「自由研究」指導における6つの視点【子供の個性と能力を最大限に引き出す 学級経営の極意Ⅲ⑮】

子供の個性と能力を最大限に引き出すためには、教師はどのような指導をしていけばよいのでしょうか。学級経営を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、全15回のテーマ別に、学級の中で個々の子供の力を伸ばしていく方法について解説します。最終回は、「自由研究」の指導法について解説します。
執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
城西国際大学兼任講師
日本女子体育大学非常勤講師・稲垣孝章
「自由研究」は、子供の主体的な学びに向けた意欲を高めます。特に、長期休業における「自由研究」は、学校で行う教育活動とは異なり、各家庭での学習が中心になりますが、個々の家庭環境は様々です。必要以上に家庭に負荷をかけないように配慮するとともに、子供自身の力で計画的に意欲をもって取り組むことができるようにすることが求められます。そこで、「自由研究」の指導をするにあたって、次の3つのキーワード「自由研究の事前指導」「自由研究の視点とまとめ方」「多様な自由研究例」でチェックしてみましょう。
目次
CHECK① 自由研究の事前指導
「自由研究」は、学校での事前の指導が大切です。次のような手順を踏んで指導していくことが考えられます。
①これまでの「学習や生活経験」を振り返る。
②友達の疑問やこれまでの「研究例」を確認する。
③様々な情報から自分の「研究テーマ」を決める。
④研究テーマに関する「具体的な計画」を立てる。
⑤担任などに相談して研究の「計画を見直す」。
⑥自分なりの「研究計画を決定」する。
具体的な手順を踏まえ、個々の子供たちの実態に即した事前指導を展開していきましょう。
研究のまとめに活用する資料を提示します
事前に計画を立てる段階で、次のような研究のまとめに活用する資料について例示しておくと効果的です。
・研究に関する調査等の「写真のデータ」を継続的に作成し、保管しておく。
・日常的に「気付いたこと」をメモしておく。
・測定した「数値の結果」は継続して記録しておく。
・実験などに使用した「素材や実験器具等」を保管しておく。
・調査等で活用した「参考資料」を保管しておく。
・インタビュー等を「録音・録画」し、保管しておく。
・観察等で得た「変化の様子」を記録し保管しておく。
研究のまとめに向けて活用する資料等の保管について、事前に確認できるようにしていきましょう。
CHECK② 自由研究の視点とまとめ方
同じ研究をしても、まとめ方によって研究の成果に大きな違いが生じてきます。具体的には、研究をまとめる際に、概ね次のような項目立てが考えられます。
①研究テーマ
②調べたきっかけ
③研究の予想
④予想を試すための計画
⑤計画に沿った実験・観察
⑥実験・観察の結果
⑦予想と結果から考えたこと
⑧研究のまとめとこれからの課題
研究のまとめは、写真やグラフなどを活用すると、視覚に訴えるものになります。さらに、実験や観察で使用した用具なども提示すると、説得力のある発表資料になります。

「自由研究」の6つの視点を踏まえるようにします
「自由研究」を設定するには、様々な視点があります。あまり高度でなく、誰にでも挑戦できそうな視点を提示できるようにしましょう。
①作ってみたいもの
動くおもちゃ、小物入れ、貯金箱、アクセサリー、ゴミ箱、飛び出す絵本 など
②育ててみたいもの
カブトムシ、アリ、ヒマワリ、アサガオ、ハムスター、カメ など
③調べてみたいこと
天気、水の流れ、色水のできる花、熱中症、バリアフリー、自然災害、SNS など
④行ってみたいところ
海岸、水族館、お城、牧場、湖、世界遺産、富士山、城下町 など
⑤挑戦してみたいこと
料理、裁縫、水泳、逆上がり、縄跳び、パソコン、そろばん など
⑥続けてみたいこと
日記、漢字練習、お手伝い、持久走、気温の記録、日照時間の記録 など
どの子供にとっても、簡易で取り組みやすい内容を提示していきましょう。
