ページの本文です

教師としてのキャリア設計をどう考える?<中高教員の実務>

連載
中高教員の実務

創価大学大学院教職研究科教授

宮崎 猛

文京学院大学名誉教授

小泉博明

教師のキャリア設計として「管理職をめざす」「転職を考える」などが考えられますが、キャリア設計を考える場合は、8割で到達するくらいの気持ちで余裕をもって考えることが大事です。

編著/小泉博明・宮崎 猛

【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#52

大学時代の同級生は海外赴任だ、昇進だと騒いでいるけど、自分はこの先、どうなるんだろう。このまま定年を迎えてしまうのかなぁ……。

教員としてのキャリアプランを考えることは、あなたの人生設計を考えることです。「新任だから、まだ早い」とか「教師力を体得してから考えよう」というのではなく、新任だからこそ、将来のことを考えておく必要があるのです。「少年老い易く、学成り難し」。今こそキャリア設計を真剣に考えましょう。

教師としてのキャリアプランを早い段階から考えておく

近年の教員不足の状況から、教師になって数年もすると中堅教師としての自覚と責任が期待され、「授業力」「生徒指導力」「学級経営力」が十分に備わっているとみなされます。学年主任を任されたり、新任教師の育成を担当させられたりすることもあるでしょう。学年の運営力や校務分掌での役割も大きくなります。専門的なスキルが充実した「学校運営力」が要求されます。そうした状況を踏まえ、キャリアプランを早い段階から考えておきましょう。

キャリアプラン1.管理職をめざす

学校は「校長-副校長(教頭)-主幹教諭(指導教諭)-主任-教諭(一例)」という組織で成り立っています。教師としてのキャリア設計を考える場合、「管理職になるのか、ならないか」は避けられない課題であり、あなた自身の生き方にもかかわる課題です。急いで結論を出す必要はありませんが、先輩教師の姿も参考にしながら、心の準備はしておきましょう。また、管理職の仕事の内容も理解しておきましょう。

キャリアプラン2.転職を考える

教師を辞めて転職した場合、転職先の仕事の内容にもよりますが、給料が半減することもあります。教師以外の仕事で、自分に何ができるかを考えてみてください。案外、融通が利かないのが教師という職業です。安易に転職を考えるのではなく、十分に熟慮して決断すべきでしょう。転職の自由とチャンスは誰にでもありますが、十分な技術や能力があることが前提となります。

キャリアプラン3.大学院への進学

大学院への進学にはいくつかのパターンがあります。国語科の教員を例にとると、文学そのものを研究するなら大学院文学研究科への進学となり、自費による進学となる場合が多いようです。一方、国語教育を研究対象とする場合は大学院教育学研究科への進学となり、公費で進学できる可能性があります。

そのほか、教職大学院への進学や、上越教育大学、鳴門教育大学、兵庫教育大学など、現職教員向けの大学院もあります。公費での進学の可能性や募集内容をチェックしてみましょう。

あなた自身が何を目標にするかで、進学すべき大学院も変わります。学術的な研究をしたい場合もあれば、専修免許状を取得するために進学する場合もあるでしょう。しかし基本的には、教師力を向上させるための大学院進学が奨励されることになります。

キャリアプラン4.海外勤務を経験する

(財)海外子女教育振興財団では、毎年「日本人学校等専任教員募集要項」を出しています。詳細はホームページで確認しましょう。任期は2~3年で、赴任校の希望は一切受け付けず、任期終了後の就職の保証もありません。文部科学省から派遣される派遣教員もありますが、日本人学校という海外での貴重なキャリアを、その後どのように生かすかがポイントとなるでしょう。

また、海外と国内の交換教員制度というものもあります。明確な目的意識があるならば、意義のある経験となるでしょう。

イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ

この記事をシェアしよう!

フッターです。