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補欠授業で低学年を初体験! 子供の安心感を引き出したのは「アンパンマン」と「担任リスペクト」【「授業準備が間に合わない!」ピンチから学んだ授業づくり/先輩教師の体験談#16】

連載
「授業準備が間に合わない!」ピンチから学んだ授業づくり【先輩教師の体験談】
授業準備が間に合わない!

ベテラン教師といえども、「授業準備の時間を確保できない」という経験は誰しもあるものです。本連載は、そうした局面を先生方はどのように乗り切ったのか、もしくは失敗から何を学んだのか、成功例そして失敗例を赤裸々に語っていただくリアル体験談集。
今回は、神奈川県横浜市立大豆戸小学校の並木亮先生の体験談・後編を紹介します。

並木亮先生の体験談(前編)「『なんとかなる』が大誤算。収拾不能の「学び合い」から学んだこと」はこちら

体験談③ 急遽、他学年で補欠授業を担当することに!【2年生・道徳】

担任に代わり補欠授業で入ったのは、初めての低学年クラス!

当時高学年の担任をしていましたが、ある日2年生の担任が休むことになり、急遽、補欠で道徳の授業を担当してもらえないかと打診を受けました。

急ではありましたが、道徳は好きな教科であり、またそれまで高学年しか受け持ったことがなく、低学年の授業に興味があったので、「ぜひやらせてください」と志願しました。
とはいえ、それほど準備をする時間を取れなかったため、とりあえず教科書と指導要領を読み、いくつか発問を用意しておきました。

雰囲気づくりが肝心と考え、アンパンマンとばいきんまんを例に出し、授業を展開

単元は「ぽんたとかんた」でした。

初めて授業を行う学級、しかも他学年です。最初の雰囲気づくりが重要だと思いました。 特に、内容項目である「善悪の判断」について、どうすれば楽しい演出ができるだろうと考え、導入にアンパンマンとばいきんまんの例を出し、子供たちと一緒に、人にはよい心と悪い心があることを確認しました。親しみやすいおなじみのキャラクターを例に出すことで、子供たちが自分事として捉えやすくなるのではないかと考えたのです。
また、子供たちに「みんなはアンパンマンみたいに、よいと思ったことを進んでできるかな?」と問いかけ、挙手でアンケートを行いました。そして「なぜ、よいと思ったことを進んで行うことができないのか」ということに問題意識をもたせながら、子供たちとやりとりを重ね授業を進めていきました。

集中力が切れたら「書く活動」を取り入れた

予め用意していた発問は3つ。
「遊びたいぽんたの気持ちを考える発問」
「ぽんたが大きな声で『ぼくはいかないよ』と言ったときの気持ちを考える発問」
「最後に二人が楽しそうにブランコをしているときの気持ちを考える発問」
です。

2年生ということもあり、途中で集中力が切れてしまう様子も見受けられたので、発問に対しては「書く活動」を取り入れました。

その後、大切な考え(道徳的価値)を黒板にまとめ、それをもとに今までの自分はどうだったか、自分自身の行動のふり返りを行いました。
最後に自分自身の経験をふり返る場面では、友達が発言したよい行いをしっかり聞き、自分も発言したいと挙手をして、積極的に自分の経験や自分の思いを話してくれる姿が見られました。子供たちの様子を見て、改めて日頃から、聞くことや話すことに重点を置いた指導をしておくことは大切だと感じました。

担任へのリスペクトを見せることが、子供たちの安心感につながる

授業中、特に心がけたのは、怒らないことと、できるだけたくさんほめること。
そして、担任の先生に対してのリスペクトを見せることです。「A先生はいつもどうやってる?」「先生はこういうやり方でやってもいい?」などと丁寧に聞きながら、担任の先生がそれまで積み上げてきた学級の文化を大切にする姿勢を見せることで、子供たちも安心して授業に取り組Aことができるのではないかと思いました。

自分のクラスや、同じ学年の他のクラスで授業を行うのと違い、まったく人間関係が築けていない他学年で授業を行うことは、お互いに緊張感があるものです。クラスの実態はもちろん、発問に対してどのようにリアクションがあるのか、どの子がよく発言する子なのか、といったこともわからないので、終始手探りの状態でした。
しかし、だからこそ先入観をもつことなく、新鮮な気持ちで自分自身も楽しみながら授業を行うことができ、よい経験になりました。準備不足ではあったものの、チャレンジすることは、自分の引き出しを増やすことになると実感できた出来事でした。

構成/出浦文絵
イラスト/藤井昌子
企画/小学館インクリオ

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