新提案!授業の流れを4コマで可視化する「4コマ漫画指導案」が変える授業づくりと校内研修
授業づくりを「子どもの学びの物語」として構造化する――。群馬県太田市立城東中学校 教頭・豊岡大画先生が提案する「4コマ漫画指導案」は、授業を4つの場面で可視化し、子どもの変容を軸に学習活動を設計する実践として注目を集めています。教師が「何を教えるか」ではなく、「授業の最後に子どもがどう変わっているか」から逆算して授業を構想することで、主体的・対話的で深い学びを促進するとともに、授業改善や校内研修の質の向上、教員の負担軽減にもつながると、豊岡先生は語ります。本実践はその有効性が評価され、第56回「博報賞」において奨励賞を受賞しました。今回は豊岡先生からのメッセージを交えつつ、その思想と実践の核心を紹介します。

目次
「子どもの変容」を軸に学習活動を4コマ構造で設計
授業づくりに悩まない教師はいません。教材研究を重ね、丁寧に説明し、発問を工夫しても、子どもたちが思ったように動かない。活動は成立しているように見えても、子どもの学びが深まった実感が持てない。授業が終わった後に、「今日は本当に子どもが学んでいたのだろうか」と不安になる。そうした感覚は、経験年数に関係なく、多くの教師が抱えているものです。
群馬県太田市立城東中学校 教頭の豊岡大画先生は、そうした授業づくりの課題に対して、「4コマ漫画指導案」という独自の手法を提案しています。

豊岡大画(とよおか・たいが) 先生
群馬県太田市立城東中学校教頭。聾学校、中学校、日本人学校、群馬大学教育学部附属小学校、群馬県総合教育センター指導主事を経て現職。「4コマ漫画指導案」実践で第56回「博報賞」奨励賞受賞。
豊岡先生が提唱する「4コマ漫画指導案」は、授業を4コマ漫画のような構造で捉え、「子どもの変容」を軸に学習活動を設計していく方法です。単に指導案を簡略化するアイデアではありません。むしろ、教師が授業をどのように捉え、どのように構想し、どのように振り返るかという“授業観そのもの”を問い直す実践だと言えるでしょう。


授業づくりの難しさは「構造把握」にある
豊岡先生は、教職員研修などで「想像してみてください。もし、ご自身の自宅に35人の小学生が遊びに来るとしたら、どうでしょうか」という問いを投げかけるといいます。この場面を具体的に想像すると、多くの教師が苦笑します。35人の子どもたちが同時に動き回り、話し、反応し続ける空間を家庭の中で受け止めることは、ほとんど不可能に近いからです。
豊岡先生:「具体的に想像してみると、それは気が遠くなるような、とてつもなく大変な状況です。しかし、先生方は、その『35人の子供たちとの時間』を、1日6時間、週5日間、年間200日も行っています。これは、実はとてもすごいことであり、教師という職業の専門性を物語るものです」
教師は日常的に、極めて複雑な集団と向き合っています。しかも、その空間では単に秩序を保つだけではなく、「学び」を成立させなければなりません。一人ひとりの理解や感情に目を配りながら、学級全体を動かしていく。その仕事は、本来極めて高度な専門職です。
それにもかかわらず、多くの教師が「授業がうまくいかない」と悩み続けています。豊岡先生は、その背景の一つに、「授業を構造として捉えることの難しさ」があると考えています。
教師は往々にして、「今日は何を教えるか」「どんな活動を入れるか」という順番で授業を考えます。しかし、その考え方だけでは、授業は活動の羅列になりやすく、子どもの学びの流れが見えにくくなりがちです。
そこで豊岡先生が重視するのが、「授業の最後の子どもの姿」を起点にして授業を構想することです。
