の教科にも作問学習を応用することに

苦し紛れに思い付きで出した作問学習でしたが、子供たちが作成した問題を見てみると、私が作成してる問題よりもずっと子供の心をつかむような文章題が多かったのです。

例えば、教師が文章題を作る時には、「おせんべいが〇枚あります」「ウサギが○匹います」といった問題になりがちですが、子供に作らせると、子供たちにしかわからないような最新のお菓子や、流行りのゲームのキャラクターなどを登場させるので、読むだけで楽しそうな文章題になっており、実際に大ウケなのです。

これはよい実践法だと実感、それからは子供たちに問題を作ってもらい、それらをストックしておき、時間が余ったときなどに活用するようになりました。
更に、算数だけでなく、他の教科でも展開できることに気付き、社会科や国語(主に漢字練習)などでも、同様に子供たちに問題を作ってもらうようになりました。

子供に問題を作らせることの学習効果も実感

実際に問題を作らせてわかったことは、子供たちが喜ぶ楽しい問題ができる、教師が練習問題を用意する手間が省けるだけでなく、学習面でも非常に効果があるということ。

まず、子供たちは授業で学んだことを基に問題を作るので、復習に大いに役立ちます。さっさと問題を解いてしまう子でも、きちんと内容を理解していないと問題を作ることができないので、「わかったつもり」を回避し、理解の深化、記憶の定着にもつながります。

そして、早く問題を解き終えてしまった子たちは、問題を自作することに夢中になり、お互いに解き合うなどするので、あきることがありません。つまりその間はその子たちに手がかからなくなり、教師は解き方が理解できていない子、つまずいている子の個別対応に時間を割くことができ、全体の底上げにつながります。

代替策として、問題を早く解き終えた子が、困っている子に教えてあげる「ミニ先生」方式を試みたこともありますが、正直、相手に理解させるまで教えることは、子供にとってはハードルが高いと感じました。おしゃべりをしながら教えたり、結局答えだけを教えて解き方を飛ばしてしまったりと、教え方が雑になってしまうのです。当然教え方の指導も必要ですが、子供たちの関係性に「教える側」「教えられる側」といった立ち位置ができてしまうことに対して複雑な思いもあります。
まずは、子供への指導は、プロである教師が責任をもって行うべきだと考えています。教
師の指導が土台となり、子供同士で教え合える力や良好な人間関係が育つことで、教え合
う活動も充実したものになってくるのだと思います。

作問学習を行う際の注意点

ただし、子供に問題を作ってもらうときには、「約束事」をしっかりと伝えるべきでしょう。
私は、「自分で作った問題を一度自分で解いてみること」と、「ちょうどいい難易度にすること」を約束事として必ず伝えるようにしています。
複雑で誰にも絶対に解けないような問題を作ってしまう子もいるので、自分で実際に解いて確認する必要があります。そして「他の子でもちょっとがんばれば解けるぐらいの問題を作ってほしい」と伝えておくとよいでしょう。

構成/出浦文絵
イラスト/藤井昌子
企画/小学館インクリオ

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