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「なんとかなる」が大誤算。収拾不能の「学び合い」から学んだこと【「授業準備が間に合わない!」ピンチから学んだ授業づくり/先輩教師の体験談#15】

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「授業準備が間に合わない!」ピンチから学んだ授業づくり【先輩教師の体験談】
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授業準備が間に合わない!

ベテラン教師といえども、「授業準備の時間を確保できない」という経験は誰しもあるものです。本連載は、そうした局面を先生方はどのように乗り切ったのか、もしくは失敗から何を学んだのか、成功例そして失敗例を赤裸々に語っていただくリアル体験談集。
今回は、神奈川県横浜市立大豆戸小学校の並木亮先生の体験談・前編を紹介します。

体験談① 想定の甘さから、「学び合い」の授業が大混乱…【5年生・算数】

慣れているはずの「学び合い」が、重苦しい雰囲気になってしまった

5年生の担任をしていたとき、業務が多忙で教材研究まで手が回りませんでした。その日は、算数で人口密度を求める授業を行う予定でした。とりあえず直前に指導書を読み、問題を提示⇒自力解決⇒全体で解き方を共有⇒私が解説を加え授業を練り上げる、という流れで進めようと考えました。

自力解決の場面では、普段から「学び合い」を取り入れているので、その日もお互いに立ち歩いて教え合ってもよいことにして「さあ自分たちで解いてみよう」と伝えました。

ところが、子供たちは問題を解き始めたものの、その日はクラスの中に重苦しい雰囲気が広がっていくのを感じました。普段はしばらくすると「できたよ」「教えるよ」といった声が挙がり、問題を解けた子が立ち歩いてまだ解けていない子に教えてくれるのですが、その日は教えに行こうとする子が全く現れないのです。反対に、「計算が難しい」「どっちのやり方でやればよいかわからない」という声があちこちから挙がりました。

「なんとかなる」という甘い想定が大誤算。混乱と焦りの末に強引な幕引きに

その時点でようやく、複数の解き方があることに気が付きました。授業の冒頭に前時の復習をしていればそのことに気が付けたはずなのですが、「なんとかなるだろう」と甘く考え、いきなり自力解決に入ってしまったことが裏目に出てしまったのです。

また、計算が複雑で困っている子が多く見受けられました。修正の一手として電卓を使わせようと考えましたが、全員分を教室に準備していなかったため、「タブレットの電卓機能を使ってもよいよ」と指示を出しました。ところが、タブレットに電卓アプリをダウンロードしていない子もおり、どこからダウンロードするのか、どう使うのかの説明に追われてしまい、さらに混乱させてしまいました。

子供たちの「わからない」には、よい意味と悪い意味がある

教室内にどんどん「わからないよ」という表情で明らかに困惑している子が増え、私もますます焦ってしまいました。子供たちの「わからない」には、よい意味の「わからない」と、悪い意味の「わからない」があると思っています。
「(今はまだ)わからない」だから「わかるようになりたい。もっと知りたい」となるのであれば、よい意味の「わからない」です。
しかし、「やり方がわからない」「活動の意味がわからない」という場合は、大抵クラスの雰囲気が悪くなります。そのときは後者だったので、できるだけその悪い流れを断ち切ろうと思い、「ごめん。先生の準備不足だね」と謝りつつ、強引に私から解説を行い、教師主導で授業をまとめてしまいました。

準備不足のときこそ心がけるべき3つのこと

反省点は3点あります。
まず、想定が甘かったことです。私自身、何度か5年生の担任を経験していたこともあり、「5年生だからこれくらいはできるだろう」「なんとかなるだろう」というおごりがあったのだと思います。たとえ時間がなかったとしても「子供たちにはどこで質問やつまずきが生じやすいのか」を考え、「どのような支援が必要なのか」まで想定しておくことが重要だと感じました。

2点目は、自分自身があわててしまい、結局教師が説明する時間のほうが長くなってしまったことです。授業中、子供の反応が悪いなと感じたり、重苦しい雰囲気が広がったりしたとしても、焦らずに普段通り子供たちと対話をしながら進めていくべきだったと思っています。

3点目は、授業展開の工夫が足りなかったことです。いきなり問題を提示して自力解決から入ってしまったので、これまでの経験を活かして人口密度についての豆知識を話したり、世界で人口密度が高い国のクイズをしたりするなど、もっと児童の興味・関心をひきつける工夫をすればよかったと反省しました。

構成/出浦文絵
イラスト/藤井昌子
企画/小学館インクリオ

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