ページの本文です

子供の「ニーズ」を見取る-行動の背景を理解する観察の技術-|特別支援教育の視点を取り入れた学級経営術 #2

連載
特別支援教育の視点を取り入れた学級経営術

北海道公立小学校教諭

山田洋一
特別支援教育の視点を取り入れた学級経営術 バナー

一人一人の子供の困難さを丁寧に見取ることに定評のある山田洋一先生の連載です。特別支援教育の視点を取り入れて、どの子にとっても学びやすい学級づくりをしていきましょう。

執筆/北海道公立小学校教諭・山田洋一

はじめに

通常学級を担任していると、「なぜ、この子は何度も同じ行動をするのだろう」と感じる場面が少なくありません。注意をしているのに改善しない。指導しても、また繰り返す。こうした場面に出合うことも少なくありません。

そんなとき、教師はつい「わざと」「やる気がない」「分かっているはず」と、子供の「意図」に目を向けてしまいがちです。

しかし、特別支援教育の視点では、行動を「意図」ではなく、「ニーズ」から見取ります。この視点をもつことで、子供の見え方が大きく変わり、学級経営の手応えも確実に変わってきます。

行動の理由を「意図」ではなく、「ニーズ」で捉える

授業中に立ち歩く子供

例えば、授業中に何度も立ち歩くAさん。

「座りなさい」「今は立ってよい時間じゃありません」と声をかけても、しばらくすると、また席を離れてしまいます。

この行動を「注意を引きたい」「わざとやっている」と捉えると、指導は叱責中心になります。

一方、ニーズの視点で見ると、別の可能性が浮かび上がります

・長時間座り続けることが難しい
・次に何をすればよいか見通しがもてていない
・課題の量や進め方が本人の力に合っていない

実際に、活動の手順を板書で「①読む→②書く→③出す」と整理し、終わったら自分でチェックを入れられるようにしたところ、立ち歩きが大きく減った、というケースがありました。行動そのものを止めるのではなく、「動かなくても済む環境」を整えることで、結果として行動が落ち着いたのです。

子供の背景にあるニーズを捉え、環境に働きかけることが特別支援教育の視点を生かすということです。

「困った行動」の奥にあるサインを読む

この記事をシェアしよう!

フッターです。