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子供の「思考力」を伸ばす6つの視点【子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ⑤】

連載
子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ
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埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者

稲垣孝章
子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ バナー

子供の個性と能力を最大限に引き出すためには、教師はどのような指導をしていけばよいのでしょうか。学級経営を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、全15回のテーマ別に、学級の中で個々の子供の力を伸ばしていく方法について解説します。第5回は、子供の思考力を伸ばす教育手法について解説します。

執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
 城西国際大学兼任講師
 日本女子体育大学非常勤講師・稲垣孝章

子供の「思考力」を伸ばすことは、学力向上に直結する視点です。「思考力」とは、一般的に「自分の経験やもっている知識を使って考える力」のことを指します。また、得られた情報を分析、整理して判断する能力のことでもあります。

子供の「思考力」の伸長を目指した指導をするにあたって、次の3つのキーワード「思考力の捉え方」「思考力を高める言語教育の手法」「指導上の配慮点」でチェックしてみましょう。

CHECK① 思考力の捉え方

「思考力」は学習活動の重要な能力であり、この力を伸ばすことは学びの質を高めることに直結します。しかし、その能力を測ることは難しく、授業の中で子供の姿も見取りにくいのが現状です。

まずは、教師が「思考力」をどのように認識するかということが問われます。次のような「思考力」の基本的な種類を念頭に置いて指導に当たっていきましょう。

「思考力」の基本的な種類について理解し指導に役立てます

・「論理的思考力」…物事を体系的に整理し、筋道を立てて考える力
・「多面的思考力」…物事を様々な側面から捉え、理解しようとする力
・「批判的思考力」…前提となる事実が本当に正しいのか、論理的に考える力

それぞれの思考力の特徴について教師が意識し、授業での指導に活用していくことが求められます。

例えば、「論理的思考力」について、授業の中では「仲間に対して説得力のある発言」「仲間の気持ちや考えを理解した発言」などの視点として指導します。

「多面的思考力」では、「切り口を変えて捉えた発言」「新たな発見となる発言」などの視点として指導します。

「批判的思考力」では、「よりよくするために修正する発言」「冷静に新しいアイデアなどを考えた発言」などの視点で指導します。

学習活動の中で、どのような思考力を育てたいのかを検討し、自分なりの視点をもって指導していきましょう。       

CHECK② 思考力を高める言語教育の手法

障害児教育でも活用されている「セガンの3段階」を参考に、思考力を高める言語教育の手法を取り上げます。モンテッソーリ教育に影響を与えたセガンは障害児教育に力を入れました。そこで、思考力を無理なく高める手立てとして、言語教育の手法で物の名前を3段階に分けて教えることを提唱しているので参考にしたいと思います。

「3段階」に分けて思考する手法例を参考に手立てを講じます

例えば、学習者に「鉛筆・ペン・筆」を見せます。

・第1段階:記銘(物と名称を結び付ける)…3つを見せて「鉛筆」を指し、「これは鉛筆です」と話します。

・第2段階:保持(繰り返し聞いて物と名称の結び付きを強める)…3つを見せて「どれが鉛筆ですか」と質問します。

・第3段階:再生(物の名称を答えさせる)…3つから「鉛筆」を取り上げて、「これは何ですか」と質問します。

学習者に「これ」「どれ」「何」と質問して答えるようにするのが「セガンの3段階」の手法です。この繰り返しが学習者の「思考力」を育てるとしています。子供たちの実態に即して、様々な指導の手立てを講じていきましょう。

CHECK③ 指導上の配慮点

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