<学校管理職>従来の対応では不十分? 令和の新しい危機管理「さしすせそ」とは【GKC|がんばれ教頭クラブ】

学校運営において、予期せぬトラブルや危機を完全に避けることはできません。とくに現代の学校が向き合う危機は、複数の要因が絡む課題へと複雑化しています。本記事では、従来の原則を土台にしつつ、「どう対応するか」から「どう考え、どう組織を動かすか」へと視点を広げた、令和版の危機管理「さしすせそ」をご提案します。「最悪を想定する」から「育てる」まで、管理職が判断に迷ったときに立ち戻る5つの「思考プロセス」です。
執筆/元山形県公立学校教頭・山田隆弘(ようだたかひろ)
目次
新時代の危機に立ち向かう用意を
これまで学校では、「さしすせそ(最悪を想定して、慎重に、素早く、誠意をもって、組織で対応する)」という原則が言われてきました。しかし、現在の学校が向き合う危機は、事故や災害に加え、SNSトラブル、不登校、虐待の疑い、教職員のメンタル不調など、その要素が増え、複雑化しています。
そこで従来の原則を土台に、「どう対応するか」から「どう考え、どう組織を動かすか」へと視点を広げた、令和版の「さしすせそ」を提案します。
- さ:最悪を想定する
- し:診断する(背景を診る)
- す:進める
- せ:専門家につなぐ
- そ:育てる
これは単なる対応手順ではなく、教頭が判断に迷ったときに立ち戻る5つの「思考プロセス」です。
「さ」最悪を想定する――リスクマネジメントの基本
危機管理の第一歩は、楽観論を排除し、最悪の事態から逆算して初動を判断することです。欠席が続くなどの小さな変化の背景を疑い、「もし命や安全に関わる事態だとしたら」と常に自問します。
- 事前のシナリオ作成:前述の複雑化する課題や所在不明事案などに対し、「最悪の場合に何が起こり、何を最優先するか」をあらかじめ想定します。
- 「備え」の具体化:平時からの連絡網や役割分担(誰が、誰に、何を伝えるか)の戦略構築が、初動の遅れを防ぎます。
