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授業の主役は教師ではない【「授業準備が間に合わない!」ピンチから学んだ授業づくり/先輩教師の体験談#8】

連載
「授業準備が間に合わない!」ピンチから学んだ授業づくり【先輩教師の体験談】
授業準備が間に合わない!

研修や会議、校務分掌等に追われ、教材研究の時間がない…。新任なのに授業準備が不十分で不安で仕方がない…。そんな悩みを抱えている先生も多いのではないでしょうか? 本連載は、そんなときにベテランの先生方はどのように対処してきたのか、成功例そして失敗例を赤裸々に語っていただく体験談集。今回は神奈川県横浜市立岡津小学校教諭・河野美樹先生の体験談(後編)を紹介します。

河野美樹先生の体験談(前編)「みんながわかるように教えることの難しさを体感!」はこちら

体験談③ 教える時間を省いたら、子供が考えを伝え合う時間が増大【国語】

授業の定型的な流れを崩さないことを心がけた

日々の校務、保護者対応等に追われ、授業準備が間に合わず迎えた国語の授業。

冒頭は、子供たちと一緒に立てた単元の学習計画をもとに、「前回の学習は〇〇だったね」「今日は、どんなところからスタートすればよいかな?」と質問して子供たちと学習の流れを確認「そうだね、今回は筆者が伝えたかったことを考えたかったんだよね」など、授業のポイントも子供たちから引き出すようにしました。

心がけたのは、普段から行っている授業の流れをできるだけ崩さないこと。4月から「めあて→考える→深める→まとめる→ふり返る」という定型的な授業流れをつくることを徹底していたので、その日もその流れを維持しながら、あわてずに進めることにしました。

とはいえ、不安もありました。私は普段、国語の授業では事前の知識として作者の経歴含め様々な情報を調べ、指導書を読み、知識を詰め込んでから授業に臨んでいました。「作者の伝えたかったこと」を考えさせる授業をする際にも、「まずこれを教えてから考えさせよう」「これも参考になるので伝えておこう」などと、自分が知っていることはできるだけ教えたいと思うタイプなのです。
しかし、その日はその余裕がなかったので、「筆者が伝えたかったことを考える」という核心部分のみに集中することにしました。

先輩教師の体験談#8

教師の解説を省いたことで、子供が考える時間を確保し、子供目線の多様な考えを引き出せた

すると、図らずも子供たちに考えさせる時間をたっぷりと確保することができました。

そしてある意見に対して「その考えについてあなたはどう思う?」と他の子につないだり、「この部分を一人ひとりもう一度考えてみようか」と再び投げかけたりして、子供の発言を引き出しながら授業を展開することができたのです。

子供たちにとっては、「普段通りの授業」という安心感がありつつ、余計な発問が入らなかったことがかえってよかったのかもしれません。クリアな状態で考えることができ、子供目線でしっかり押さえるべき大事な箇所は捉えつつ、多様な考えをそれぞれ自分なりに表現してくれました。

「子供たちの力ってすごい!」と感じた瞬間でした。
子供たちから出てくる考え・意見は、自分が想像していた以上にずっとユニークで奥が深く、子供たちが能動的に発言している姿にも感動しました。

意見が出るまで「待つ」、心の余裕を持つことも大切

最近では、あれこれ調べたり準備したりするよりも、子供たちが考える時間をじっくり取り、いろいろな意見が出るまで「待つ」ということを重要視するようになりました。
「待つこと」はなかなか根気のいることですが、こうした心の余裕を持つことができるようになったことは教師として少し成長できたのかなと感じる部分でもあります。

以前は指導書通りに進めるために焦って自分で結論を言ってしまうこともあり、また指導書に書いてあることをなぞるだけで全てを教えたつもりになっていました。今は子供にじっくり考えさせ、子供自身が結論を導き出していくためにも「待つ」時間を大切にしたいと思っています。

構成/出浦文絵
イラスト/藤井昌子
企画/小学館インクリオ

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