子供が主体的に取り組む「自主学習」の指導法【子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ⑧】

子供の個性と能力を最大限に引き出すためには、教師はどのような指導をしていけばよいのでしょうか。学級経営を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、全15回のテーマ別に、学級の中で個々の子供の力を伸ばしていく方法について解説します。第8回は、自主学習について解説します。
執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
城西国際大学兼任講師
日本女子体育大学非常勤講師・稲垣孝章
「自主学習」は、子供の主体的な学びの基盤と言っても過言ではありません。宿題のように教師から一律に提示される学習も、学習習慣や基本的な学習の定着を図るという視点では大切な学習です。しかし、「自主学習」は、学習内容や学習時間等について、個々の選択に委ねられるところに意義があります。そこで、「自主学習」を指導するにあたって、次の3つのキーワード「自主学習の捉え方」「自主学習のポイント」「指導上の配慮点」でチェックしてみましょう。
目次
CHECK① 自主学習の捉え方
「自主学習」は、一方的に親や教師から提示された内容を行う学習ではありません。しかし、子供にすべてを委ねるだけでは、本来のねらいである自主的な学習態度を育成することはできません。発達段階や個々の能力、家庭での生活状況等を踏まえ、子供自身が学習内容等を選択し、主体的に学べるように具体的な支援をすることが求められます。
「自主学習」を行う意義を確認します
「自主学習」の意義を確認し、保護者にも分かりやすく説明できるような働きかけをしていくことが肝要です。そのために、「自主学習」について次のような視点で説明できるようにしておきましょう。
①子供が自分に合った学習を選択することで、「進んで学習する態度」を育てる。
②子供が家庭での学習計画を立てることで、「家庭学習の定着」につなげる。
③子供が自分の学習を振り返り、「自分なりの課題を発見する力」を育てる。
④自主学習ノートで「学級担任と子供とのコミュニケーション」を深める機会にする。
⑤学級担任が個々の子供の「よさを見取り、よさを伸ばす手立て」の一助にする。
CHECK② 自主学習のポイント
「自主学習」は、家庭での学習を基盤としているため、保護者の理解が不可欠です。各家庭には、その家庭なりの教育方針があり、各種の習い事等を行っている場合もあります。子供自身が自主学習として選択できる時間帯も考慮していくように心がけ、保護者と協力して子供の主体的な学習意欲を喚起していきましょう。
保護者の理解を得られるような啓発をします

保護者の理解を得つつ、子供たちが主体的に「自主学習」を行うことができるようにするために、次のように指導する際のポイントを提示し、啓発していきましょう。
・家庭での生活を見つめ直し、「自分に適した学習計画」を工夫して作成できるようにする。
・塾や習い事の時間などを考慮し、「毎日無理なく続けられるような計画」となるようにする。
・1週間の予定を考えながら、自分なりに「見通しをもった計画」を立てることができるようにする。
・苦手な学習の克服より、「得意な学習や興味のあること」から始めるようにする。
・計算問題などは、「自分自身で採点」して教師に提出できるようにする。
・学習内容や学習時間等、「他との比較ではなく、自分なりに取り組む」ことができるようにする。
