板書と掲示で、体育の学びを深めよう【絶対うまくいく! 体育の超マネジメント#9】

みなさんは、体育の授業で黒板やホワイトボードを使っていますか? 体育の授業を「ただ体を動かす時間」で終わらせず、「学びのある授業」にしていくためには、板書や掲示物ができるツールは有効です。口頭の説明だと、その場では分かったつもりになっても、活動が始まると忘れてしまうこともあるからです。また、ルールに迷ったときや、何を意識して活動すればよいか分からなくなったときに、見て確かめられるものがあることは大きな助けになります。今回は、体育を「学びの授業」に変えていくための、板書とめあての活用について紹介します。
執筆/環太平洋大学次世代教育学部講師・中安翼
目次
板書や掲示物があるだけで、体育は「学びの授業」になる
私の経験では、小学校の運動場や体育館では、黒板やホワイトボードを使わない授業が多いように感じます。ですが、体育における学びを進めていくには、板書や掲示ができるツールがあると非常に効果的です。
- 活動の決まりやルールの掲示
- 子どもたちが見つけたコツの掲示
- コート図とマグネットを使った動きの説明
などに活用することで、子どもたちは内容を理解しやすくなり、自分の考えをもちやすくなります。
例えば、次のようにコート図、ルール、めあて、子どもたちが見つけたコツなどが見える形でまとまっていると、体育の授業はぐっと学びやすくなります。活動の途中で子どもが立ち戻れる場所があることは、体育においてとても大きな意味があるのです。

最初からここまでそろえる必要はありません。まずはルールやめあてなど、必要なことを見える形で残しておくだけでも十分です。
「口頭で伝えれば十分では」と思う人もいるかもしれませんが、板書や掲示物で残しておくことは、口頭だけでは理解しにくい子どもにとって大きな助けになります。結果として、全体で説明する回数が減り、授業はかえって効率的になります。
なお、私は授業中の板書量を必要最小限にとどめています。時間を効率的に使うため、事前に書いておいた板書や掲示物を活用し、その場で必要なことだけを書くようにしていました。
運動場用の黒板やホワイトボードがない学校でも、校内で不要になった可動式のホワイトボードや小黒板はあるのではないかと思います。ぜひ活用してみてください。
めあては、子どもの意識に沿って示そう
板書で特に重要なのが本時のめあてです。その時間の学習の方向性を共有するものとして捉えます。
例えば、
- ルールを覚えて〇〇をやってみよう
- 攻めや守りのコツを見つけたり使ったりしよう
- 自分の課題に合わせて〇〇に挑戦しよう
といったものです。
上掲の写真のように、めあては最も目立つところに大きく書きますが、授業の最初では空欄にしておきます。
教師が初めから決めて示すのではなく、授業の流れの中で子どもたちの意識が向いた段階で示せるようにするためです。
まずは、この時間で使う教具を見せたり、前の時間の学びや課題を思い出させたりしながら、子どもたちが「今日は何を意識して取り組むか」を考えられるよう促していきます。その上で、授業中にめあてを立てていくのです。
めあてが事前に書かれていると、「今日はこのように考えなさい」と教師に決められたものを押し付けられているように感じ、子どもが受け身になりがちです。
めあてを子どもと一緒に立てるのは難しそうに見えるかもしれませんが、実際には、それほど難しいことではありません。単元の最初であれば、教具を見るだけで「やってみたい」という気持ちを持つ子どもが多く、その興味からめあてが引き出せますし、単元の途中であれば前時の活動を思い出すことで、「今日は〇〇を工夫しよう」と自然に考えられるからです。
